平成30 年度 『研究の指標』
「学力とは何か」を見据えて「深い学び」を教室に

昨年、指導要領に「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと」が明記されました。このことを受けて各学校では、グループを取り入れた少人数学習授業が行われ、グループ学習の拡がりが見られるようになりました。そして、すかさず「学力が向上した」という話も聞こえて来ました。しかし、これで「良かった!」と手放しで喜んでいいのでしょうか?ここで検証しなければならないことが二つあります。

一つは、「学力とは何か?」であり、一つは「向上を測る物差しは何か?」であります。

広辞苑によりますと学力とは①学習によって得られた能力、②学業成績として表される能力とあります。この文面からだと、ペーパーテストの「平均点」を見て学力が上がったという場合は、「学業成績として表される能力」をテストの結果に置き換えて言っていることになります。もう一つの学力「学習によって得られた能力」はどうなっているのでしょうか。

学習によって得られた能力とは何かを考えるとたくさんあります。例えば…考察力・探究力・創造力…読解力・表現力…体力・技能技術…ミュニケーション力・人間関係力…と挙げればいくらでもあります。

“学びに向かう力”とか“学び続ける力”…“生きる力”も学力の一つになるでしょう。

こうして学力を考えれば「学力が上がった」ことを単純に「平均点が上がった」だけでは簡単に言い切れません。翻って言えば学校の仕事や先生の仕事は高度で複雑で総合的なもので、その成果や向上を「点数」だけで表されるものではありません。ここで「点数をとる」ことを無意味だと言っているのではありません。「点数」だけで学力を測る物差しにすると学力の本質や学校の仕事の本質を見失う危険に警鐘を鳴らしているのです。

協同学習としてのグループ学習が拡がり増加していることは喜ばしいことですが、それが、かつてやって失敗してきた旧来の「分からない」子に「教えたる」グループ学習に転落しないように、学力の本質が育つ新しいグループ学習の拡がりと増加を望みます。

【新しいグループ学習】
①「分からないから教えて」から始まる訊き聞き合うグループ学習
②共有とジャンプの二段システム
③オウセンティックな学び

かわち学座は、2011年に立ち上げ、授業から逃走する子どもたちを授業に引き戻す、すべての子どもたちが授業に参加することをめざして授業を『Teaching』から『Learning』に改革することを追究してきました。

そして子どもも学校も驚くべき変革を目の当たりにしてきました。しかし、同時にこの教育実現の前に立ちはだかる難しい壁の存在も熟知するに至りました。

ここに、これらの経験を糧にして今年度もすべての子どもたちが授業に参加し確かな学びに出会い確かな学力が身につくようにすることを「公共の使命」と考え、この教育の実現に向けて現場の皆さんと協働して行くことを表明します。



平成30 年(2018 年)4 月 



「学習会」の概要

【テーマ】
『 協同的な授業が誰でもできるようになってもらう! 』

学びの共同体が提唱しているグループ学習を従来からのグループ学習と誤解している人が多いと思われます。だから、はじめからグループはダメだと言って忌避されています。

一方、グループを入れてもうまく行かないと言ってあきらめている人がいます。それは、従来のグループ学習をそのまま入れているからです。

実際、この授業を駆使できるようになった人は、不謹慎な言い方になりますが「授業が楽になった」と言われます。要は、正しいグループ学習の技法を体得することです。


【方 法】
『 理論・検討・研究・協議 』

①理論学習をする。
②授業DVDの視聴を通して授業術の体得に向けて研究協議する
③授業デザイン…しかけプリント…を検討研究協議する。



研究目的

「学び合う」風景が見られる「協同的な学び」の授業づくりをめざす。

●「学びの共同体」の授業システムを駆使する実践者の育成をめざす。
「協同的な学び」の授業が学校全体で実現できることをめざす。
「学びの共同体」の哲学を軸に、地域・家庭・学校がともに進むことをめざす。

          研究対象

          ●学びの共同体システム理論
          学びの共同体授業技法
          国語・社会・算数・数学・理科・英語
          音楽・美術・保健体育・技術家庭
          道徳
          人権学習


          事務局

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