シラ(SYLLA)

2010/10/20 18:18 に Jun Shin が投稿   [ 2013/04/29 21:31 に更新しました ]
先日、はとさんのボードゲーム会でプレイする機会を得た「シラ(SYLLA)」。3人でプレイ。インスト込みで約2.5時間。
 デザイナーはDominique Ehrhard(ドミニク・エルハルド)氏。メーカーはフランスのYstari(イスタリ)。


Owly Images

 古代ローマをモチーフにしたゲーム。元老院議員となってローマ市民からの名誉を得るのが目的。ゲーム性とテーマが非常にマッチしていて面白い。
競り、市場操作、イニシアチブ、ワーカープレイスメントなど、様々な要素をシンプルにまとめた佳作だと思う。

 例えば、雇用したキャラクター(元老院議員、商人、奴隷、戦士、巫女)カードには、それぞれ「1票分の価値がある」とか「収入フェーズで1金多く貰える」などの効果があるのだが、そのキャラクターの効果以外にも建物カードを購入する為の宝石カードとしても使え、建物カード購入(競売)に全力をつぎ込むと、それ以外のフェーズでキャラクターカードを使えないというジレンマが発生する為、「ここで建物カード購入に全部使っちゃっていいのか・・・!?」と、めちゃくちゃ悩んでしまう。

 しかも建物カードは1順限りの競売の為、「欲しいわけじゃないんだけど、パスすると次のプレイヤーに安く買われちゃうし・・・」といった悩みも発生する。正直楽しい(マゾ)。
ひたすら悩んだ挙句、別に欲しくも無い建物に「うーん、じゃあ2からスタート!」とか微妙な金額を提示したつもりが、他のプレイヤーが全員「パス」とか言ってめでたく購入と相成った時のなんともいえない気分は競りゲームならではだ。

 尚、競売対象となる建物カードは「執政官」となったプレイヤーが指定できる。この執政官は、毎ラウンドの最初にこれまた「競り」で決める。ここでは手持ちの元老院議員カードの枚数+コインで競りを行う。執政官プレイヤーは、建物カードの提示以外にも、雇用フェイズで先にキャラクターカードを取れたり、勝利点を稼ぐために重要な位置を占める「市民チップ」を好きなもの1枚取れるなど、なかなか美味しい。

 今回のプレイでは、私は「執政官を全力で取りに行こう」と決めた。その為には元老院カードとお金が必要なのだが、それは建物カード「馬小屋(毎ラウンド2金多く貰える)」を取ることでカバー。ところが、イベントカードに「洪水:建物カードを1枚無効にする」と「略奪:馬小屋を1枚無効にする」があることに気づいておらず、取った馬小屋が毎ラウンド1枚無効になっていくというおバカな結果に・・・。orz

 このイベントカードには市民チップのマークが書かれており、最後にワーカープレイスメントっぽく各自が複数のワーカーチットを順番に1つずつ「配置」していくことで一番多くチットを配置したプレイヤーがその市民チップをゲットできるのだが、ここでもっともたくさん配置されたイベントカードのイベントが場から破棄されることになる。しかし、馬小屋を取り捲っていた私への牽制の為に、他のプレイヤーはみんなしてこの「洪水」と「略奪」のイベントカードを選択しないで放置したのだ。

 そんなわけで、毎ラウンド私の馬小屋が無効になっていった(とはいえ、そこそこお金は生み出してくれた)のだが、実はこれがまったく予期していなかった別の効果を生み出した。

 毎ラウンド「執政官」を取っていた私は、執政官の効果として好きな市民チップをゲットしていた。また、建物フェイズでは「馬小屋」ばかり指定して、他の建物をほとんど無視していた(競売にかけらず、他の建物は破棄)。破棄された建物の中には、市民チップを取れるものもあったりしたのだが。そして、イベントフェイズでは、他プレイヤーは「洪水」と「略奪」にチットを置けない・・・つまり、市民チップを得る機会がほとんどなくなってしまったのだ。

 私だけが、一人悠々と市民チップを溜め込んでいく(私だけは洪水と略奪の上にチットを置いて、毎ラウンド2枚市民チップを得ていった)。

 そしてそのうち、「危機」が起きる。危機とは、その種類の市民チップをもっとも多く持っているプレイヤーが+3勝利点、もっとも少ないプレイヤーが-3勝利点、というもので、当然私だけが+3点、他は-3点。これが、3種類の市民チップ全てについて2回ずつ起こり、私だけが3×3×2=18点、他はマイナス10点以上、という、恐ろしい結果となったのである(私はウハウハ)。

 このゲーム、建物カードを買う際には「キャラクターカード」の宝石マークを使い、投票などの際にはお金チットを使うという、ちょっとその辺がなれるまでややこしいのだが、なれてしまえば割と単純で、比較的短時間(1.5-2時間程度)かつそこそこシンプルなルールでなかなかの重厚なプレイ感を味わえる、バランスの取れた大変良いゲームだと思う。5ラウンドでゲームは終了し、終了時に一気に大量得点を取るチャンスもある為、最後まで気を抜けない&逆転の爽快感があるのも素晴らしい。

 ただ、ゲームになれたものでないと、一体何をすればいいのか微妙にわからない気もする。私はたまたま選んだ戦略がハマったのだが、ほとんど偶然とも言える勝利だった。

 快勝できたこともあり、結構気に入ったので、プレイ機会があったらまたやりたい(ただ、次は到底勝てるとは思えないw)。

【追記 2011/1/27】
 ようやく第二戦ができた。このゲームの面白さを再確認できた。今度は4人でのプレイ。

 前回と違って建物カードやキャラクターカードを裏向きにするイベントが早々に取り除かれる展開となり、随分ラクなプレイ感だった。その分、建物の競りは非常に白熱した。また、今回は危機が3回しか起きず、危機による点差はあまりつかなかったように思う(それでも最大9点、差でいうと18点なのだが)。それよりも、飢餓があっという間に「6」に張り付き、毎ターン確実に訪れる飢餓のマイナス点を「畑」タイルで確実に減らすプレイが地味に効いていたように思う(でも、一番たくさん畑を取ったプレイヤーは4位だったが・・・)。1位のプレイヤーは、畑も1つ取り、後は競りにあまりお金をかけず、効率よく共和国チップを取っていたように思う。あとは、最後の奴隷解放とキリスト教徒ボーナスが大きかった。これらのキャラクターが裏返しになるイベントを、他プレイヤーで協力してもう少し残すべきだったのだと思う。

 このゲーム、タイルの強さが非常に絶妙で、強すぎもせず、弱すぎもせず、といった感じなので、競りで無視するわけにもいかないし、かといって強気で行き過ぎるのもダメ、といった感じだ。やはり競りこそがこのゲームの一番の醍醐味だと思う。

 お金はあったほうがいいのだが、偉大な事業で勝つ為だけなら商人でなく執政官でもいい。しかし、2ドニエもらえる建物タイルを買う事に絞れば、その分執政官を減らして奴隷にする、などという戦略も可能だと思う。しかしそうすると、イベント効果で建物が無効化される恐怖もある。とはいえそれは奴隷や執政官にもありうる話。そうすると、商人にしておいた方が無難かという話にもなる。重要なのは、自分が今どのような方法で何を目指しているかを意識しておくことで、そうしないと商人を雇用しておきながら毎ターン建物購入で商人をタップしている・・・なんてことになりかねない。

 何にせよ、非常に濃密な時間をすごせた。これは本当にいいゲームだ。拡張も出ているので、いつか入手したい。


参考記事:

追記: 添付ファイルに、和訳ルールを置きました。(1月9日)
追記2: 和訳ルールに間違いがあったので修正しました。(1月18日)(P7. 章題が間違っていたのを修正。 P9. 「飢饉」イベントカードの説明が間違っていたのを修正。)

Comments