反対決議
涸沼のシジミ・魚介類に被害を及ぼす霞ケ浦導水事業の中止を求める決議  大涸沼漁業協同組合

私たちは先祖の代から、涸沼と涸沼川で漁業を営んできた。

大涸沼漁協組合員は、湖沼の環境保全につとめながら、シジミをはじめウナギやワカサギなど魚介類の増殖に取り組み、今日も漁業をつづけ生計を立てている。

 涸沼は全国有数の汽水湖であり、シジミ漁獲量は全国第4位をしめ、多種多様な魚介類が生息する豊かな湖沼である。多くの釣り人がおとずれ、ヨシ原ではヒヌマイトトンボも発見されおり、地域の自然環境と観光資源としても極めて貴重なものである。

「地域の宝」である涸沼を大切に守りぬき、これを孫子の代に残すことは、漁協組合員と沿岸住民の責務と考える。

 

 大涸沼漁協はかねてから、那珂川と霞ケ浦をトンネルでつなぎ、大量の水を相互に送る霞ケ浦導水事業は、涸沼の魚介類に大きな被害を及ぼすものと懸念してきた。

 平成10年の那須大水害の折、那須高原から那珂川・涸沼川を通って牛が流され、又、上流の土砂が大量に涸沼及び涸沼川に流入、堆積し、シジミが壊滅状態にまで陥った。これに象徴されるように涸沼と那珂川は密接に関係している。

霞ケ浦への導水に年3.3億㌧も取水することになると、那珂川の流量が著しく減少し河口域への影響は必至である。これによって涸沼の塩分濃度や底質にも変化をおこすなど、魚介類に重大な悪影響を及ぼすことが必至である。

 霞ケ浦の水が那珂川に送水されると、外来魚介類やプランクトン、微生物、カビ臭なども移送され、涸沼の魚介類は予測もできない損害をこうむることになる。

 すでに茨城・栃木の那珂川河川7つの漁協は、「霞ケ浦導水取水口建設中止」を求めて立ち上がり、茨城県内水面漁連と全国内水面漁連が支援を決議している。

 

この間、大涸沼漁協は各地区毎に全組合員の意見を集約し、理事会において真剣に検討してきた。その結果、涸沼のシジミと魚介類に重大な被害を及ぼす霞ケ浦導水事業に対し、断固反対することを決定した。

 国土交通省霞ケ浦工事事務所に対して、ただちに霞ヶ浦導水事業と取水口建設の中止を求める。県は、涸沼と那珂川すべての漁協の声を真摯に受けとめて、漁業権を無視する霞ヶ浦導水取水口の工事中止を国に求めることを要望する。

大涸沼漁協は、那珂川のすべての漁協と協力して、霞ケ浦導水事業を中止させ、涸沼のシジミと魚介類を守るために全力をつくす。沿岸住民・自治体とも力をあわせて、水質浄化と環境保全に取り組み、かけがえのない涸沼を孫子に残すために、総力をあげて取り組むことを決議する。

 

2008年10月23日

大涸沼漁業協同組合