甲状腺疾患


甲状腺ホルモン薬

いつ服用したらよいですか?

血中半減期(薬の血中濃度が半減するまでの時間)が約1週間と非常に長く、服用する時間帯による効果の違いはほとんどありません。

空腹時の服用が、食後に比べて吸収が高まるという報告があります。

薬を飲み忘れてしまいました。どうしたらよいでしょうか?

1日1回服用されている方は、思い出した時に1回量を、その日のうちに服用してください。もし、翌日気づいた場合は、前日の分は服用せず当日分だけを服用してください。

薬を飲みはじめたら動悸がします。どうしたらよいでしょうか?

2~3週間は、指示された服用回数よりも多く分割して服用してください。例えば、1日1回の場合は1日2回に分けて、服用していただき、その残りを次回まで残しておいてください。それでも起こる場合は、医師または薬剤師にご相談ください。

妊娠、授乳中の服用はどうしたらよいですか?

胎児の正常な発育に甲状腺ホルモンは必要ですので、そのまま継続して服用してください。また、妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が増えることがありますので、必ず主治医にその旨をお伝えください。

乳汁中に甲状腺ホルモンがどの程度分泌されているのかについて、一定した成績はありません。しかし、母親の血中甲状腺ホルモンの値が正常に維持されている量であれば、健常な母親と同じ量の甲状腺ホルモンが乳汁中に分泌されていますので、乳児に悪影響を及ぼすことはありません。そのまま服用してください。

飲み合わせが悪い薬はありますか?

一緒に併用して害になる薬はありません。ただし、下記のお薬と併用する場合は注意してください。

・造血薬(鉄剤)、アルミニウムを含む制酸薬、スクラルファートを含む胃薬、亜鉛を含む胃薬 これらの薬を同時に服用すると、甲状腺ホルモンの吸収を妨げることがあります。そのため、併用する場合には時間をずらしていただく必要があります。

・陰イオン交換樹脂薬(クエストラン、コレバイン) この薬は、コレステロールと同様に甲状腺ホルモンも吸着して排泄してしまうため、吸収されません。併用については医師にご相談ください。

抗甲状腺薬

薬を飲み始めてから、何か注意することはありますか?

大変まれですが、副作用として白血球が減ることがあります。多くは扁桃腺炎の症状が出ます。高熱とともにのどが痛みましたら、ただちに近くの病院で白血球数を調べる必要がありますので、すぐに処方医師に連絡して指示に従ってください。このようなケースは、初めて服用する場合だけではなく、しばらく休薬して再開した場合にも認められます。ただし起こる場合でも、飲み始め2週間から3ヶ月以内までがほとんどですので、長期間服用している方はまず心配ありません。 また、これも大変まれですが、肝臓に障害が起こることがあります。白目が黄色くなり、尿の色が急に濃くなった場合には肝障害にともなう黄疸です。その場合は薬を中止して、一両日中に処方医の診察を受けてください。このほかには、血液の検査で肝機能検査値の異常が見つかることがあります。そのため、この薬を服用し始めたら、初めの2~3ヶ月間は2週間ごとに白血球数と肝機能検査を行う必要があります。 但し、このお薬は空腹時の服用が、食後に比べて吸収が高まるという報告があり、医師がその効果を期待して空腹時を指定する場合があります。空腹時(起床時、食前、就寝前)や、用法について医師より特別に指導があった場合には、その通りに服用してください。

薬を飲み始めたら、かゆみをともなった発疹が出ました。これは副作用ですか?

こうした症状は薬を飲み始めて3週間以内、多くは2週間以内に起こります。これは副作用ですので、ひとまず服用を中止して早め(1週間以内)に処方医の診察を受けてください。軽い場合には、かゆみ止めと一緒に服用するとおさまってしまいます。なお、甲状腺ホルモンが高い時期には、発疹をともなわないかゆみが起こる場合もあります。

薬を飲むと、苦味が口の中に残ることがあります。どうしてですか?

抗甲状腺薬であるMMIもPTUも、どちらも味覚異常の検査に用いられるほど苦味があります。

飲み合わせが悪い薬はありますか?

この薬は、ほかの薬と一緒に服用してもさしつかえありません。ただし、甲状腺機能が改善することにより併用薬の吸収が異なるため、効果が増強したり減弱したりすることがあります。(ワルファリン、強心配糖体)医療機関に受診する際は、抗甲状腺薬を服用していることをお伝えください。

薬を飲み始めましたが効果が出ません。どうしてですか?

抗甲状腺薬は、新たな甲状腺ホルモン合成を阻害しますが、甲状腺ホルモンの分泌は抑制しません。そのため、すでに甲状腺内に貯蔵されていたホルモンが血中に出続けるために、ある程度の時間(1~2ヶ月)が必要ですので、自己判断で服用を中止しないでください。

治療開始の時に、抗甲状腺薬と一緒にβ遮断薬(インデラル、テノーミンなど)が処方されました。このβ遮断薬とは何ですか?

β遮断薬は、高血圧症、狭心症および不整脈の治療に用いますが、そのほかに脈を遅くさせる作用(徐脈)もあります。 抗甲状腺薬の効果が現れるまでには時間がかかります。その間、甲状腺ホルモンの心血管系に対する直接の作用による頻脈(脈が速くなる)や不整脈の改善はされません。そこで、β遮断薬を不整脈や頻脈の治療の目的で併用します。通常、抗甲状腺薬が効果を現すと頻脈や不整脈の症状が改善され、β遮断薬は中止となります。しかし、甲状腺ホルモンが正常化しても不整脈が改善されない場合は、不整脈の治療は継続されます。

β遮断薬は、ほかの目的で使用することはありませんか?

甲状腺機能が亢進すると手指が細かく震える(振戦)症状が現れることがあります。この治療にβ遮断薬のインデラルなどが用いられます。

私は血圧が普段より低めなのですが、降圧薬のβ遮断薬が処方されました。どのような注意をしたらよいでしょうか?

服用後に立ちくらみなどの血圧が下がる症状が出たり、脈が1分間に50以下になったりしたら、ただちにβ遮断薬を中止して主治医に連絡してください。あります。医療機関に受診する際は、甲状腺ホルモン薬を服用していることをお伝えください。

β遮断薬を服用してはいけない人はいますか?

喘息の方は服用できません。


http://www.ito-hospital.jp/04_treatment/01_2medicine_qa.html