§2-5 札幌市内の鉄蓋


札幌市設置の蓋を中心に、その他企業・団体などの蓋を掲載しています。
単なる市販のメーカー蓋でも、他地域で見られないものは積極的に取り上げるつもりです。
「JIS規格模様」「札幌市型模様」に関しては拙稿「JIS規格模様マンホール蓋とは何か」をご覧ください。
 

1. マンホール蓋

1.1. 札幌市の設置による蓋

札幌市デザインマンホール蓋:時計台、豊平川、鮭 札幌市上水道空気弁室マンホール蓋:テレビ塔・泉の象 札幌市デザインマンホール親子蓋:雪の結晶
1.札幌市下水道デザインマンホール蓋

2.「空気弁室」札幌市水道局デザインマンホール蓋
3.札幌市デザインマンホール親子蓋

札幌市マンホール蓋 札幌市下水道マンホール蓋(私設) 札幌市マンホール蓋
4.札幌市「下水」
札幌市型模様
5.札幌市「下水構え」私設用
札幌市型模様
6.札幌市「下水」
札幌市型模様
札幌市マンホール蓋用ゴム製カバー 札幌市マンホール蓋カバーとその下の蓋本体 札幌市下水道汚水桝蓋(昭和2年制定)
7.札幌市ゴム製マンホールカバー 8.札幌市ゴム製マンホールカバーの劣化状態 9.札幌市汚水桝蓋

札幌市電線共同溝マンホール蓋
札幌市上水道空気弁室マンホール蓋 札幌市交通局マンホール蓋
10.札幌市「電線共同溝」
JIS規格模様
11.札幌市「上水道 空気弁室」 12.札幌市交通局
札幌市(+北電?)マンホール蓋「弱電」 札幌市+北海道電力 マンホール蓋 札幌市デザインマンホール親子蓋
13.札幌市(+北海道電力?)
弱電
14.札幌市+北海道電力 15.札幌市デザインマンホール親子蓋
札幌市排気マンホール蓋 札幌市上水道排気弁室デザインマンホール蓋:テレビ塔・泉の象
札幌市型マンホール蓋(第一期下水道事業当時の仕様か)
16.札幌市排気マンホール蓋
17.「排気弁室」札幌市水道局デザインマンホール蓋  18.札幌市「下水」マンホール蓋(初期型?) 
  • 1の図案は時計台、豊平川を遡上する鮭。市内全域で見られる。
  • 2,17は上水道の蓋。図案は泉の像、テレビ塔。
  • 3の図案は雪の結晶。大通公園内でのみ見られる。外側(親)がΦ600の親子蓋。
  • 5は紋章座に、札幌を表す星を囲む「下水」の二文字が図案化されている。通称「下水構え」といわれるものの一種。札幌市下水道施設部の仕様書(別添資料 図表Ⅳ)に「私設用鉄蓋」とある。
    下水が前拡大
  • 6は4と同じ地紋だが「下水」の文字がこの地紋の他の蓋には見られない巨大なものになっている。
  • 7は設置して間もない、断熱用 高さ調節用ゴム製マンホールカバー。8は劣化したカバーで下の蓋本体が露出している。
  • 9は昭和2年に開始された札幌市下水道事業で制定された蓋。個人的には札幌市の文化財(近代化遺産)に指定するだけの価値はあると考えている。2枚の現存を確認しているが、もう少し残っているかもしれない。
  • 10はやや大きいサイズ。Φ750前後。
  • 18は、『札幌市第二期下水道事業概要』口絵に掲載されている写真と鍵穴の位置や市章の線の感じなどが酷似している。初期型仕様の蓋の可能性がある(4と比べると違いが分かる)。

1.2. 札幌市以外の設置による蓋

北海道電力「送電」マンホール蓋 マンホール蓋(詳細不明) 国土交通省北海道開発局マンホール蓋
1.北海道電力「送電」 2.詳細不明 3.国土交通省北海道開発局
北海道熱供給公社マンホール蓋 日本高速通信マンホール蓋 北海道瓦斯マンホール蓋
4.北海道熱供給公社 5.日本高速通信(KDDIの前身) 6.北海道瓦斯
北海道瓦斯マンホール蓋 北海道瓦斯マンホール蓋 北海道ガスマンホール蓋
7.北海道瓦斯 8.北海道瓦斯
札幌市型模様
9.北海道ガス
札幌市型模様
「強電」マンホール蓋 「弱電」マンホール蓋 「強電」マンホール蓋
10.「強電」土井製作所製 11.「弱電」土井製作所製 12.「強電」中部工業所(現・中部コーポレーション)製
「弱電」マンホール蓋 「井水槽」マンホール蓋 国土交通省北海道開発局 電線共同溝
13.「弱電」 14.「井水槽」長谷川鋳工製 15.「電線共同溝」国土交通省北海道開発局
電話 電話 北海道電力
16.「電話」佐藤鋳工製 17.「電話」鶴巻工業製 18.北海道電力マンホール 日詰工業製

  • 6~9は北海道ガスだが、北海道瓦斯社章(☆に北の図案:下図)を使用しているものを「北海道瓦斯」、現行社章のものを「北海道ガス」と表記した。6は全体が陰刻かつ外側の帯のみ札幌市型模様をなしており、札幌市型模様形成の過渡期のものかもしれない。
    創立時の北海道瓦斯社章
  • 16,17は長方形の蓋の左右が、トリミングの都合で若干切れている。

2. ハンドホール蓋

2.1. 札幌市の設置による蓋

札幌市水道局止水栓蓋 札幌市水道局止水栓筐 札幌市水道局止水栓蓋
1.「札水水止」札幌市水道局止水栓 2.止水栓筐の外観 3.「札水水止」字体違い
札幌市上水道緊急用給水口ハンドホール蓋 札幌市デザインハンドホール蓋(カッコウ) 札幌市デザインハンドホール蓋(彩色):カッコウ
4.札幌市上水道緊急用給水口
5.札幌市デザインハンドホール蓋 6.札幌市デザインハンドホール蓋
札幌市汚水桝デザインハンドホール蓋:カッコウ 札幌市汚水桝デザインハンドホール蓋:すずらん 札幌市上水道仕切弁
7.札幌市デザインハンドホール蓋 8.札幌市デザインハンドホール蓋 9.札幌市上水道仕切弁
札幌市上水道制水瓣 札幌市「水道メータ」ハンドホール蓋 札幌市「水道メータ」ハンドホール蓋
10.札幌市上水道制水 11.札幌市水道メータ 12.札幌市水道メータ(横長)
札幌市公共基準点ハンドホール蓋 札幌市水道排氣弇ハンドホール蓋
13.札幌市公共基準点
No.14569
14.札幌市水道排氣弇(右書き) 15.札幌市水道空気弁(右書き)
異体字:弁+ヽ
札幌市「河 空気弁」ハンドホール蓋 札幌市水道空気弁ハンドホール蓋 札幌市交通局ハンドホール蓋
16.札幌市「河 空気弁」
異体字:弁+ヽ
17.札幌市水道空気弁
異体字:弁+ヽ
18.札幌市交通局 旧マーク
ダイドレ製
札幌市水道量水器ハンドホール蓋 札幌市下水道汚水桝(私桝) 札幌市下水道汚水桝(角蓋)
19.札幌市水道量水器
20.札幌市下水道汚水桝「私桝」
化粧蓋
21.札幌市下水道汚水桝
化粧蓋
札幌市水道局仕切弁 上水道 仕切弁 札幌市+北海道電力 ハンドホール蓋
22.札幌市水道局仕切弁 23.札幌市上水道仕切弁 24.札幌市+北海道電力
化粧蓋
札幌市道路基準点ハンドホール蓋 札幌市道路基準点ハンドホール蓋
25.図根点 札幌市 26.「札道基」札幌市道路基準点 27.「札道基」の文字が摩滅した事例
札水止流 仕切弁 Φ75 札市公基点
28.「札水止流」 29.「仕切弁」Φ75 30.「札市公基点」コンクリート蓋
札幌市下水道汚水桝デザインハンドホール蓋(金魚) 札幌市下水道雨水桝デザインハンドホール蓋(カエル) 札幌市量水器蓋
31.「札下 おすい」汚水桝デザインハンドホール蓋(金魚) 32.「札下 うすい」雨水桝デザインハンドホール蓋(カエル) 33.「札 量水器」
水道メータ 札幌市汚水桝デザインハンドホール蓋(すずらん) 「眞土」道路基準点蓋
34.札幌市水道メータ 35.札幌市汚水桝デザインハンドホール蓋(カエル) 36.「眞土」道路基準点蓋
  • 1,3は「札水水止」と読むのか「札水止水」と読むのか不明だが、止水栓筐と思われる。
  • 28は1,3と同様の機能と思われるが若干大きい(直径約150mm程度)
  • 5~7の図案はカッコウ(市の鳥)。何故か1羽、3羽、4羽と数が違うバージョンがある。
  • 8の図案はすずらん(市の花)
  • 11,12,34は同じ「水道メータ」の文字が入っているがそれぞれ字体が異なる。また33「量水器」は、それ以前のものと推測される。美唄市に類似する量水器蓋が現存する。
  • 13は札幌市2級基準点「(14569)北大教養部」。平成14年測量実施。成果表・点の記は非公開。
  • 14~17は同系列の地紋だが、13が陰刻であるのに対し14~17は陽刻。
  • 15は下に「札幌市」が、13,14,16は上に「札幌市」がある。また切欠きに対する文字の向きが反転している。
  • 19は岩見沢市など道内の他自治体でも(文章部分を「量水器」という文字に差し替えて)同じ仕様の蓋が見られる。
  • 26の「札道基」は、道路中心標を収めている。
    札幌市役所より、札幌市では昭和47年以降は要綱に基づき、道路中心標を収めている鉄蓋を「札道基」として設置しています とご教示いただいた。ありがとうございます。
    参考リンク:札幌市 基準点・境界標等標準図(PDF) 
  • 36は真駒内地区の道路にあった、いわゆる道路基準点蓋であるが、眞(真の旧字体)を「土」の字を円形にして囲った意匠にしてある。真駒内は元々平岸村→豊平町に属し、豊平町は1961(昭和36)年に札幌市と合併した。また第二次大戦後に真駒内地区は米軍に接収されたが、昭和29年に一部(現・自衛隊真駒内駐屯地)、昭和33年に全面変換され、翌年から団地が造成され住宅地域の呼称もこのころから上町・緑町などと付けられるようになった。おそらくその時期に、例えば「真駒内地区土木事務所」といったような名称(推測)の組織により宅地の測量・造成が図られ、その際に設置された蓋ではないかと推測する。

2.2. 札幌市以外の設置による蓋

サイダ式救助袋ハンドホール蓋 サイダ式救助袋ハンドホール蓋 RF 制水弇ハンドホール蓋
1.サイダ式救助袋
PAT.523961
2.サイダ式 RFは屋上か 3.制水弇 長谷川鋳工所製
異体字:弇+ヽ
北海道瓦斯ハンドホール蓋 北海道瓦斯「電防」ハンドホール蓋 北海道瓦斯「ガス」ハンドホール蓋
4.北海道瓦斯「北ガス」 5.北海道瓦斯「電防」 6.北海道瓦斯「ガス」
北海道ガスハンドホール蓋 北海道ガス「G.V」ハンドホール蓋 北海道ガス「昇降式マンホール 引込管遮断弁 北ガス」ハンドホール蓋
7.北海道ガス 8.北海道ガス「G.V」 9.北海道ガス「昇降式マンホール 引込管遮断弁 北ガス」
仮舗装路面上の北海道瓦斯ハンドホール 地下式消火栓ハンドホール蓋 国土交通省北海道開発局ハンドホール蓋
10.仮舗装路面上の、6と同仕様の蓋 11.地下式消火栓 12.国土交通省北海道開発局
北海道熱供給公社ハンドホール蓋 北海道熱供給公社ハンドホール蓋 北海道熱供給公社「電防」ハンドホール蓋
13.北海道熱供給公社 14.北海道熱供給公社「電防」 15.北海道熱供給公社「電防」
「電防」ハンドホール蓋 北海道電力ハンドホール蓋 北海道電力ハンドホール角蓋
16.「電防」 17.北海道電力 18.北海道電力
北海道電力ハンドホール角蓋 北海道開発局 公共基準点ハンドホール蓋 瓦斯ハンドホール蓋
19.北海道電力 20.北海道開発局 公共基準点 21.「瓦斯」
札幌狸小路側溝ハンドホール蓋 コーワ インバート コンクリート蓋 コーワ式インバート
22.狸小路の側溝蓋。 23.コーワ インバート
コンクリート蓋
24.コーワ式インバート
コンクリート蓋
  • 1に記されている「PAT.523961」が特許番号0523961であるとすると、これが示す特許は特許公告昭43-002568「成形品の製造法」(PDF)である(特許庁の特許電子図書館(IPDL)の「特許・実用新案文献番号索引照会」で登録番号照会の後、得られた特許広告番号を用いて「特許・実用新案公報DB」で検索)。おそらく救助袋の特許ではなく、この蓋の成型に関する特許であろう。
  • 狸小路のマスコットキャラクターは「だっこぽん」という名前だが、22の蓋に描かれている狸が「だっこぽん」かどうかは不明。

3. 「札下」汚水桝蓋について

「朼下」札幌市下水道汚水桝ハンドホール蓋 「札下」札幌市下水道ハンドホール蓋 「朼下」札幌市下水道ハンドホール蓋コンクリート製
1.「朼下」 2.「札下」長谷川工業製 3.「朼下」コンクリート製蓋
「ト朼下」札幌市下水道ハンドホール蓋コンクリート製 札幌市下水道デザインハンドホール蓋
4.「ト朼下」コンクリート製蓋 5.「朼下」コンクリート製角蓋
(宅地雨水桝)
6.「朼下」札幌市下水道デザインハンドホール蓋(すずらん)
札幌市下水道ハンドホール蓋
7.「朼下」札幌市下水道ハンドホール化粧蓋
  • 1,3~7の「朼下」が仕様上正しい。
  • 2は漢字としては正しいが仕様的には誤り。
  • 4の「ト朼下」は、増強蓋(鉄筋の数が通常のものより多い)である。なぜ「ト」なのかは不明。
札幌市下水道の汚水桝蓋には「朼下」と記されている。札幌市がWeb上で公開している仕様書でも(例えば「札幌市下水道設計標準図(その3)→「10.枡類標準図」→「特殊汚水桝設置図(PDF)」)明瞭にと記されている(前記PDFの該当部分を下記に引用した)。

幌市水道だから札下となりそうなものだが、である。札とは明らかに違う漢字であり、しかも日本では基本的に使用されない漢字であるところの「朼」が何故使われているのか、札幌市役所に問い合わせた所、
札幌市の公共汚水桝の刻印「札下」に使用している「」の文字は、旧漢字(由来は中国新字体)をデザイン化した意匠文字となっております。※大正時代の資料等を見ますと「札幌市」の「札」が旧漢字になっているものがあります。
という回答をいただいた。また、回答中で言及されている資料として『新らしい札幌市の地圖』(リンクは日文研)をご紹介いただいた。これを見ると明らかなように、ここでの「札」の字体には、装飾的な字形としての筆押さえが表現されている。これは「旧漢字(由来は中国新字体)」というものではない(「旧漢字」なるものの定義も曖昧だがそれは今は触れない)。しかし、その後の調査で、札をのようにつくる事例が、札幌市鉄道局編纂の書籍や、昭和29年の札幌市の地図などに見られることが判明した。ただし、それらの事例においても本文の字形は必ず「札」であり、あくまで見出しなどの特別な要素にのみ装飾的に用いられた字形である。
これらのことから、「もともとは筆押さえであった要素が、大正~昭和期にはあたかも一画のように扱われ、デザインとしての字形に影響を与えた結果、札をのようにつくる字形(文字それ自体はあくまでも「札」であり、「朼」ではない)が生まれた」と筆者は考える。
上記考察の詳細は、筆者ブログ記事「『札下』の謎に迫る」をご参照ください。

4. 北海道大学のマンホール蓋


「北 下水」北海道大学マンホール蓋 「北 下水」北海道大学マンホール蓋 「北大 下水」北海道大学マンホール蓋
1.「北」
札幌市型模様
2.「北」エラー蓋
札幌市型模様
3.「北大」
札幌市型模様
北海道大学マンホール蓋 北海道大学マンホール蓋
4.「北大」
長谷川鋳工所製か
5.「北大」
田中鋳工所製か
6.「北大」
雨水用か
  • 2は1と同じく札幌市型模様、紋章座は「北」だが、「下水」の文字に注目すると紋章座が180度反転していることが分かる。型枠形成時に誤ったものの、蓋としての使用には問題ないためにそのまま設置したのだろう。このエラー蓋は2011年9月時点では、北大構内に2枚現存することを確認している。

札幌市内の鉄蓋 / Manhole covers in Sapporo city





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