松戸宿へようこそ


江戸周辺の街道と松戸宿

 松戸宿は、江戸幕府と水戸徳川家とを結ぶ「水戸道中」の江戸日本橋から3つ目にあたる宿場でした。幕府が政治的に重要視した水戸道中は「脇往還」でしたが 五街道などと共に松戸宿までが道中奉行の支配下に置かれて整備運用されました。
    
 御三家である水戸徳川家には参勤交代が無く、藩主や重臣は江戸に常駐していました。そのため水戸の藩士たちがこの道中を頻繁に往復していました。

 一方、徳川家康以来の治水工事で江戸周辺の河川水路が発達すると、近郷から江戸への舟運も盛んになり江戸川に隣接した松戸宿は物流の中継拠点として大いに繁栄していきます。
 当時、江戸府内と下総国を分ける江戸川には警備のために橋は掛けられず、対岸の金町には関所が置かれていました。一般の通行は日中の渡し舟に限られたため、関所待ちの旅人も多かったといいます。



 かつての松戸宿(図中桃色)はJR常磐線松戸駅西側の旧街道(図中茶色)沿いから江戸川に至る地域にあたり、現在の地名では松戸市本町と松戸市松戸の西側に該当します。(図中青字は旧町名)

 鉄道開通の折、停車場が街の北端に建設されたため、明治以降、旧松戸宿の一帯は北部を中心に新たな発展を遂げました。
 この地域は幸いにも大地震や戦争でさほど大きな被害は受けなかったため、昭和40年頃までは幕末から明治に建てられた 木造の商家や旅籠が並ぶ古い町並みを残していました。

 その後、高度経済成長とともに駅周辺の再開発、道路拡幅、江戸川堤防改修が行われ町並みも大きく様変わりしましたが、 今でも旧街道沿いに点在する旧家や寺社は往時を十分に思い起こさせてくれます。

<アクセス>
JR常磐線・新京成電鉄「松戸駅」西口下車
・JR山手線上野駅乗り換え、常磐線快速で約20分 
・地下鉄千代田線、大手町から我孫子行きで約40分

<リンク>
旧松戸宿周辺の史跡(googleマップ)
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