第14回新産業酵母研究会講演会


日時:平成291117日(金)(1400から)

会場:産総研:臨海副都心センター 別館(バイオ・IT融合研究棟)11 11205会議室


 

プログラム


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Non-Conventional Yeastsによるスフィンゴ脂質の生産およびエゾヤマザクラの実から分離した野生パン酵母の開発」    

        田村 雅彦(日本甜菜製糖(株)食品事業部)


  北海道十勝地方は小麦・砂糖・乳製品の一大産地であり、地域資源の高付加価値化のため、発酵生産技術を活用した取り組みを行ってきた。ひとつには化粧品用途や大腸がん予防などの効果が期待されるスフィンゴ脂質の一種であるグルコシルセラミドの給源の一つとして酵母に着目した。製糖副産物として得られるビートモラセスを糖源としたSaccharomyces kluyveriLachancea kluyveri)の好気培養あるいはKluyveromyces thermotoleransのエタノール発酵菌体から回収することで、製糖副産物の多段階活用が可能と考えられ、高含有菌体の取得法の検討を行なった。

 また、オール十勝の原料を使ったパン造りを掲げた取り組みにより、自然界から製パン性能を有する酵母の分離を行った。いくつかの分離株の中でエゾヤマザクラの実から分離した野生酵母は製パン適性を有していた。この酵母は「とかち野酵母」と命名され、唯一の国産インスタントドライイーストとして利用が拡大してきている。

Production of sphingolipids by Non-Conventional Yeasts and development of baker's yeast isolated from wild cherry              

Masahiko Tamura (Nippon Beet Sugar Mfg. Co., Ltd)

 

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「きのこ多様性研究の難しさと面白さ」

        保坂 健太郎(国立科学博物館植物研究部)


 菌類の中で最も多様性の把握がしやすそうなのが、きのこ類である。その大きな理由は肉眼での発生確認ができるためであるが、子実体発生には季節性や年変動があり、子実体の発生が確認されていないとしても、菌糸や胞子の状態で分布している可能性は捨てきれない。我々の研究室では限られた地域における集中的な子実体調査と、環境サンプルからのメタバーコディング解析を並行して進めており、きのこ類の真の多様性に迫ろうとしている。その過程で見えて来た課題について情報共有を図りたい。

Studies on Biodiversity of Mushrooms: difficulties and interests

Kentaro HOSAKA (Department of Botany, National Museum of Nature and Science


 

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 MINCYサロン


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「脂質高蓄積Lipomyces酵母の再生可能資源からのスクリーニング」

        柳場 まな、長沼 孝文 (山梨大学・院・医工総合・生命)


 現在、Lipomyces酵母を利用して再生可能資源からバイオディーゼルの生産を目指して実験を行っている。この研究は、脂質を多量に蓄積する菌株の取得、この性質を液体培養(実用化時)で保持促進できる培地・培養条件の開発、菌体内からの脂質の低コスト高効率回収の3つが骨子となっている。

 最重要と位置付けたスクリーニングにおいて、低コスト実験とスピーディーな菌株の取得が要求される中、菌株・再生可能資源・培養温度を組み合わせた約15,000系列から脂質高蓄積菌株を得るための試行錯誤とそこから学んだことについて発表する。


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14th International Congress on YeastsICY14)の開催報告とInternational Commission on YeastsICY)へのお誘い」

        高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科)


  酵母国際委員会(International Commission on Yeasts; ICY)は、酵母研究の基礎から応用までの幅広い普及と発展を目的に設立され、1982年以降は国際微生物学連合(International Union of Microbiological Societies; IUMS)の真菌学・真核微生物学部門(Mycology and Eukaryotic Microbiology Division; MEM)に属している国際的な組織である。1964年に初めての会議がSlovakiaで行われ、現在は4年に一度、酵母研究の全体を網羅する国際大会(International Congress on Yeasts; ICY)が、またICY非開催年には毎年、特定のトピックスに絞った国際シンポジウム(International Specialized Symposium on Yeasts; ISSY)がそれぞれ開催されている。今回は、4年の準備期間を経て昨年9月に淡路島で開催した国際大会(ICY14)について、日本で初めて開催するに至った経緯や我々の研究成果を含めて様々な角度から報告する。また、現ICY会長の立場として、ICYの活動や取り組みを紹介し、ICYへの積極的な参加をお願いするとともに、日本の酵母研究・技術を世界にアピールするための建設的な意見交換を行いたい。


Report of the 14th International Congress on Yeasts (ICY14) and my invitation to International Commission on Yeasts (ICY)

Hiroshi Takagi (Graduate School of Biological Sciences, Nara Institute of Science and Technology)


 講演会参加費:会員無料    非会員 一般2000円、学生1000円 
(当日会員登録された方は無料)  講演会終了後、同会場にて情報交換会を開催いたします(参加費2000円)。

連絡先:農研機構 北本宏子・産業技術総合研究所(産総研) 森田友岳
     mincy-ml@ml.affrc.go.jp 電話 029-838-8355
(メールにて参加申し込みして頂きたくお願いします。)
*入構登録のため〆切り2017年11月13日(月)正午厳守





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