ダラララ!

2010/10/20 22:07 に Jun Shin が投稿   [ 2010/10/24 6:10 に更新しました ]
 500円の同人カードゲーム「ダラララ!」を3人でプレイ。非常にシンプルで軽いので、じゃんけんの代わり程度に遊べる。
 デザイナーは川崎 晋氏。

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 結局3回しかプレイせず終わってしまった上に、私はこのゲームの元ネタとなった「デュラララ!」というアニメを見ていないので、そもそも評価をする立場にない気がするのだが、個人的にはちょっとシンプルすぎた。

 とはいえ、このゲームはよく考えられている。カードは赤青黄の3色を各15枚ずつしか使わない(そのうちランダムに6枚抜いてランダム要素とする)ので、たったそれだけのコンポーネントでよくこんなルールを思いついたなと感心してしまう。

 勝ち方はこうだ。まず、各自5枚ずつ手札を配る。手札には赤と青と黄がそれぞれ何枚かずつ入っている。この中から自分の前に1枚出して、代わりに1枚引く。これを順番に繰り返していく。そのうち山札が(すぐに)なくなるので、その後2順、手札から1枚出すのを繰り返し、手札が3枚になった時点で全員が手札をオープン。

 この時、3枚の中でもっとも多い色が、自分の所属する「勢力」を表す色になる。プレイヤー全員の中で、この所属する色が「多数派」であれば、点数をゲットできるのだ。点数は、場に出したカードのうち、自分の勢力じゃない色のカードの枚数となる。尚、手札が3枚とも違う色の場合は、第四の勢力となり、第四の勢力が多数派ならば固定の6点が入る。

 そこで、どういう順番で場にカードを出すか、最後に手札に残す3枚をどうするか、という駆け引きが生じる・・・ということになるのだろうが、実際にやってみると微妙な気がする。

 まず、自分は多数派に所属する必要がある為、他のプレイヤーがどの色を狙っているのかを、ある程度場から読める必要がある。これがもしまったく読めないのであれば、このゲームは運ゲームになってしまう。そして実際、結構な確率で読めてしまう。なぜなら、高い点数を取るためには、場に出すカードは「自分が狙う勢力の色が1枚も無い状態」がベストだからだ。黄色の勢力を狙うのであれば、場に黄色が1枚も出ていなければ最大ポイントが得られる。

 そうなると、黄色が一枚も出ていなければ、「ああ、あのプレイヤーは黄色狙いだな」ということが大体わかる。
 ここで「裏をかく」ことに意味はあるだろうか?

 場に、赤と青を半々ぐらいで出しているとする。ところが手札は黄、青、青。つまり青色の勢力だった・・・。こういう裏のかきかただ。
 もしこういうプレイをした場合、周囲は当然、「あいつは黄色だろうから、自分も彼の思惑に一枚乗ろう」ということで、黄色を狙ってくるだろう。それが一番確率が高い勝ち方だからだ。特に3人プレイのときはこの傾向は顕著になる。一人のプレイヤーが黄色狙いであることがわかっているなら、自分が黄色を狙えば、100%勝てるからだ。

 そのような状態で、「実は青でしたー!」などとやって、損をするのは自分だけだろう。他2人は同じく黄色を狙ってくる可能性が高いからだ。しかも、もしそれで勝つことができたとしても、場に青色も出してしまっている以上、高得点は狙えない。この勝ち筋は、矛盾しているのである。

 もし、トッププレイヤーを陥れる目的でこの「裏をかく」プレイをしようとしても、かなり難しい。なぜなら、その為にはもう一人のプレイヤーと息を合わせる必要があるからだ。もちろんそんな息を合わせる方法は存在しない。あうんの呼吸でそのような連携プレイが実現すれば、さぞかし爽快なことになるだろうが、コントロールが不可能な以上、それは単なる運でしかない。

 そもそも、「裏をかく」プレイがかなり難しい。場に黄色を出さないとすれば、手札には当然、黄色が残る可能性が高くなる。それでは普通に黄色所属になってしまう。「たまたま、自分に黄色カードが回ってこない」ということを期待するしかない。またもや運である。かくして、「場に出ていないカードの勢力である可能性が非常に高い」という、ゲームとしておよそ成立していないような状況が生まれる。

 赤・青・黄の3色手札で「第四勢力」というのも、あまり機能していないように感じる。結局多数派を取らねばならないのだから、周囲に「自分は第四勢力だよ。みんなも選ぶといいよ」というシグナルを送らないと勝てない。場の状態を見て、「全員が違う勢力、つまり全員に得点が入る」という状況を予測すれば、第四勢力を選ぶのもアリかもしれないが、6点固定というのはそれほど美味しい点数ではない。

 というわけで、ちょっとこのゲームを面白くする方法を考えてみる。
 例えば、このゲームを「囚人のジレンマ」の枠にはめるというのはどうだろうか。

 手札を5枚配った後、各自、「今回狙う自分の勢力」を宣言するのだ。色カードを前に出すというのが良いかもしれない。これはスタートプレイヤーから順に宣言していく(スタートプレイイヤーは、その時のトッププレイヤーがなる)。このとき、「第四勢力」を宣言することはできないようにする。

 当たり前だが、結果的に宣言した勢力と違う勢力になってもまったく問題はない。ようは、「おい、俺たち仲間だよな?」という確認を最初にしようということだ。

 これだけでも、ずいぶんと違ったプレイ感になるはずだ。「あいつ、赤狙うって言ってたのに、なんで場に赤2枚も出してるんだ・・・?」という疑心暗鬼が発生してくる。そもそもこのゲームは、そのように楽しむものなのかもしれない。

 もちろんこれだけではまだ味付けが足りない。囚人のジレンマは、信頼と裏切りの報酬バランスが異なることでより引き立ってくる。このままでは、トッププレイヤーを陥れるために残りが「結託」した場合に、仲間を「裏切る」メリットがほとんど無い。

 そこで、こういうルールを付け加えよう。「自分ひとりが第四勢力だった場合、自分だけが6ポイントを得て、他のプレイヤーは得点を得られない」。また、「第四勢力が多数派だった場合、第四勢力はポイントを得られず、他の多数派が得点する」というルールも加える。これにより、「自分だけが裏切って第四勢力を選べば自分だけが得点できるが、どちらも裏切ればどちらも得点できない」というジレンマが発生するだろう。

 問題は、「こいつ、裏切りそう!」と気づいたときに取るべき行動だ。自分も裏切るのでは、互いに得点できずに道連れにしかならない。かといってトッププレイヤーと同じ色を選んだ所で、裏切ったやつ一人が第四勢力だったら、そいつだけに得点されてしまう。そのまま最初に宣言した色で終えても同じだ。

 そこで、「第四勢力が得点できるのは、そのプレイヤーが一人だけだった場合且つ、他のプレイヤーが全員最初の宣言どおりの色で終えた場合のみ。そうでない場合には第四勢力は得点できず、本来の多数派が得点する」とルールを少し変える。これによって、「裏切られそう!」と思ったプレイヤーは、宣言した色をやめて、トッププレイヤーか、または別の色を目指せばいいのだ。

 最後にもうひとつだけルールを加えよう。「最初に宣言した色と違う色で終えたプレイヤーは、得点が半分になる(但し第四勢力は例外)」。
 これは、例えばスタートプレイヤーが「赤」と宣言し、他が「青」と宣言した場合に、スタートプレイヤーが「妥協して」自分も青で終える、という選択肢を取ることを考えてのルールである。

 さて、これで随分と私好みの嫌らしいゲームになったんではないだろうか。まぁ、原作のイメージとはかけ離れたものになっている可能性が高いのだが…。
 この追加ルールに抜け道があったり、そもそもオリジナルのルールの捉え方が間違ってるよ!などがあればコメントなどで教えて欲しい。

参考記事:

  1. ショーナンロケッティアズ STAND ALONE BLOGLLESIV : 【ボードゲーム】同人ボードゲーム・ダラララ!! http://shownan.exblog.jp/11454224/
  2. ゲームマーケット2010新作 予約受付開始 - そば八の件は誰にも言いません http://d.hatena.ne.jp/soba8/20100524

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