俗に言ういじめ問題に対してわが町ではどのような対策、対応を考えておられるのか、教育長の所見をお聞かせいただきたい。
いじめ問題が悲惨な事件として、マスコミにクローズアップされたのは1986年の中野富士見中学校事件が最初だったでしょうか。
これは、いじめに耐えかねた少年が父親の故郷、盛岡で首を吊るといういたましい事件でしたが、やがてクラス担任をふくむ数名の教師までが加害者側に加担していたことが明るみに出て、大騒動に発展しました。
結果、担任教師が諭旨免職、減給などの処分をうけた校長と他2名の教師が自主退職して一段落しています。
しかし司法の判断は、いじめと自殺の因果関係は不明であるとして、全面的には被害者側の主張を認めませんでした。
これが以降のいじめ問題に対する学校側、教育委員会側の見解の基準にもなったようです。
今回、問題になっている、大津市立皇子山中学校いじめ自殺事件でも学校側、教育委員会側はそれに沿った発言を繰り返して世論の顰蹙をかっています。
マスコミの報道の姿勢にも問題はあるのでしょうが、今回も学校側、教育委員会側の発言はいささか自己保身の傾向が強すぎるように思いますが、この事件に対する教育長のご意見をお聞かせいただけるでしょうか。
いじめという言葉はややもすると少々度のすぎたいたずらといいった程度にとらえられがちで、その深刻さが当事者以外には軽視されるきらいがあります。
しかし実際には将来のある若い生命が不本意にも突然断絶させられる結果もめずらしくはない、きわめて悪質な犯罪です。
このことをまず私たちははっきりと認識してかかる必要があります。
人間が社会的な動物である以上、いじめの種を根絶することは不可能かもしれません。
であればなおのこと、いじめは芽のうちにつみとらなくてはならないと思われます。
私はこのたびの質問に際して鷹栖、北野両小学校と中学校の校長にもいじめ問題対する対応をお聞きして歩きましたが、いじめは芽のうちにつむという対応ではどなたも意見は一致しておりました。
しかし、学校側の目をのがれて、いじめが深く深刻に進展する場合もないとはいえません。
そのためにも、父兄や地域の人々との連携も重要になると思われます。
そのあたりは対応対策はどうなっているのか、教育長の所見をお聞かせ下さい。
幸い、わが町では深刻ないじめ問題は起こっておりません。
これがただただ偶然の結果ではないことを願っていますが、教育長のいじめ問題に対する決意のほどをお聞かせいただければ幸いです。