6次産業なる言葉はいまだ認知度が低いようですので、とりあえず語意を確認させていただきます。
1次産業掛ける2次産業掛ける3次産業で、つまり6次産業、すなわち農林漁業と製造業、小売業を一体化させて、新たな付加価値を創出、経済的にも余力の持てる農林漁業を確立させようというのが6次産業化計画です。
この関連法案は平成23年3月1日に施行され、現在農林水産省はこの事業の普及・拡大を強力に推進しています。
農水省のホームページをのぞくと、あれもあり、これもあり、おそらく工夫次第ではあらゆる事業がこの対象として認定されると思われます。まさに農林漁業者にとっては打ち出の小槌的政策と呼べるかもしれません。
わが町でもこれを活用しない手はないのではないか。
私は先日、札幌でこの事業の協力企業である北海道銀行の担当者からお話を聞く機会を得て、ますますそう感じています。
しかし、この法律にはこれ一つで農林漁業のあらゆる状況に対応しようとしたせいか、個々の案件について考える場合、どうしてもあいまいな部分が残るようです。
なんでもありと言われて、前に進もうとすると、いつの間にか何が何だかわからなくなってしまうという印象を持つ人は決して少なくないでしょう。
どこからどう食いつけばよいのかわからない、この事業が農水省の思惑通りに普及しない原因の一つもここにあると思われます。
本来、この政策を利用したいと考えるのは各事業者個々になるわけで、各事業者個々がそれぞれに対応すればそれで済むとは充分承知しています。
しかし、この内容を一般人が読み解くには相当な忍耐と時間が必要だろうと思われます。
ホームペ-ジを開いただけで気の短い人なら、まずサジを投げるでしょう。日ごろ現場の作業に追われる関係者に、もっと落ち着いて研究せよというのも、いささか酷なような気もします。
そこで私の提案です。
町職員の手によって、この6次産業化関係法を読みほぐしていただいて、その噛み砕いた情報を各農家にフィードバックするという手法はとれないものでしょうか。
もう一つふみ込んで言えば、町の主導で町ぐるみ、この法律の活用を考えたら、その効果ははかりしれないように思います。
鷹栖町の6次産業化ということはとりもなおさず町が設定した7総の活力あふれるものづくり施策とそのまま合致するわけですし、国の施策に沿って国の資金を上手に利用するというのはまさに町長のもっとも得意とする手法だったではありませんか。
農山漁村に由来するすべての地域資源の活用が対象と、この法律ではうたっております。
鷹栖町は米作主体の農村です。ではコメの周辺ではどのような6次産業化が考えられるでしょうか。
例えばどぶろく作り、自家生産米でどぶろくを製造、販売するということをすでに北海道長沼町農業組合法人駒谷農場では成功させています。
玄米パン、日本酒製造、希少品種まぼろしの米の受注販売、多収穫米を用いたバイオエタノールの製造、まあよくもというだけ、いろいろなことが考えられています。
わが町ではすでに一歩も二歩も立ち遅れているわけですが、これから巻き返しができないものでもないはずです。
私はもの作りを本業とする者ですから、私見をのべれば稲わら細工なども面白いかと思っています。
かつてわが国では冬期間、せっせと稲わら細工にいそしんだ伝統がありました。
わらじ、荒縄、みの、雪靴、今さらそんなものを作って売れるわけがない、あるいはそうかもしれません。
しかし例えば、それがケータイのストラップに使えるような大きさのものだったらどうでしょうか。
プラスティックの大量生産品に飽き飽きした人には案外受けるのではないでしょうか。
しかし、とりあえず、これは私のたわごとです。
話を本題に戻します。
農水省の6次産業化政策、これは総花的で煩雑で一見つかみどころがなさそうですが、うまく工夫して策略を練れば相当広範囲に利用できる法律ではないでしょうか。
町長、これを指をくわえてみている法はありません
職員の手をわずらわせても、それだけの見返りは充分にあると私は思いますが、町長のお考えをお聞かせ下さい。