これまでの活動
林業経済学会2020年秋季大会 報告資料補論
※オンライン学会開催に先立って 皆様にお願い(2020/11/29記)
今回の報告は、「林業経済学とは何か?」という問いに説得的な答えが見つからないことや、「林業経済学とは何か?今後どうあるべきか?」という問いに真摯に向き合おうとする心が先輩方から感じられないことへの苛立ちから出発したものです。そのような思考を重ねる中で、今の私は、"山村"や"林業"、"林産業"という生物原理・社会原理・経済原理が交わる領域における社会科学的研究を数十年、ないし百年以上重ねてきた私たちの分野の可能性を信じています。
学問としての「林業経済学」の問題はともかくとして、現代社会に「林業経済学」という私たちの分野がどうコミットするのか、巨視的な視点から見つめなおすことなしに、個々人が日本の林業・山村の自律的継続性の実現、ひいては日本社会や国際社会の課題解決に貢献できるとは思えません。逆に言えば、組織としてのこの分野にはそのような能力が必ずあると私は思います。
私たちやその先輩方が積み重ねてきた智慧を現代的な文脈下で整理・再解釈・翻訳し、それを基盤として横断的な智慧を「林業経済学」の下に結集することができれば、圧倒的な衰退傾向の中で見捨てられつつある「地方」の在り方になにかしらの方向性を示せるのではないでしょうか。そしてそのことから始まる、人間一人ひとりのいのちを活かす社会、私たちと共に生きる動植物のいのちや我々につながる先祖の思い、将来世代のいのちを輝かせる世界の実現という未来を、私は皆さんと共に信じ、構想してみたいと思っています。質疑に参加し、ご協力いただければ幸いです。
なお、本稿は質疑の後、短報として林業経済研究誌に投稿予定です。質疑へのご参加を心よりお待ちしております。
2018年11月林業経済学会 企画セッション(終了)
(概要は『林業経済』72巻6号に掲載されています。)
テーマ:『林業経済学』を問い直し、未来を構想する
日程:2018年11月16日(土)または17日(日)
場所:筑波大学
コーディネーター:峰尾恵人(京都大学大学院)、早舩真智(森林総合研究所)、永田信(大日本山林会、林業経済研究所)
趣旨:林業経済学会では、2000年代にかけて林業経済学の名称とあり方に関する議論が活発になされた。そこで残されたものは、「林業経済学の『コア』はどこにあるのか」「林業経済学のスタンダードを示すことは可能か」という2つの深刻な問いであった。今日において、これら2つの問いを開いたままにすることは許されないだろう。つまり、林業経済学の「コア」=共通基盤を確認し、「スタンダード」=標準を定めることが、市民や外部の専門家に林業経済学の存在を示すとともに、優秀な若手人材を引き付け、育成するために必要と考える。本セッションは、林業経済学のこれまでを振り返るとともに、これからを構想するための場としたい。学説史研究、体験史的発表、若手からの問題提起など、様々な立場からの様々な報告を歓迎する。
※興味のある方は下記の私の連絡先までお問い合わせ下さい。
2017年11月林業経済学会 若手会研究会発表資料
「『林業経済学』のこれからを考える 基調講演」 スライド(pdf)
「同 補足資料」 レジュメ(pdf)