ハイパーロボット(新版)(Ricochets Robots)

2011/04/23 18:43 に Jun Shin が投稿   [ 2014/06/05 1:18 に更新しました ]
デザイナーはアレックス・ランドルフ氏。プレイ人数は1~∞という幅広さ。全員同時に1つのパズルを解く「パズル早解きゲーム」だ。

福井のボードゲーム月例会のひとつ「モノバイト主催・盤上遊戯祭」へ参加した際に、会場を提供して下さっているjig.jpさんの役員さんが持ち込んでくださったのがこのゲーム。正直、私はこういうゲームが苦手だ。・・・と思っていた。実際にやってみるまでは。


そもそも、パズル早解きってのが嫌だ。そんなの明らかに向き・不向きがあるし、自分はどちらかというと向いていない気がする。もっとこう、感覚的にダラダラとゲームをするほうが好きで、時間に追われて必死になるなんてまっぴらごめんだ。

ところが意外にも、やってみるとハマってしまった。得意・不得意は確かにあれど、このゲーム、「ひらめき」が非常に重要で、何度かやっていると「自分だけが唐突に答えが分かる」という状況が必ず一度は訪れるのである。この瞬間の快感と言ったらない。「6!(6手で行ける、という意味の宣言)」と叫んで、ほかのみんなが「えっ・・・6・・・!?マジか・・・!?」と必死になっているこの間の優越感・・・。もちろんすぐに「・・・あっ!そうか!確かに6だ!」という声が聞こえ始めるのだが、自分が最初に見つけたという事実は変わらないのである。(ここで「4!」とか誰かが言うと、一気に奈落の底に突き落とされる)

ルールは非常に簡単だ。ハイパーロボットの盤面は4枚の板を組み合わせて作ることが出来、裏表にそれぞれ別のマップが描かれている為、4枚+両面合わせて毎回違った組み合わせの盤面を楽しめる。その上、4体のロボットの置き方によってまったく違った解き方になる為、同じ問題は二度と現れない。

簡略化する為に、4枚の盤面のうち1枚だけを使って説明しよう。なんとハイパーロボットは、この1/4の盤面だけでも簡易的にゲームが成り立つ。子供向けにはここからスタートしても良い。


盤上には壁とゴールマーク(色つきのマーク)が描かれており、その上に4色のロボットが配置されている。このロボットの配置はランダムで、このロボットをどう動かして問題を解くかを競う。いろいろ動かして「あれ?解けない?」となったら、またこのロボットの配置に戻す(その為のロボット配置マーカーがある)。解けた場合はロボットの新しい位置の下へロボット配置マーカーを動かして次のゲームの初期配置とする。

問題はたとえばこのようになる。「黄色いロボットを、同じく黄色のマークの所へ持っていくには何手必要か?」
ロボットを動かすと一手となり、ロボットは直進しかできない。壁か他のロボットにぶつかると、停止する。これで一手である。(ゴールマークは障害物ではない)

黄色いロボットをゴールへ持っていく為に、他のロボットを動かしても良い。実際この盤面において、黄色いロボットだけをいくら動かしてもゴールへはたどり着けない。まず、黄色いロボットを右へ動かしてみよう。ここからさらに下へ動かしてしまうと、行きすぎである。下から1つ上のマスで止めて、そこから左へと動かして「ゴール!」としたい。その為に、緑色のロボットを先に右へ動かして置いておくのだ。こうすることで、緑ロボットがちょうどいい障害物となり、黄ロボットを下から1つ上のマスで止めることができるようになる。順番で言うと、緑→、黄→、黄↓、黄←、となる。つまり答えは「4手」だ(もっと少ない手はありますか?)。

同様のやり方で、赤いロボットを赤いゴールへ、青いロボットを青いゴールへ、緑のロボットを緑のゴールへ、それぞれ何手で移動できるだろうか? というのを、1問ずつ解いていくゲームなのである。

ゲームボードとは別に、盤面に描かれているゴールマークが描かれたチップが、ゴールの数だけ用意されている。裏面が黒くなっているので、それを全部裏向けて置き、全員が用意できたら「せーの!」で一枚表に向けてボード中央に置く。これが今回の問題だ。全員が押し黙って頭の中で問題を解く。誰かが最初に「・・・10!」などと言ったら、添付の1分間砂時計をひっくり返す。砂が落ちきるまでに、他の人も自由に数字を宣言してよい。これは10より大きくても小さくても同じでも良いが、砂が落ちきった後の回答権は、小さい数字を言った人から順番になる。

面白いのは、こういうゲームが得意な人が一人で独走して場がシラけないように、ハンデルールがある点だ。問題を最小手で解いた人はゴールチップを1枚もらえるのだが、同じ手数を複数の人が宣言した場合、持っているゴールチップの数が少ない方に優先権があるのである(それも同じなら、早く宣言した方が優先される)。

こうしたお陰で、例えば「3手」などの超簡単な問題の場合、苦手な人でも回答する権利がもらえる。それに加えて「ひらめき」によって初心者でも先手を取ることがあり、意外とゲームは拮抗するのだ。

パズルを解くのは意外と楽しい。しかもそれが自分だけ解けている、なーんて状況は最高に楽しい。そもそもこういうパズルに苦手意識を持っている私が楽しめたのだから、きっと誰でもそういう気持ちは隠し持っているんじゃなかろうか(とはいえ、やはり「論理性」が重要かつ「競争」になるので、女性にはあまり向かないかも?だけど)。

インストも簡単で、何人でも同時に楽しめて、しかも途中から参加した人でも(ゴールチップに不公平はあれど)楽しめてしまうこのゲーム、個人的にはボードゲームの「三種の神器」のひとつに数えてよいのではないか?と思うぐらいお勧めのボードゲームである。

発売は1999年と古く、その後「反射板」などのルールを加えた「第二版」が発売された。その後出たのがこの「新版」で、第二版であった反射板ルールがなくなっている。私もネットで見てみたが、反射板はちょっと複雑すぎると感じたので、なくして正解だろう。ゲームには「自分でルールを考えてみよう」ということで、追加の「銀色のロボット」が一体付属している。そんな楽しみ方もできるだろう。

ちなみにこのハイパーロボット、原題は「Ricochet Robots」と言って、Amazon.comやAmazon.deでも日本へ発送してくれる。

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