虎・寅・とら・トラ(1)

周易 革 (澤火革)たくかかく 離下兌上
虎・寅・とら・トラ
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 九五,大人變,未占有孚。

 《象》曰:“大人變”,其文炳也。

 上六,君子豹變,小人革面,征凶,居貞吉。

 《象》曰:“君子豹變”,其文蔚也。 “小人革面”,順以従君也。

虎(韓玉麟先生) 九五、大人変(コヘン)す。いまだ占わずして孚あり。
象に曰く、大人変すとは、その文炳(ヘイ)たるなり。
上六、君子豹変(ヒョウヘン)す。小人は面(メン)を革(あらた)む。征(ゆ)けば凶なり。居(お)れば貞(ただ)しくして吉なり。
象に曰く、君子豹変すとは、その文蔚(ウツ)たるなり。小人は面を革
(あらた)むとは、順にしてもって君に従うなり。

九五
(カ)の六つの(コウ)のうち、下から数えて五つめの陽の爻(━)のこと。

 九五は陽剛中正、天下を革新し大事業を完遂してりっぱな功績をあげるべき名君の象。

 すなわち、このような大人は、が夏から秋にかけて毛をぬけ変わらせ、たちまちにしてその毛皮の美しさをますのにもたとえられる。もはや改めて占うまでもなく、人から孚(フ・まこと)とされるであろう。

孚(字形) (フ)
 まこと。心の中にたいせつに抱きしめている気持ち。情けの厚いさま。
 「中孚(チュウフ)」とは、六十四卦(カ)の一つ。転じて、信義に厚いこと。

【解字】
  会意。「爪(て)+子」で、幼い子を手でたいせつにかばうさまを示す。
  外から包んでたいせつに育てること。

《象伝》
大人変すというのは、その文様(もよう)がさらに炳(あきら)かに輝くことである。

上六
(カ)の六つの(コウ)のうち、いちばん上の陰の爻(--)のこと。

 上六は従順居正、革命成就の秋(とき)であるから、その事業に参与した君子 ─ 優位有徳の士人の功業は、豹の毛が秋になって美しく変わるように輝かしい。また無位無徳の小人ならば面持(おもてもち)を革(あらた)めて、新しい君主のなすところに従順すべきである。ただし革命の事業は重大なことであるから、さらにそれをおしすすめてしばしば民生を疲労させるようなことは凶である。じっとしてその成果を享受していれば、貞正で吉である。

《象伝》
君子豹変すというのは、その毛の文様(もよう)が蔚然(ウツゼン)として美しくなるということである。小人面を革むというのは、従順に新しい君に従うことである。

蔚然(ウツゼン)
 (草木が)こんもりと茂っているさま。多くのものが一団をなしてならんでいるさま。






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