News‎ > ‎

関連イベント:溝口健二生誕120年記念国際シンポジウム

『近松物語』における伝統と革新

日時:20181222日(土) 11:00-19:00

場所:京都府京都文化博物館 フィルムシアター

http://www.bunpaku.or.jp/info/access/

共催:京都府京都文化博物館、京都大学大学院人間・環境学研究科

日本映画の巨匠・溝口健二の生誕120年を記念し、その代表作である『近松物語』の4Kデジタル修復版を上映します。シンポジウムには溝口に生涯を捧げてきた日米の研究者が結集し、元禄時代の京都を舞台に大映京都撮影所で1954年に撮られた本作品について、グローバルな映画文化との関係、日本音楽の映画における使用、近世の都市空間・住空間と映画の演出の関係、映画製作スタッフの残した一次資料の発掘と活用など、狭義の映画研究に留まらない領域横断的な議論を行います。


11:00-11:05 開会の挨拶 

木下千花(京都大学)

11:05-12:00 基調講演「純粋な不義密通--溝口による近松の翻案」(The Pure Adultery of The Crucified Lovers: Mizoguchi’s Adaptation of Chikamatsu)

ダドリー・アンドリュー(イェール大学)

 (言語:英語、日本語通訳あり)

13:00-14:42 『近松物語』(4Kデジタル修復版)上映

14:50-15:50 対談「『近松物語』の音響をめぐって」

長門洋平(京都精華大学)、白井史人(日本学術振興会/京都大学)

16:00-17:30 パネル「『近松物語』へのアプローチ—-文化と資料」

藤原学(京都大学)「『近松物語』大経師の家の建築表現」

木下千花(京都大学)「脚本とは何か」

佐相勉(溝口研究者)「「二つの流れのコンデンス」と『近松物語』」

17:40-19:00 共同討議

司会:森脇清隆(京都文化博物館)


お問い合わせ先:京都大学人間・環境学研究科 木下千花研究室

Email: kinoshita.chika.2r@kyoto-u.ac.jp

Phone: 075-753-6662 

事前登録不要

*京都大学の教職員/学生で本上映・シンポジウムのみにお越しの方は、1階入口からエレベーターで直接に3階に上がり、受付で教職員証/学生証を提示して下さい。

本シンポジウムは、<京都大学重点戦略アクションプラン>および<日本学術振興会外国人研究員招へい事業>の助成を受けています。

溝口健二

1898(明治31)年516日、東京の湯島に生まれる。1920(大正9)年、日活向島撮影所に入所し、1923(大正12)年、『愛に甦る日』で監督デビュー。同年の関東大震災による向島撮影所の閉鎖にともない、京都の日活大将軍撮影所へ移る。1932(昭和7)年に日活退社、新興キネマ、第一映画を経て、1939(昭和17)年から1949(昭和24)年まで松竹京都、1953(昭和28)年から大映京都に在籍した。1956(昭和31)年824日、京都府立医科大学付属病院にて死去。怪談「累ヶ淵」の翻案『狂恋の女師匠』(1926、現存プリントなし)、辛口のリアリズム現代劇『祇園の姉妹』(1936)、明治時代の歌舞伎界を舞台にした『残菊物語』(1939)などで同時代の批評家からも高い評価を受け、戦後には『西鶴一代女』(1952)、『雨月物語』(1953)、『山椒大夫』(1954)の三作がヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。

『近松物語』(大映京都、19541123日公開)、102

1680年代の京都。暦の制作を一手に引き受け苗字帯刀を許された大商人「大経師」以春の後妻・おさんは、実家を継いだ兄の道喜から借金の利子の工面を頼まれ、手代・茂兵衛に相談する。茂兵衛はこのために以春の印判を使おうとして番頭の助右衛門に見つかり、主人の前に突き出される。茂兵衛に思いを寄せる女中のお玉は、自分の頼みと嘘を言って助けようとするが、かねてからお玉に言い寄っていた以春の逆鱗に触れる。事情を聞いたおさんが以春を諫めようとお玉の寝間で待ち伏せしていると、茂兵衛が立ち退く前にお玉に礼を言いに来た。一緒にいるところに踏み込まれたおさん茂兵衛には不義密通の嫌疑がかけられ、潔白であるにも拘わらず駆け落ち同然の逃避行が始まる。

 

製作:永田雅一

企画:辻久一

原作:近松門左衛門 『大経師昔暦』より

劇化:川口松太郎 『オール読物』所載「おさん茂兵衛」

脚本:依田義賢

撮影:宮川一夫

録音:大谷巌

照明:岡本健一

美術:水谷浩

音楽:早坂文雄(東宝)

衣装考証:上野芳生

和楽:望月太明蔵・豊澤猿二郎

編集:菅沼完二

製作主任:橋本正嗣

 

配役

茂兵衛:長谷川一夫

おさん:香川京子

お玉:南田洋子

以春:進藤英太郎(東映)

助右衛門:小澤榮

源兵衛:菅井一郎

道喜:田中春男(東宝)

以三:石黒達也

おこう:浪花千榮子

シンポジウム登壇者紹介

Dudley Andrew(ダドリー・アンドリュー)

イェール大学教授(映画研究・比較文学)。評伝『アンドレ・バザン』(オックスフォード大学出版、1978年)をはじめとした映画理論についての著作でキャリアを開始し、英語圏における映画学の礎を築く。1930年代フランスの映画文化についての研究業績に対し、2005年、フランス文化省から芸術文化勲章(コマンドゥール)が贈られる。溝口については『溝口健二--文献資料解説』(G.K. Hall & Co. 1981年)、『山椒大夫』(BFI2005年)の共著がある。『フランス映画』(オックスフォード大学出版「一冊でわかる」シリーズ)、『世界映画との遭遇』を近日刊行予定。

長門洋平(ながと・ようへい)

京都精華大学、京都造形芸術大学ほか非常勤講師。専門は聴覚文化論、映画学。著書に『映画音響論--溝口健二映画を聴く』(みすず書房、2014年、サントリー学芸賞)、共著に『川島雄三は二度生まれる』(水声社、2018年)など。

白井史人(しらい・ふみと)

日本学術振興会特別研究員PD(京都大学)。専門は音楽学、表象文化論。共著『貴志康一と音楽の近代』(青弓社、2011年)、論文「シェーンベルク《映画の一場面のための伴奏音楽》の作曲過程とその背景」(『音楽学』、2015年)など。

藤原学(ふじわら・まなぶ)

1967年大阪府生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位認定退学、博士(人間・環境学)。建築論および日本近代文学専攻。近著に「都市空間の中の私——谷崎潤一郎『秘密』の空間論」(『都市の近代化と現代文化』京都大学地域研究統合センター、2016年)、「幻視の江戸——蠣殻町異聞」(別冊太陽236『谷崎潤一郎』平凡社、2016年)など。

木下千花(きのした・ちか)

京都大学大学院人間・環境学研究科准教授(映画学)。著書に『溝口健二論映画の美学と政治学』(法政大学出版局、2016年、芸術選奨新人賞)、共著に『リメイク映画の想像力』(水声社、2017年)など。

佐相勉(さそう・つとむ)

1948年生。1991年に『1923溝口健二「血と霊」』を、2001年から2017年に『溝口健二・全作品解説』を13巻まで刊行。現在その14巻目『「浪華悲歌」1・大阪モダンと村野藤吾』を準備中。

訂正
印刷版のフライヤに誤植が見つかりましたので、お詫びのうえ訂正いたします。
誤 以春:進藤英太郎(東宝)
正 以春:進藤英太郎(東映)


サブページ (1): flyer
Comments