初めての質問ということで非常に緊張しております。お聞き苦しい点など多々あるかと思いますが、ご容赦のほど、お願いいたします。
さて、事前にもお知らせいたしましたが、私は農業、ことに新規就農者確保の件に関して、2、3、質問をさせていただきたいと思います。
私は農業に従事した経験もなく、ことさら農本主義を標榜する者でもありませんが、なんといっても農業、ことに水稲栽培は鷹栖町の基幹産業であるという認識を持っております。農業の盛衰が、そのまま本町の盛衰につながるといっても過言ではないと思います。
その農業がどうにも元気がない。
先だって町からいただいた資料によりますと、10年前642戸・572人いた就農者が、現在では418戸・410人に減っている。ほぼ3分の1が減少したといえると思います。平均年齢も62.7歳と高い。通常の企業なら、すでに退職年齢を過ぎています。これは町内の若手後継者も算入した数値ということを、念のため申し述べておきます。
さらに、ここ10年の減少率をもとにした10年後の予測をみますと、259戸・259人と、また3分の1の減少になります。10年前から比べると、農家戸数・人口とも3分の1の状態になる。なんと平均年齢は72.2歳。これも大変な数字です。実際にはどれぐらいの人が農作業に従事できるでしょう。
現状の耕地面積を維持しようとすれば1人当たり17.3haになります。これは、ほぼ札幌ドームの3倍に当たる数字ですが、いかに耕作機械の大型化・高度化を進めたとしても、これもそれほど簡単に達成できる数値とはいえないかと思います。こうしてみると、鷹栖農業の行く先は実に暗澹(あんたん)たるものです。
そこで、町外からの新規就農者を取り込まなくてはならないという問題が起こってきます。
10年後に現状を維持しようとすると410人引く259人ですから151人。毎年15人強の新規就農者が必要だという計算になります。
当然、町も危機感は持っているのでしょう。平成7年度から、新規就農者確保対策事業などその周辺の事業を開始しています。しかしこれがほとんど機能していない。なんとこの16年間に新規参入者はたったの4人です。
この間、上川管内では173名の新規参入者がいます。旭川市45名、美瑛町22名、上川町17名、富良野市14名、当麻町14名、名寄市10名、士別市8名、中富良野町8名、美深町7名、上富良野町6名。これがベスト10です。旭川、美瑛は規模・知名度からして別格だとしても、上川町17名・当麻町14名と比べると本町は明らかに見劣りがする。上川町・当麻町がなにか特別の施策でもしているのかと調べてみましたが、どうもそういうことでもないらしい。どういうわけか、上川管内の市町村を見回してみても、施策そのものについては示し合せたようにほぼ同内容、横並びでした。
では、この差はどうして生じるのか。町長、あなたはどう考えますか。
私は町の農業に対する危機感の有無、新規参入者をどうしても取り込もうとする、熱意の差だと思います。
新規参入者に関していえば、あきらかに需要と供給のバランスは狂っています。需要が圧倒的に多い。こんな時代にも入植を希望する者は確かにいます。しかしなんといっても総数が少ない。同じような問題を抱えた各市町村が、それぞれ満足する結果など絶対にありません。各市町村に先駆けることこそ、この問題を解決する第一歩だと思います。
幸い、わが町にはトマトジュース「オオカミの桃」にしろ、健康増進事業にしろ、他市町村に先駆けて取り組み、多大の成果を上げてきた伝統があります。町長、新規参入者の件でも知恵を絞り、力を出し合い、他市町村をあっといわせるような成果を上げてみせようではありませんか。ホンダを誘致した当時の、情熱と行動力を思い出して下さい。
担当部署の話だと、引き合いはあるというのですから、寄って来たものはみな引きずり込んで、使い物になるように鍛え直してやるぐらいの熱意を持とうではありませんか。
町では手に余るというのでしたら、町内には実に面白い農業経営者がたくさんいます。私がお話をお聞かせいただいた方々の中にも、後継者がいないから、そっくり譲りたい。なんならノウハウを一から教えてやる、とのたまう人もいらっしゃいます。
官民の力を寄せ合って、なんとか鷹栖町の就農人口を向上させていけないかというのが私の願いですが、町長、あなたのこの件に関するお考えをお伺いいたします。