鷹栖町の防災計画について町長の見解をお尋ねします。
町では昨年、防災マップなるものを作成、各戸に配布しました。
手にした人にはおわかりでしょうが、これは防災の手引書としてよくまとまっています。
災害に対して住民はどう行動すべきか、家庭に常備し、時々読み返すのがよいと考えます。
ですが、気になる点もあります。
それは避難は徒歩でという箇所で、たしかに今日、災害時には車の渋滞で緊急車両の通行を妨げるなどの弊害を予防する意味でも避難は徒歩でが常識になっています。
しかしわが町のように過疎化がすすむ山間部を多くかかえ、しかも高齢化率が3割を越えようという自治体がこの文言を全地域に一律に適応させるのはいかがなものでしょうか。
たとえば知遠別地区の避難場所は北斗地区住民センターになっていますが、この距離を夜間、暴風雪の中、歩行することを考えてみてください。
状況に応じた柔軟な対応を考えるべきで、一律に徒歩を指示すべきではないと思います。
そのように防災マップの記述も改めるべきだと考えますが、町長の判断はいかがですか。
鷹栖町は大きく5地区に分かれ、それぞれに避難場所が指定されていますが、そのうち中央、北斗、北成の地区住民センターに関しては旧耐震基準のまま、その後の対策がとられていません。規模が小さいこともあって国の基準は満たしており問題はないとのことですが、先の熊本地震ではこのような避難場所が損壊等で使用不能になった例が少なからずありました。
どこに住んでも安心できる町づくりを目指すのであれば、中央、北斗、北成の避難場所の耐震化も新基準に基づいて早急に実行するべきではないでしょうか。
町長のお考えをお聞かせ下さい。
今回の防災マップでは想定される災害の規模が、洪水ではおよそ100年に1度という漫然としたもの、地震では直下型マグニチュード6.9、町内全域震度6弱とされています。
この想定が妥当かどうか、2011年3月11日の東日本大震災以降、直近5年をみても災害は常に予想を大きく上回る規模で起こっています。
杞憂と笑われるかもしれませんが、心配の種はつきません。
しかし、それらについては今後にゆだねるとして、今、特に緊急を要すると思われる課題をもう少しお尋ねします。
鷹栖町には8章212ページからなる地域防災計画が存在します。
そこに最近追加された避難行動要支援者対策に関して。
これにはまず要支援者の把握、つまりは要支援者名簿をいかに遺漏なく作成するかが重要になってくると思われますが、これが65歳以上の一人暮らしの高齢者だったものが75歳になっていたり、障害者を1級2級に限定したりと計画と実際との間にずれがみられます。
思いやりということを大切にするのであれば、ここは町が一方的に登録するのではなく、65歳以上の高齢者、障害者全般に支援の必要の有無を尋ねる手間を省くべきではなかったと考えます。
できれば次回更新の際にはぜひそのようにしていただきたいのですが、町長のお考えはいかがでしょうか。
要支援者避難については端緒についたばかりです。
しかし災害はこちらの都合を待ってくれません。
一日も早い計画の実施、訓練などの開始が望まれますが、町長のお考えをお聞かせ下さい。
防災に関してはやはり日頃からの心構えが大切だと識者の意見は一致しています。
平常時において、いかに防災意識を涵養し、防災技術を体得させるか、その意味からも地域防災計画にもある自主防災組織の育成は必要であると考えますが、これがなかなか立ち上がる気配がありません。
ことの性質上、スピード感を持った展開が要求されると思いますが、この計画について、どう考えるのか、工程表等も含めた具体的な答弁をお願いします。
7総の防災の課題として「大規模な災害が少ないことから、住民の防災に対する危機意識が低い状況が続いている」とあって、しかしたしかに鷹栖町職員も住民には違いないと笑ってすまされる問題ではありません。
町は住民の意識が低いと言いますが、住民は町の動きも遅いと思っています。
防災は町と住民が足並みを揃えなければできません。
立派な地域防災計画が存在し、立派な防災マップが各戸に配布されています。
あとは防災意識を高揚させること、さまざまな災害を想定した訓練を定期的に実行するばかりと考えますがいかがでしょうか。