いわゆる「火事場の馬鹿力」は必要なのでしょうか?

スマナサーラ長老の著書「瞑想」とは? -- スマナサーラ長老の著書

 2011年10月26日(水)、大塚国際美術館での講演の後、

 「催眠術を使って普段出せない力を100%出し切る」ということが言われたりしますが、あれって大丈夫なのですか?

 という質問を受けた。どうも巷には催眠に関して誇大広告があったり、誤解をふりまいたり、場合によっては(被験者にとって)じっさいによくないことをしているものもあるかもしれない。この方が心配するのも無理はないのです。

 いわゆる「火事場の馬鹿力」、これを出し切ると後遺症が残ったという報告もあります。持てる力を100%出し切ってしまうと危険です。われわれが普段、無意識のうちに力をセーブしているのは意味があることなのです。

 それに火事の時、とっさににタンスを運び出しと聞いたら、「すごい!」とは思いますが、果たしてその行為が役にたったのかどうか?役に立っても立たなくても、体は壊してしまうでしょう。

 メンタルリーハーサル法をおすすめしている理由は少し違います。
火事場の馬鹿力を期待するのではありません。「もてる能力を出し切る」と言ったりもしますが、その意味が違うのです。
 メンタルリーハーサル法においては、現実の場面に直面したときの「アガリ」等を防止します。
スポーツ等を例にとるならば、大会当日、自分の出番がくると「アガリ」が生じて、必要以上の緊張が生まれたりします。この「無駄な緊張」を取り除き、適度な緊張を保つために、普段から実際の練習と、イメージトレーニングを併用します。練習場面だけではなく、大会当日の競技の場面を思い浮かべて疑似体験します。事前に何度も競技を「体験済み」なので、実際の場面においても心の余裕が生まれ、無駄な緊張がほとんどなく、平常心で臨める・・・ことを期待してメンタルリーハーサル法を用います。

 上記のような意味において、「普段の力を出し切ろう!」などという場合があるかもしれませんが、それは平常心で臨むということであり、「火事場の馬鹿力を出そう」ということではないのです。

 「催眠で、あなたの能力を100%引き出そう!」 というキャッチフレーズで誘うものの中には、
怪しいものもあるかもしれませんのでご注意を。


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