丸山地区には自然道路を中心として句碑の森、万葉植物園、玄穹庵、竜神池などが点在する、奥深い景観の一角があります。
いち早く、この自然に着目し、整備を姶めたのは、丸山自然道路保存会の有志の皆さんでした。
昭和57年、西暦1982年のことです。
町もその意義を承知したからこそ今日まで助成金を支出し続けてきたのだと思います。
昭和57年32万円、昭和58年200万円に始まって、昨年まで一千万近い町民の税金が投入されています。
これを多いと考えるか少ないと思うかは、それぞれの立場で違ってくるとしても、ともかく住民の税金がつぎ込まれていることに変わりはありません。
当初の計画は荘大なものでした。
全国に公募して句碑、歌碑の建立を進める、万葉集にうたわれた約160種の植物を可能な限り移植して森一帯を万葉の植物園とする、玄穹庵での句会、芭蕉祭の開催と、これが予定通り実行されていたら、いまごろ、どれ程みごとな自然の森が生育され、全国から俳人、歌人が頻繁に訪れる文化の里が出現していたことでしょう。
しかし残念なことにこの30年間、経済状況は悪化するばかり、保存会の皆さんも当然のことながら年ごとに高齢化していかざるをえませんでした。
計画は萎縮し、活動は鈍化するのはしかたのないことだったかもしれません。
さて今日でも町は丸山自然道路保存会に丸山句碑の森活動助成金として社会教育費から24万3千円を支出していますが、では丸山句碑の森が現在どのような状態になっているかはご存知のはずです。
私はこの質問をするに際して、句碑の森を訪ねましたが、思いのほかこぎれいに整備されているのにおどろきました。
ご高齢にも関わらず保存会の皆さんのご尽力のたまものかと思います。
玄穹庵もほどよく古びがついて、ゆかしい姿でした。
しかしこのまま保存会の活動に依存していいのかという疑問は残ります。
保存会の皆さんの平均年齢、会員数を考えますとあるいは早晩、活動の休止という最悪の状態も考えられる。
これはなんとかするべきではないか、私の質問の主旨はここであります。
教育長、
このまま丸山句碑の森を消滅させるとすると今までの町の出費はまるで無駄ということになりませんか。
それともう一つ、句碑の森の石碑に関しては全国に呼びかけて有償で建立したという経緯もあります。
その結果、現在約180基が存在しておりますが、石碑というのは中国の例をあげるまでもなく、半永久的に存在し続けるものであります。
その管理・保全は丸山自然道路保存会が行っていますが、町としても指導義務等、監督責任があると考えます。
もし仮に丸山自然道路保存会が消滅した場合は、この件に対して、どのような処置をもって対応なさるおつもりですか。お考えをおたずねします。
さて、町長、
一度予算がついて走りだすと止まらないという行政の弊害は一時、さかんに指摘されたものでした。
その結果、着工後のダム工事が止まった例もあります。
しかし、わが町の場合はどうも世間とは逆のようで、予算をつけて最初のうちは盛大に走る、そのうちなにかにつきあたると途端にぴたっと熱がさめてしまう。
あきっぽいというか、いいかげんというか、ロッキーランドがそのいい例です。
あの企画にいったいいくらお金を棄てたのですか。人によると1億ではきかないともいう。
そして、今、まったく利用されることもなく、立派な建物が一つ、ぽつんと放置されたままになっています。
人のお金ですから、痛みは感じないかもしれませんが、もったいないかぎりです。こういうことではいけない。
若輩の私がいうのもおこがましいことですが、継続性、これは行政のかなめではないでしょうか。
句碑の森にも当初、なんのかんのとやっぱりずいぶん力が入っていたはずです。
今では涙金を支出しておいて、あえて殺しはしないという程の関心でしかありません。
かつて21世紀に残したい北海道の自然100選の「準自然100選」にも認定された、いわば鷹栖町の責重な自然遺産をこのまま見捨てておしまいになるつもりなのでしょうか。
一つ夢を語ります。
幸いというべきか、この一角に隣接して丸山調整池、パークゴルフ場があります。
これは今日、活発な活動を続けていて、人気も高い。
夏場のシーズンだけで4万人近い人が訪れ、1千万円近いお金をおとすといいます。しかもそのほとんどが町外からの入り込みです。
なんとか、この調整池、パークゴルフ場を中核にして、句碑の森、維文小鳥の村までをふくめた一帯を観光資源として有効活用できないものでしょうか。これらがうまく機能して相乗効果を発揮してくれると鷹栖の山奥はいやがおうでもにぎわいます。
維文小鳥の村では今、鷹栖小学校の3、4年生が年7回、巣箱の取り付けや野鳥の観察を実施しています。
ならば句碑の森には鷹栖中学校の生徒が訪れて句会を開くなど・・・。予算を先に考えなくてもとりあえず取りかかることはできるのではないでしょうか。
サイクリングコースとして貸し自転車を置くとか、バーベキューコンロを設定するということも大した費用のかかる問題ではないと思います。
なにか面白いことはないかと心待ちにしている鷹栖町町民はいっぱいいます。
健康ウォーキングなどと称して、みんなで歩いてもいい。
句碑の森、調整池、小鳥の村は片道約6キロ、小半日歩くのにはちょうどよいコースです。
そのあとジンギスカンを囲んで冷たいビールでも飲みながら人生でも語り合う。
こんなこともあっていいのではないでしょうか
要は企画力と実行力かと思いますが、町長のお考えをお聞きします。