2024年8月から9月にかけての情報です。動物検疫所や病院、航空会社における扱いについては最新の情報を直接確認して下さい。
日本に住む犬が、短期間海外に行き、狂犬病フリーの島国である日本に再度入るためには、以下の手続きが必要です。
何よりもまずマイクロチップ装着
狂犬病予防接種2回(30日以上の間をおいて2回)
抗体価検査(かかりつけ獣医から血液を検査施設に送付してもらいます、2年間有効)
出国空港の検疫所に輸出申請、帰国空港の検疫所に輸入届出(全てオンライン)
現地(海外)の獣医師のサイン、現地の政府機関の裏書(これが一番大事)
2024年8月1日からアメリカ入国にあたり犬の検疫が必須になりましたが、日本の動物検疫所が発行する「輸出検疫証明」(英語併記)を、アメリカ入国審査後の検疫(別室)で提示します。別室は他の理由の客(持ち込み荷物の重量オーバーなど)で若干並びます。
写真に写っている緑の紙は「輸出検疫済」のタグです(通常は、動物をケージに入れるので、ケージにつけるためのタグ)。今回は、出発数日前に羽田空港の動物検疫所で手続きしました。
飛行機に搭乗
補助犬(日本の定義では盲導犬・介助犬・聴導犬)は、機内に一緒に搭乗します。これはサンフランシスコ空港の日本行き便の搭乗口です。
アメリカン航空の場合、アメリカ政府指定の書類(訓練されていること、排泄に問題がないこと)に署名して申請し、認められればservice animalのIDが付与されて搭乗可能となります。書類に獣医師のサインは不要ですが、追加書類(例えば日本政府発行書類にhearing dogと記載されているなど)を併せて提出しないと認可されません。
アメリカン航空国内線
国内線といってもフィラデルフィアからサンフランシスコは6時間。なお、8時間を超えるフライトの場合は排泄に関して「粗相しません」という書類提出が必要になります。このフライトでは、他にもサービスドッグがいました!
アメリカでは近年、「エモーショナルアニマル」がトラブルを起こしているようでサービスアニマルの条件に厳しくなっている印象です。
JALの一番前はじっこ
日米路線は飛行時間10時間超です。人間の場合、機内でトイレを使用しますが、次郎さんの場合は1回も行きません。航空会社のルール上、排泄をコントロールするために、機内にいる動物は飲食禁止になっています。ただ、ルールがあってもなくても、次郎さんの場合は、機内では全く飲まず食わずトイレ行かず(促しても飲まない、食べない、排泄しない)です。なので、飛行機おりてから次郎さんのためのトイレに走ります。また、乗務員さんが降り際に「次郎さんに」と水のボトルをくれました。
アメリカン航空のラウンジ
犬ウェルカムなように見せかけて、裏面はなかなか厳しいのです。
裏面は、サービスアニマルはタグやハーネスやベスト着用するなどわかりやすくすること、椅子に乗るな(膝上を除く)、床にいろ、フードコーナーに連れて来るな、サービスアニマルをフードコーナーに連れてくる場合は抱くな、粗相するな、清潔を保て、オーナーのコントロール下におけ、吠えたり飛び掛かったりコントロールできなくなったら退場!と細々と書いてあります。
確かにラウンジには他にもペットの犬がいました。
タクシー
フィラデルフィア空港について、ホテルまでタクシーに乗ろうとタクシー乗り場で待っていましたら、ちょうど入ってきたタクシーが「犬?ダメ」みたいな表情とジェスチャー(おそらく宗教や文化的な理由と思います)でしたが!
空港なのでタクシー乗り場に職員がいまして、その職員さん(ウーピー・ゴールドバーグ似)が、拒否するタクシー運転手さんに対して、#%#$%&#*&!!(雰囲気とジェスチャーで意訳:これはサービスアニマルだ、拒否することはできない、拒否する?なら事務室行くか?と室内を指さす)とまくしたてまして、言っている途中から運転手さん、あきらめて私の荷物をトランクに入れてくれていました。
タクシーはじめuberやAirbnbなどの提供者側はサービスアニマルを拒否できず、アレルギー等の病気事由などで医師の診断書等があれば拒否できるそうです。つまり、事業者側に拒否理由の立証責任があります。
短期滞在の場合、海外へいって現地でまずすることは動物病院へGO!です。日本に帰国してから滞りなく「輸入」(犬は入国ではない)するために、現地(アメリカ)の獣医師による診断書サインと政府機関(USDA)の裏書が必要となります。
犬の日本への渡航書類(日本は最も厳しい)に慣れており、さらに電子提出に対応してくれる動物病院が限られるため、日本から予約必須です。大都市でも対応してくれる動物病院は1~2程度です。
この書類に不備があると、犬は日本の到着空港の検疫所で係留となります(補助犬は係留とはならないですが、書類を整えるために再度現地に行く必要が出てきます)。事情に詳しいアメリカの獣医師さんだと、慎重に日程を組んでくれて(USDAの裏書まで4営業日はみた方がよいとか)、念入りに念入りに書類を確認してくれます。日本の下町の獣医さんが日本語で書いたワクチン証明書類でも、年月日やワクチン番号から類推して確認してくれました。
ロッキー!
走れ!ロッキー!
フィラデルフィア市庁舎(手前左にフリーメーソンの寺院もありました)
鐘!
サービスアニマルはペット不可のホテルでも泊まれます(ペット料金不要)。特に証明を要求されることはありません。
次郎さんはだいたい室内のデスクの下で寝ます。
アメリカの大きな空港では、たいていサービスドッグのためのトイレがあります。車椅子利用者や視覚障害者も使える設計になっているのですが(自動ドアとか点字とか)、よく故障しています。
サービスドッグのトイレ内部はいろいろで、消火栓レプリカがおいてある例。日本でいう電柱ですね。オス犬限定の効果?
サンフランシスコ空港のサービスドッグのトイレ。サンフランシスコの自然風景壁紙で犬にもよおさせよう!(効果ある?)という感じに、それなりに「人間の目からの」工夫はしてあります。
なお、トイレ内は排泄臭と無理に消毒した臭がごちゃ混ぜで長居したい感じではありません。
ちなみに渡米目的は学会発表です(ヒトが)。
学会ポスター会場(ヒトの)
学会会場(机の下で寝て待つ)
学会発表中(ヒトの)はテーブル下で寝ながら待機します。あ、寝てない。
学会発表会場、日曜早朝すぎて誰もいない。