中越沖地震と柏崎原発事故

Jul 2007

karisawa@gmail.com

柏崎原発事故に思う 

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今回はセーフだったが

今回の地震の震度は原発設計の想定外の強度であったが原子力発電所は破滅的な事故には至らなかった。想定される最大規模の地震で、確実にあの程度の被害に押さえられるのであれば、原発は地震に対して安全であると言えるであろう。しかし「単にラッキーだっただけではないか?」との疑念を拭えない。何しろ設計時の想定を大幅に越えていたのである。従って専門的な視点から詳細な調査が要求される。こうした調査を抜きにして、安全性が証明されたなどと言って欲しくはない。

国際原子力機関(IAEA)は日本政府に対して調査団の派遣を要請したが、政府は拒否したそうである。今回の経験からは学ぶべき教訓は沢山あるはずである。 設計が巧く働いたところ、改善が要求されるところなどを国際的なアカデミックな議論の中で明らかにして行く事こそが求められるにもかかわらず、蓋をしてしまう政府のやり方に疑問を感じる。

補足: 政府は結局 IAEA の調査を受け入れる方針を決めた。

原子力発電はリスクが高すぎる

原子力発電は経済性だけで議論はできない。あまりにもリスクが高すぎるのだ。最悪の場合にはチェルノブイリ事故をイメージすれば足りるのか否かも分からない。もしもこのクラスの事故が日本で発生したらどうなるか?

浜岡原発の場合には、200万人の犠牲者が発生するとのシミュレーションが話題になっている (http://www.j-cast.com/2007/07/19009469.html)。

僕は名古屋に住んでいるので、むしろ福井県の原発事故の方が心配である。北風の吹く冬場にチェルノブイリ級の事故が福井県で発生すれば、死の灰が関ヶ原を越えて名古屋に降り注ぐ。名古屋は壊滅的な打撃を受ける事は間違いない。

チェルノブイリに思いを巡らし、ネットを調べてみると素晴らしい記事に出会った。ゴーストタウンと化したチェルノブイリの最近の映像が生々しく紹介されている。

「ゴーストタウン - チェルノブイリの映像」 (http://www.geocities.jp/elena_ride/)

なぜ原発が必要か?

なぜ原発が必要か? 日本の電力需要が増加している。だから発電所を増やさなくてはならない。政府は原子力発電のコストの低さを強調して来た。しかしコスト計算の中には多くの不確定要素が含まれている。事故による被害額の見積もりは困難だし、ウランや原子炉の廃棄コストは政治要因が絡んで来る。

今回ネットで見つけた次の論文は原子力発電のコストを考える上で参考になる: 勝田、鈴木「原子力発電の経済性に関する考察」(http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=179)

電力会社は電力需要に応えるためと称して原発の必要性を主張する一方で、電力需要をいっそう喚起するために「オール電化」を PR している。無駄な電力消費を抑える事こそが必要な時に、ガスで足りる分野に電力産業が進出することはないではないか。

ガス会社から燃料電池によるマイホーム発電システム「エコウィル」が売り出されている。家庭の購入電力を4割節減できると言う。廃熱をも上手に使えば年間3万円程の節約になるらしい。 問題はこれで設置経費が取り戻せるかどうかだ。現状では補助金が無い限り難しいのではないかと思われる。燃料電池は歴史が浅く、まだまだ改善の余地があるだろう。原発不要の社会はすぐ近くにまで来ているかも知れない。

阿部首相に望む

NIKKEI NET に次の記事が載っていた。(http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070717STXKC062417072007.html)

 首相は16日夕の同原発視察時、案内役の原発所長から変圧器火災について「安全機能は働いています」と説明を受け、「それは安心しました」などと応じていた。放射性物質を含む水の漏えいについては説明を受けず、約4分間の滞在で次の視察先へ向かっていた。

 東電側は、同日夜になって漏えいを発表、首相の視察時は調査中だったと釈明している。

 首相は記者団に「原発は国民の信頼があって初めて運用できる。そのためには起きていることを正しく、迅速に報告し、国民にすべて情報公開すること(が必 要)だ」と強調。同時に「原発の問題は国民の安全を第一に考えて安全の徹底を図り、不安をぬぐい去る」と述べた。〔共同〕(20:04)

阿部さんは事故を起こした発電所まで行きながら、現場を見なかったのでしょうかね? こんな説明でOKであれば、電話で結構じゃないですか?

阿部さんは赤城さんに言って欲しかった。「政治は国民の信頼があって初めて機能する。そのためには起きていることを正しく、迅速に報告し、国民にすべて情報公開すること(が必 要)だ」と。
今日もまた赤城徳彦農相に関する新たな疑惑が浮上している...
赤城農相の政治団体、退去事務所の経費計上・7年で1215万円
NIKKEI NET http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070721AT1G2101921072007.html