私は町長が公約に掲げた5つの柱のうち、その第一の柱の第一項について質問させていただきます。
読書環境の充実を図るという一項です。その為にまず図書館司書を配置するという。
配置するとは新規に雇用するということですね。
どのような施策をどのような手順をふんで展開しようとするのか、具体的な計画が一切示されないまま、とにかく図書館司書を配置するという、なぜそれ程図書館司書の雇用を急がなくてはならないのか。
町長には周辺の方々との会話の中から図書館司書の必要性を信じられたのだと思いますが、少なくても私の耳に入るのは、そんなものはいらない、無駄だというものばかりです。
公平にみて、私はこの件に関しては、まだ住民の合意はなされていないという感想を持たないわけにはいきません。
私はもう少し時間をかけて住民の意向を確かめる必要があるのではないかと思います。
町長には鷹栖の図書室の利用率の低さを憂う心が先走るのかもしれません。
たしかにこの数字はひどい。近辺の町村に比べても恥ずかしくなる程です。
しかし鷹栖には大都市旭川に隣接するという地の利がありました。
銀行もスーパーも、あるいは高校でさえ、わが町のもののごとく利用して、それ程不便もなくやってきた。
そう思って調べると、なんと鷹栖町民は年間のべ18000冊もの図書を旭川の図書館で借りていました。
なんのことはない本好きはすでにそれぞれで自足していたということです。
この数字を含めるとわが町の読書人口も他町村なみの数値になります。けして恥じることはありません。
平成20年に実施されたまちづくりに関するアンケート調査でも、公民館の現状にはおおよそ満足しているという結果が出ています。
この状況の中で、今、なぜあえて読書環境の充実なのか、他にもっと火急の案件はないのか、住民からそんな疑問が出るのも当然だと思います。
この点、町長のご説明をいただきたい。
私事になりますが、私には32歳になる妹がいて、現在、方々の大学で図書館司書の養成に携わっています。
そのかたわら筑波大学大学院で博士号論文を執筆しています。
若いがまさにこの世界のプロ中のプロ、図書関係の専門家です。
私も彼女から示唆を受けて言うのですが、図書館司書は万能ではありません。
それぞれが得意分野を持ち、また限界もあるということを考慮しなければならないでしょう。
これこれこれだけのことができる司書と言うふうにはっきりと職分を明示して募集することが大事なのではないでしょうか。
現在の体制では何が不足し、何を補うための図書館司書なのか、町民が納得できるご説明をいただきたい。
読書環境を充実させてくれといわれて、魔法使いのようにそれが実現できたら、そんないいことはありませんが、それは不可能というものです。
上富良野町をはじめ道内には図書館を持ちながら図書館司書は雇用しないという町村が少なからず存在します。
それで図書館機能には特に問題はないという、図書館司書の限界を感じさせる話ではありませんか。
町長は図書館司書の配置を考えるに当たって、こうした町の状況はお調べになりましたか。担当者に話を聞くなどの手間はとられたのでしょうか。
前に進もうとするならば、まず見直してかからなければならない現実もあります。
行政の住民サービスは平等・公平が原則だと思いますが、現在計上されている図書購入費は鷹栖・北野・子育てセンターに集中していて、中央・北斗・北成はまったく埒外におかれています。
北成はさておき中央・北斗の各住民センターはそれぞれに図書室をもちながら、なぜ一冊の新規購入本も配布されないのでしょう。
需要がないというのはにわとりが先か卵が先かの議論にすぎません。
新規購入本はとりあえず5住民センターを巡回させるとか、あえて費用を必要としない方法もいろいろと考えられるはずです。その他、現状のままで取り組める読書環境の整備もけっこうあるのではないでしょうか。
誤解のないように言いますが、私は人並に本も読みますし、読書環境の充実をはかることを無駄だとか、まっこうから反対するわけではないのです。
しかし、どう考えても息の長い地味な取り組みになるはずですから、今ここであわてて始めなければならない案件だとも思われません。
チームを作って、計画を練り、住民の合意を得て、それから始めてもけして遅いということにはならないのではないでしょうか。
それでもなおやるんだと町長が先を急がれるなら、半年後なり1年後なりにその経過をきちんと検証していただきたい。
町長が町長としての自負と責任を持って最初にかかげた公約ですから、私たち町民一同もそのなりゆきには注目していきたいと思います。
町長のご見解をお聞きしたいと思います。