通告いたしましたとおり、町営バスの運営に関する質問です。
当町の町営バス事業は平成元年、道北バスの路線撤退を代替する形で開始されました。
民間企業の営業が成立しなくなった後を引き継いだわけですから、最初から営利が見込めるわけがあるはずはないのですが、それでも地域住民の福利という大義名分があったはずです。
しかし利用者の減少は近年いちじるしく、今日ではすでにこの大義名分さえあやうくなっています。
ちなみに昨年、平成22年度の運行実績、これは町よりの資料によるものですが、総運行回数4212回、総経費1千6百58万7471円、総利用者数5270人、すなわち運行1回における平均利用者数は1、25人、1人あたりの経費は3148円となっています。
これは極論しますと、その都度、利用者にタクシーを使ってもらった方がむしろ安上がりではないかというような数字です。
この状況に対して町がまったく無策だったというわけではありません。その時、その時、梃入れをしてこなかったわけではないのです。
この4月にも知遠別線の花かいどう、知遠別神社間を予約運行に変更するとか、利用者数の少ない便の休止とかいった処置がとられています。
しかしこれが抜本的な解決策とは担当者自身考えてもいないことでしょう。こんな対応の仕方で本当にいいのでしょうか。
誰がどう考えてもどこかおかしい、どうかしなくてはならないはずです。1回の運行に利用者が1、25人ですよ、その為に1人3000円以上の経費がかかっています。
町議会でもこの問題は再三提起されてきました。
前議会では、たしか町関与の他の運行バス、スクールバスとか福祉バスとかとの互換、共同運行はできないかというものであったかと思います。
それに対する町長の答弁はいろいろ複雑な問題が絡むのでむずかしい、とりあえず当面は現状の維持でということでしたが、この先、こんなのんきな対応ですましていていいのでしょうか。
町長、あなたはその答弁の中で半日程もあれこれと考えてみたがやっぱりこれといった解答はみつからなかったなどと言っておられますが、その間、当然、国交省のホームページなどをご覧になったことと思います。
過疎化による利用者の減少、改善の見通しの立たない経費の流出、しかも高齢化する住民はより一層の利便性を要求している、しかしこれはなにもわが町だけがかかえる問題ではありません。
同様の問題は全国の同様な立場にある町村が同様にかかえています。
そうして、それぞれの町村がそれぞれにとっての最良の方策を懸命に模索しています。
国交省のホームページにはそのような事例が枚挙に遑がないほど出てまいります。
町長は先刻ご存じのことと思いますがオンデマンドという乗合タクシー方式というものがあります。
バス料金よりは割高になるが戸口から乗車できるという利便性の魅力には捨てがたいものがあるようです。今日的にはこの方式がもっとも検討されているかもしれません。
チケット方式というのもあります。
交通弱者といわれる人には無料チケットを配布して、タクシーを利用してもらうというものです。利用できる人とできない人との間に不公平感が残りますが憲法には文化的な生活が保障されているわけですからこれも許容の範囲ではあるかと思います。
その他、有償ボランティアとか、実にいろいろな方式が考えられています。
町長、どのひな型もどうもわが町の状況にはなじまないというのであれば、わが町独自の方法を案出すればよいことではないでしょうか。
わが町にも明晰な頭脳を持つ人材が豊富に存在するはずです。
町長、あなたが難しいと言った福祉バス、スクールバスなどとの混乗化を実施している例だって、すでに相当数みることができます。
私は現行の町営バス事業はすでに当座の役割をまっとうしたものと考えています。
費用対効果のバランスを欠いたこの事業をこの先、町はいつまでこのままの形で存続させるおつもりですか。
早急に次なる新システムの策定に取り掛からねばならない時機だと思いますが、町長、あなたのお考えをお聞かせください。