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GC


1. 文法的慎重性(GC)とはなにか?
文法的慎重性(grammatical carefulness, GC)とは,Kusanagi et al. (2015)が提唱している構成概念です。
 GCは(a)慎重で,(b)遅く,(c)分析的で,(d)意図的で,(e)統制的な言語運用を促す学習者の行動的・心理的特性だと考えています。
 GCはスピードと正確さの二律背反(speed-accuracy tradeoff)を理論的背景としています。
 GCの測定具として,わたしたちは,外国語における文法的慎重性尺度(Foreign Language Grammatical Carefulness Scale, FLGCS or GCS)」を開発しました(Kusanagi et al., 2015

2. FLGCS
 FLGCSは三つの下位尺度を持っています;(a)語用論的慎重性(pragmatic carefulness),(b)語彙・統語的慎重性(lexical-syntactic carefulness),(c)音韻的慎重性(phonological carefulness)
 FLGCSは日本語で書かれ,全14項目からなる質問紙です。計2,000人以上の中学生,高校生そして大学生を対象とした大規模調査によって尺度構成しました。これは日本国内の外国語教育研究においても,トップレベルの規模といえます。
 FLGCSは,中学生・高校生・大学生の間で,因子構造と,それぞれの変数の負荷量が等価だという結果が出ています(構造方程式モデリングの多母集団の同時分析)。このことから,FLGCSは中学生・高校生・大学生のいずれの対象にももちいることができると考えられます。
 FLGCSは,7件法・リッカートスケールによって尺度構成されました。著者らは,実際性の観点から合計尺度得点をもちいることを念頭としています。

 FLGCSは,その妥当性に関して以下のような証拠をもっています。
  1. FLGCSのすべての項目の内容は,その下位尺度の因子名が示す言語的内容を適切にあらわしている(専門家の判断による,妥当性の内容的側面に関する証拠のひとつ)[Kusanagi et al., 2015]
  2. FLGCSにおけるそれぞれの因子の合計得点は,C-testの正答率と正の相関を示す(基準関連妥当性に関する証拠のひとつ)[Kusanagi et al., 2015]
  3. FLGCSにおけるそれぞれの因子の合計得点は,C-testの課題完遂時間と正の相関を示す(基準関連妥当性に関する証拠のひとつ)[Kusanagi et al.,  2015]
  4. FLGCSにおけるそれぞれの因子の合計得点は,学習者ビリーフの得点と正の相関を示す(基準関連妥当性に関する証拠のひとつ)[Kusanagi et al.,  2015]
  5. FLGCSにおけるそれぞれの因子の合計得点は,各big five性格特性との相関が小さい(基準関連妥当性に関する証拠のひとつ)[manuscript in preparation]
  6. FLGCSにおける語彙的・統語的慎重性および語用論慎重性の合計得点は,reading and underlining taskの成績と正の相関を示す(基準関連妥当性に関する証拠のひとつ)[Tamura & Kusanagi, 2015]
  7. FLGCSにおける語彙的・統語的慎重性および語用論慎重性の合計得点は,談話完成課題の成績と正の相関を示す(基準関連妥当性に関する証拠のひとつ)[Tamura & Kusanagi, 2015]
3. FLGCSに関するデータ
 以下の情報が下から,無償でダウンロードできます。

  1. 尺度開発に関わる調査データ(記述統計,相関行列,分散共分散行列)
  2. 尺度開発された項目の質問紙(ただし,1項目は後に分析から除外,詳しくはKusanagi et al, 2015)
  3. 初回の尺度開発でもちいられた項目候補一覧(k = 40)
  4. 尺度開発でもちいられたC-testの雛形(ただし,1項目は後に,テストクオリティーの観点から分析から除外)

4. GCにかかわる口頭発表・論文のリスト(FLGCSをもちいた研究)
  1. 草薙邦広・福田純也・川口勇作・田村祐・後藤亜希・栗田朱莉・室田大介 (2014)「外国語における文法的慎重性尺度の開発」 第40回全国英語教育学会徳島研究大会. 徳島大学. [投影資料] 
  2. Kusanagi, K., Fukuta, J., Kawaguchi, Y., Tamura, Y., Goto, A., Kurita, A., & Murota, D. (2014). Development of grammatical carefulness in English as a foreign language: A Comparison among university, high school, and junior high school students in Japan. The Proceedings of 19th PAAL Conference, 61-62.
  3. Tamura, Y., & Kusanagi, K. (2014). Validation of the grammatical carefulness scale using a discourse completion task and a reading and underlining task. The 84th LET Chubu Conference. Shizuoka University, Japan. [投影資料] 
  4. Kusanagi, K., Fukuta, J., Kawaguchi, Y., Tamura, Y., Goto, A., Kurita, A., & Murota, D. (2015). Foreign language grammatical carefulness scale: Scale development and its initial validation. ARELE, 26, 77-92.
  5. Tamura, Y., & Kusanagi, K. (2015). Validation of the grammatical carefulness scale using a discourse completion task and a reading and underlining task. LET Journal of Central Japan26, 75-84.
  6. 川口勇作・後藤亜希・草薙邦広 (2015) 「外国語における文法的慎重性と性格特性」第85回外国語教育メディア学会中部支部春季研究大会. 椙山女学園大学. [投影資料] 


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  8KB v. 1 2015/11/16 3:54 Kunihiro Kusanagi
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  48KB v. 1 2015/11/16 3:54 Kunihiro Kusanagi
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  44KB v. 1 2015/11/16 4:02 Kunihiro Kusanagi
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