癌ステージ3における生存率について

癌の進行度はステージという言葉で表されます。ステージには1~4があり、数字が上がるにつれて、進行していきます。癌におけるステージというのは、体の内部にどれくらい癌が広がっているかを示す目安となるものです。ステージが進むと、生存率が低くなっていきます。


癌の治療を評価するのに「5年生存率」が使われます。5年生存率とは、癌の治療の5年後にどれくらい存命しているかの割合をいいます。たとえば、5年生存率が10%であれば、癌の治療から、5年後に生きている人は1割、つまり10人に1人ということです。手術をすと、5年生存率が上がる傾向があります。


以下に、癌の種類ごとにステージ3の状態とステージ3における5年生存率を掲載します。医師がステージ3と判断するのに、癌ごとに基準が異なっています。複数の要因で決められる癌もあります。一覧には代表的な判断基準を載せました。ステージ3の中にもA、B、Cと別れるものがあります。固形癌を中心に掲載し、脳腫瘍、白血病などの血液癌は除きました。また、前立腺癌はステージ1~4ではなく、TNM分類に従って分類されているので、割愛いたしました。


ステージ3の状態は国立がんセンターの情報をもとに記載しました。ステージは癌の大きさや、臓器の組織の内部に入りこんでいる深さや、周囲組織への広がりの程度、およびリンパ節への転移や肝臓・肺などの遠隔臓器への転移の有無なし、いろいろと基準があり、医師により総合的に判断されます。


詳しく知りたい方は国立がんセンターのホームページより、癌の冊子、各癌シリーズをご覧ください。


5年生存率は国立がんセンターをはじめとした癌の治療をおこなっている全がん協加盟施設が2001年から2003年の3年間集計して、発表した数値を用いています。手術をした場合の5年生存率も掲載いたしました。


同じステージ3でも、癌の種類が違うと、5年生存率も異なることが分かります。

     


-----癌の種類ごとのステージ3の状態と5年生存率一覧-------


【食道癌】

 ステージ3と診断されるのは複数基準があり。

第3群リンパ節まで転移がある。

リンパ節転移がなくとも、癌が食道周囲の組織まで広がっている


第1群から3群までのリンパ節に転移があり、癌が食道外膜に広   がっている


第2群から3群までのリンパ節に転移があり、癌が固有筋層にと  どまる

癌が粘膜内にとどまる。


あるいは、癌が粘膜下層にとどまっており、第3群リンパ節まで転移がある


5年生存率は23.6%で、手術をした場合は34.2%


胃癌】

胃癌のステージ3には3Aと3Bがある。3Bの方が癌が進行している。ステージ3の診断には複数条件あり。

例として


3A:胃の筋層までにとどまっており、転移しているリンパ節が7個   以上


3B:漿膜下組織までにとどまっており、転移しているリンパ節が7   個以上

など。


5年生存率は44.6%で、手術をした場合は45.4%


【大腸癌】

癌がリンパ節に転移している


5年生存率は76.2%で、手術をした場合は76.6%


【肝臓癌】

   1.瘍が1つに限られる

   2.瘍の大きさが2㎝以下

   3.管(門脈、静脈、胆管)に広がっていない

以上の3つのうち、一つに当てはまり、リンパ節・遠隔臓器に転移がない


5年生存率は16.4%で、手術をした場合は31.0%


【胆のう癌】

 複数条件あり

リンパ節への転移がないか、1群リンパ節までの転移がある。加えて、癌が胆のうの壁から外に出ている、または胆管への広がりが疑われる。など。

  5年生存率は12.1%で、手術をした場合は17.8%


【膵臓癌】

 複数条件あり

リンパ節転移がないか、1群リンパ節までの転移がある。加えて、癌が膵臓の外にでている。

1群リンパ節から2群リンパ節まで転移がある。加えて、癌の大きさが2㎝を超え、膵臓内にとどまっている。など。


5年生存率は5.3%で、手術をした場合は9.4%


【喉頭癌】

複数条件あり

リンパ節への転移がないか、癌と同じ側のリンパ節に3cm以下の転移が1 個あり、声帯の動きがなく固定している、および/または、声門の周囲組織に癌が広がっている(声門癌の場合)など。


5年生存率は70.3%で、手術をした場合は75.7% 


【肺癌】

ステージ3には3Aと3Bがある。複数条件あり


3A:縦隔のリンパ節に転移があり、腫瘍の最大径が 2cm 以下から腫瘍の最大径が 7cm を超え、胸壁・胸膜・横隔膜・心膜などに広がっている、または主気管支への広がりが気管分岐部から 2cm 未満である。


3B:反対側の肺のリンパ節や首の付け根のリンパ節に転移があり、腫瘍の最大径が 2cm 以下から縦隔・心臓・大血管、気管などへの広がりがあるなど。


5年生存率は21.4%で、手術をした場合は38.3%


【乳癌:女性】

ステージ3には3Aと3Cがある。複数条件あり


3A:可動性のある腋の下のリンパ節転移があり、腫瘍の大きさ   が5㎝を超える。


可動性のない、または癒着した腋の下のリンパ節転移が

あるか、胸骨の内側のリンパ節に転移があり、

腫瘍の大きさは触れないものから5㎝を超えるものまで。

3B:皮膚の変化がある、または炎症性乳癌があり、

リンパ節転移がないものから、可動性のない、

または癒着した腋の下のリンパ節転移がある。


3C:腫瘍の大きさに関係なく、鎖骨下または鎖骨上の

遠隔転移 があるか腋の下のリンパ節と胸骨の内側の

リンパ節両方に転移があるなど。


5年生存率は74.8%で、手術をした場合は75.8%


【子宮頸癌】

3A期と3B期がある。


ステージ3の共通事項としては、癌が骨盤壁まで達するもので、癌と骨盤壁との間に癌でない部分を持たない、

または腟壁の浸潤が下方部分の1/3に達するもの。


3A期:癌の腟壁への広がりは下方部分の1/3に達するが、

子宮頸部の周囲の組織への広がりは骨盤壁にまでは

達していないもの。


3B期:癌の子宮頸部の周囲の組織への広がりが骨盤壁にまで達しているもの、または腎臓と膀胱をつなぐ尿管が、癌でつぶされ、水腎症となったり、腎臓が無機能となったもの。


5年生存率は54.0%で、手術をした場合は56.2%


【子宮体癌】

3A期、3B期、3C期がある。


ステージ3の共通として、癌が子宮外に広がっているが

骨盤の外には広がっていない、

または、骨盤内あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を

認める。


3A期:子宮の漿膜や骨盤の腹膜あるいは卵巣・卵管に

転移して いる、または腹水の中に癌細胞が認められる。


3B期:腟壁に転移している。


3C期:骨盤内、あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移して

いる。

もしくは基靱帯(子宮を支える靱帯)に広がっている。


5年生存率は64.3%で、手術をした場合は65.9%


【卵巣癌】

3A期、3B期、3C期がある。

ステージ3の共通として、癌が上腹部、または後腹膜リンパ節あるいは鼠径リンパ節に転移している状態 。


3A期:癌は肉眼的には骨盤内にとどまっているが、癌細胞が骨盤外の腹膜に広がっている(顕微鏡だけで診断可能)


3B期:癌が骨盤外に広がっているが、その大きさは直径2cm未満 。


3C期:癌が骨盤外に広がっていて、その大きさは直径2cm以上、または後腹膜あるいは鼠径リンパ節に広がっている 。


5年生存率は39.7%で、手術をした場合は43.2%


【腎臓癌】

リンパ節や別の臓器に転移を認めない。加えて、腎癌が腎静脈または周囲の脂肪組織まで及んでいるが、ゲロタ筋膜※を越えないか、腎癌が横隔膜より下の大静脈内に広がっている。


または、腎癌が横隔膜の上の大静脈内に広がるまたは大静脈壁まで及んでいる、など。


5年生存率は61.7%で、手術をした場合は65.8%


【膀胱癌】

リンパ節や別の臓器に転移を認めない。加えて、膀胱周囲の脂肪組織に広がっている。


5年生存率は53.9%で、手術をした場合は56.2%


【甲状腺癌】

癌の大きさが4cmを超える。もしくは癌が甲状腺のすぐ外側まで広がっているが、リンパ節までは転移していない。


癌が甲状腺のすぐ外側まで広がっており、さらに気管周囲または喉頭付近のリンパ節まで転移している。


5年生存率は99.1%で、手術をした場合は99.8%


Comments