キャメルアップ(Camel Up)のルールを読んでの感想

2014/04/17 2:25 に Jun Shin が投稿   [ 2014/10/15 0:34 に更新しました ]
日本未発売ゲーム(2014年4月17日時点)のルールを読んでの感想記事です(追記:その後、このゲームは2014年のドイツゲーム大賞を受賞しました)。キャメルアップ。2-8人30分の、ダイスを使った賭けレースゲーム。これだけでもう、今の「ボドゲ初めての人が参加することが多いゲームシーン」にぴったりマッチしてる気がします。


デザイナーは、「フビを捕まえろ!」で2012年のSdJキッズゲーム部門を取ったシュテファン・ボーゲン。

BGGを見ると、なんと2-8人いずれも満遍なく面白いという評価で、平均7.29。BGGはゲーマー寄りの評価なので、この手のファミリーゲームにしては割と高評価な気がします。


英語ルールが公開されたので早速読んでみました。

最大の見所は、ピラミッド型のタワーにサイコロを入れて振って、逆さにしてスイッチを押すと、サイコロが一個だけ「コロッ」と出てくる仕掛け。これは間違いなく盛り上がりますよね。単純に、楽しいw で、5色のラクダに対応する色のダイスが出てきたら、そのダイス目だけ、そのラクダを動かす、というレースになります。ダイス目は1-3なので、大差は開かない感じになっていそうですね。他のラクダの上に乗っかると一緒に運んでもらえるというルールは他のゲームでもおなじみのルールです。

しかし、ゲームの面白いところはこのギミックだけではなく、「1位を予想する」以外にも「最下位(つまり5位)を予想する」事でも同じ得点(賞金)が入る、という点かなぁ、と。この手の正体隠匿レースにありがちな、「だって、正体バレバレでもいいから、自分の予想した駒を動かせばいいじゃん」という展開が、このルールによって少し変わってきそうな気がします。「あいつ、赤い駒ばっかり動かしてるから、きっと赤に賭けてるんだぜ。よし、赤を最下位にしてやれ」と他の人がレースに干渉してやると、「えへへ、実は赤が最下位に賭けてたんだよねw」って事がありえるわけで。この辺は良い駆け引きになりそうです。

ゲームはどのように進行するかというと、自分の手番が来たら、4つのアクションのうち1つを選んで実行、を繰り返します。4つのアクションのうちの1つは「ダイスピラミッドからダイスを振りだして、ラクダを進める」なんですが、5つ目のダイスが出てきたら、ラウンドが終了し、その時点で上位2位を「応援」していたプレイヤーが臨時の賞金を貰えます。逆に、下位のラクダを応援していたプレイヤーは罰金です。5つのダイスをまたピラミッドに戻して、レース続行です。

1つ目のアクションは「応援」。各色のラクダの応援タイルをとって手元に置きます。応援タイルは各色3枚ずつあって、一番上のタイルは「5金」次が「3金」「2金」となっている為、早めに取った方が臨時の賞金がでかいことになっています。1人で同じ色の応援タイルを複数取るのもアリ。ラウンド終了時に、その色のラクダが1位なら額面分の賞金(勝利点になります)、2位なら1金、3位以下なら逆にマイナス1金支払い、となります。早めに取りたいけど、早めに取ると他プレイヤーに警戒されてその色のラクダを3位以下に落とされちゃう、的な展開が見えますね。

2つ目のアクションは「砂漠タイルの配置」。各自1枚の砂漠タイルを持っていて、これをコース上の任意の場所に置けます。すでに置いている場合は移動、になります。この砂漠タイルは両面あって、それぞれ「オアシス」と「蜃気楼」。この砂漠タイルでラクダ駒が止まると、もう1歩進む(オアシス)か1歩下がる(蜃気楼)になります。

先に書いた通り、自分の上に他のラクダが置かれていたら、タダ乗りで一緒に動かさなくてはならないので、なるべく別のラクダの上に止まりたいわけなんですが、ここで「蜃気楼」が重要になってきそうなんですよね。なぜなら、「蜃気楼」で1歩下がった場所に他のラクダがいた場合、一番上ではなく、一番下にラクダが置かれる、というルールになっているんです。たぶん、これの活用が鍵になりそうです。例えば、先頭スペースに3頭のラクダが固まっていて、赤が一番上に乗っかってる状態とします。そして、ダイスピラミッド内には、赤のダイスだけが残っている状態。自分は赤の応援タイルは1つも取っていない…このままでは、赤のダイスが出て、赤が進んで、赤が暫定1位確定、です。そんな時は、赤いラクダの前に「蜃気楼」を配置すれば、赤いダイス目が1であれば、一歩進んで一歩下がる、そして一番下へ…(同じスペースの場合、上に乗っているラクダの方がが進んでいるとみなされる)。

ただし、砂漠タイルは隣り合って配置したり、同じスペースに複数配置したりはできないので、1~3のどの目が出てもダメ~、みたいなあまり面白くない展開はできないようになっています(個人的にはそれもまた面白い気がしますけどw)。

3つ目のアクションは、「ダイスピラミッドからダイスを振り出す」。ラクダを動かすわけですね。この移動は出てきたダイス目に応じて機械的に行うので、特に考えることはありません。お仕事なわけですので、謝礼として1金が貰えます。5個目のダイスを出した場合は、移動の後に、応援タイルに応じた臨時賞金が貰えます。応援タイルはその後、また全部ボード上に戻します。

もしここで、先頭のラクダがゴールへ到着したら、ゲーム終了です。

4つ目のアクションは、「秘密の賭け」です。ゲーム開始時に配られた5色のカードを、秘密裏に1枚、ボード上の「勝者」か「敗者」の場所に置くことができます。一度置いたカードは動かせません。勝者と敗者には何枚でもカードを置くことができるのですが、置いた順番が大事で、ゲーム終了時に置かれたカードを「置いた順番を維持しながら」オープンし、1位の色を「勝者」の場所へ置いていたプレイヤーが8金貰えます。ただし8金もらえるのは、置いた順番が早かったプレイヤーだけで、2番目に置いていたプレイヤーは5金、3番目は3金、4番目は2金、5番目以降は1金しか貰えません。なので、例え「このままだと緑が1番だな!よし、緑に賭けよう!」と思っても、他プレイヤーが自分より先に緑が勝つことに賭けていたら、より少ない賞金しかもらえないわけです。「みんな緑賭けてないよね??」みたいな駆け引きが起こるでしょう。ちなみに、2位以下のラクダに賭けてたプレイヤーは1枚毎にマイナス1金です。

さらに面白いのが、すでに書いたとおり、「敗者」にも賭けれるという点です。賞金の計算方法は同じで、最大8金貰えます。「誰も赤を動かさないから、誰も赤が勝つことに賭けてないんだな、じゃあ赤はほっといてもいいか」という展開が、決して起こらないようになっているわけですね。ほっとかれているからこそ、怪しい。ほっとかれている駒こそ、前に進める価値があるわけです。

ルールを聞いてわかる通り、既存の賭けレースゲームに比べて、ものすごく斬新、というほどのものではないように思います。しかし、レースは一回だけでサクッと終わる点、しかし、レース終了時に勝利点が入って終わりという淡白なゲームではなく、レース中に何度もザクザクと賞金が入るようになっている「大盤振る舞い感」。どのラクダに賭けるかという部分をシンプルな「応援」と「秘密の賭け」の2つに分散して、シンプルに楽しむことも、読み合いを楽しむこともできるようにしたバランス感覚、いずれもかなり良くできているゲームという印象があります。

個人的に、ラクダを進めた人(ピラミッドダイスからダイスを振り出した人)が1金もらえるってのが地味に良いなぁ、と。レース中の臨時の賞金5金を狙うよりも、一人でダイス5回振り出して5金もらった方が確実じゃ?みたいな。まぁ、臨時の賞金は5金以上になる可能性もあるので、基本はそっちなんでしょうけど。いろいろ考えられてる気がします。

そこへ加えてこのピラミッドダイスタワー! 2-8人まで遊べる幅広さ! レース系ゲームを持っていない人は、買ってしまってもいいんじゃないでしょうか。とまで推しつつも、自分自身は、正体隠匿レースゲームと微妙に相性が悪いことが多く(ウォーターリリーとか、面白いとは思うものの、没頭するほど楽しめない)、買うかどうか迷っているのですけども。運用素はどうしてもデカそうですしね。まぁ、30分で終わるし、ピラミッドダイスタワーは面白いだろうし、子供とも遊べるし、やっぱ、欲しいな~w

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