特別講演

8月2日(火)9:30〜10:30

「AIの「精度」とは何か -東ロボPから見えてきたこと」
新井紀子(国立情報学研究所)

Noriko Arai

「ロボットは東大に入れるか」は、現代の人工知能で複合的知的タスクを、人間との比較においてどの程度解くことができるかをテーマに2011年に国立情報学研究所を中心として開始したプロジェクトである。今回の講演では、プロジェクトを通じて得た、機械と人間が行う検索・要約・自然言語処理の各タスクに関して、精度の比較について紹介するとともに、機械精度の計測はどうあるべきか、について、議論してみたい。 

 

8月3日(水)9:00〜10:00

「機械学習・AI時代における基礎研究」
河原林 健一(国立情報学研究所)

現在、アルゴリズム・理論計算機科学の研究者がAI分野に参入し、応用系の研究者と共同研究を行うことにより、多くの研究成果を挙げている。その理由は、データサイエンスから派生する「難解な」問題に対して、(近似的に)解決可能に「定式化」 する技術、および効率的に解決するアルゴリズムを多数持っているからである。

私が研究総括を務めるJST ERATO「河原林巨大グラフプロジェクト」でも、2013年より、最適化・アルゴリズムの若手研究者と優秀な大学院生を組み合わせることにより、機械学習、AI, データーマイニング、 データーベース、自然言語などの幅広い分野で、世界的研究成果を挙げようと試みてい る。本講演では、この「試み」で成功した点、改善点などを報告したい。

 

8月4日(木)9:00〜10:00

「画像の認識・理解をめぐる法律問題について」
小林 正啓(大阪弁護士会)

画像認識技術が成熟し、社会実装されるにしたがい、さまざまな社会問題や、法律問題が指摘されはじめている。2014年には、顔認識技術を用いて個人の移動経路を把握し、人流統計情報を作成するための実証実験が、社会の反発を浴び中止に追い込まれた。本講演では、実際の「炎上」事例や、想定される法的問題点を具体的に取り上げることを通じ、研究者として留意するべきELSI(Ethical, Legal, Social Issues)のあり方を論じる。