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スギナ(ツクシ)

概要

  • スギナ(ツクシ)の胞子を採集する。
  • 胞子を水で封じてプレパラートを作り、観察する。
  • 胞子にそっと息を吹きかけ、湿度による弾糸の動きを観察する。


胞子の採集

東京都江戸川区、荒川河川敷を歩いているとツクシを見つけました。さっそく持ち帰って胞子を見てみようと思いました。

胞子を採集するのが目的なので、穂がまだ開いていないか、開きかけの若いものが好ましいです。上の写真のものは、上部が開いてしまっていますが、中央から下部にかけてはまだ開いていませんね。

以下のように傘が完全に開いてしまっているものは、既に胞子を放出してしまっているので観察に適しません。

上で説明した通りツクシの胞子は、六角形パネルのような胞子嚢床の裏側、胞子嚢に詰まっています。

薄緑色に見える部分が分かりますでしょうか? この部分ですね。

軽く指ではたいてやれば胞子が落ちるので、これを皿などで受けて胞子を採集します。

100均で買ってきた化粧品用の小さなケースに胞子を集めました。

採集したばかりの胞子は、とてもサラサラとしています。しかし1日ほど置いておくと綿ぼこりのゴミのように、お互いがくっついてしまいます。これは後で述べる弾糸が絡み合うためです。


胞子の顕微鏡観察

集めた胞子をツマヨウジの先で少量取り、スライドガラスに落とします。精製水で封入し、顕微鏡で観察しました。

ツクシ(スギナ)の胞子には、弾糸という糸状のものがくっついています。緑の丸い胞子の周りに、もわもわとして見えるのがそれです。

弾糸は胞子に一点でくっついているだけなので、取れやすいようです。以下のように、弾糸が取れてしまっている胞子もたくさん見られました。


スギナの胞子のダンス

さて、スギナの胞子の弾糸は、湿度に敏感に反応することが知られています。そのため、顕微鏡観察しながら息をそっと吹きかけると、吐息の中の水分で弾糸が大きく動く様子を見ることができます。これをやってみましょう。

スライドガラスに胞子をそっと乗せ、そのまま(水も垂らさず、カバーガラスも乗せず)顕微鏡で観察します。この際、息がかからないようにマスクをした方が良いでしょう。

先ほど水で封入したプレパラートとは、随分違った風に見えます。ひとつひとつの胞子から弾糸が伸びている様子がよく分かります。

右上の胞子が分かりやすいですが、ひとつの胞子から伸びている弾糸は4本に見えます。しかし実は弾糸は2本で、1本の糸の真ん中が胞子に繋がっているそうです(さすがにそこまでは観察することはできませんでしたが)。弾糸の先端はスプーンのように平べったくなっています。

さて、それでは胞子にそっと息を吹きかけてみましょう。胞子が飛ばないように、本当にそっとです。

弾糸が湿度に敏感に反応する様子が分かります。弾糸は湿度が上がると胞子に絡みつき、湿度が下がると大きく伸びます。

胞子嚢の中に胞子が入ってるとき、弾糸は胞子に巻きついている状態です。そのため、弾糸同士が絡みつくことはなく、採集したばかりの胞子はとてもさらさらとしています。乾いた室内に採集した胞子をしばらく置いておくと、弾糸が手を伸ばし、これが互いに絡みついて胞子は綿ゴミのようにくっつくのです。


参考文献

[1] 浜島繁隆, 鈴木達夫「グリーンブックス102 植物の観察実験法」ニュー・サイエンス社

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