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2014年度 公開シンポジュウム

『サイエンスからテクノロジーへ -役に立つ物理への出帆-』

物理学は深淵なる自然の摂理を探求する学問であると同時に、本年度のノーベル物理学賞に輝いた青色発光ダイオードの発明に代表されるように、我々の生活を豊かにする科学技術の発展を支えるもう一つの側面を持っています。本年度は、実用化を目指して進む研究を取り上げ、その展開と将来像を先端的研究を進める講師陣に講演していただきます。

開催日時: 2014年12月21日(日)
      〒560-8531 大阪府豊中市待兼山町1-3


当日の受付の混雑を避けるために事前登録にご協力ください。
事前参加申込期間:2014年12月20日まで
当日の参加受付も可能です。時間に余裕をもってお越しください


プログラム
安江常夫
13:00
 開会あいさつ 物理学会大阪支部長   安江 常夫 (大阪電通大) 






13:10-13:55
X線顕微鏡開発の最前線」 山内 和人 先生(大阪大学

日本には、最先端放射光施設であるSPring-8 Super Photon Ring-8 GeV)や世界に2ヶ所しかないX線自由電子レーザー施設であるSACLA SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)がありますが、これらの施設で行われているX線顕微鏡開発の最前線を紹介します。顕微鏡の性能を決めるナノスケールの集光技術を中心に解説し、その技術によって初めて可能になった医学・生物学応用の一端を紹介します。

 



13:55-14:40 蚊にヒントを得た痛みの少ない注射針の開発」   青柳 誠司 先生(関西大学)

人間は蚊に刺されて吸血されてもほとんど痛みを感じません。高速度カメラを用いて蚊の穿刺の様子を詳細に観察し、無痛穿刺のメカニズムを推測しました。蚊の口器のうち、穿刺に重要な役割を果たしている大顎と、その両側の小顎2本の合計3本の針について、それらと同様の形状・寸法を持つ3本の針をマイクロ加工により作製しました。これらの針を蚊と同様に互いに位相差を持たせて協調動作させ、人工皮膚への穿刺実験を行った結果、穿刺抵抗力が1/31/4に低減しました。痛みと穿刺抵抗力には相関があるため、痛みの低減が期待できます。

 

14:40-15:00 休憩


15:00-15:45 光合成から人工光合成へ」  神谷 信夫 先生(大阪市立大学)

私たち人類を含めたほとんどすべての地球生命は、植物や藻類が光合成によって生み出した有機物を食べて生きています。光合成では、太陽の光を利用して、水から酸素を、二酸化炭素からでんぷんを作り出していますが、ここで水から酸素を発生させているのは光化学系IIPSII)と呼ばれる巨大な膜タンパク質です。その反応中心の化学組成や形は、200年以上にもおよぶ光合成研究の中で「最後に残された最大の課題」とされてきましたが、今から3年前、Mn4CaO5(H2O)4という化学組成で「歪んだ椅子」の形をした金属クラスターであることがX線結晶構造解析により明らかにされました。これは光合成の全容解明に貢献するばかりではなく、現在の人類が抱えているエネルギー・環境・食料など地球規模の問題を解決する人工光合成への道を拓く点で注目されています。講演では、PSIIの構造と機能、今後の人工光合成に向けた研究との関わりについてお話します。

15:45-16:30 異分野連携で拓く結晶プロジェクトX  森 勇介 先生(大阪大学)

「材料を制するものは技術を制す」、「技術を制するものは世界を制す」といわれていますが、その材料の原子・分子を綺麗に並べたものが結晶です。コンピュータ、車、家電製品、薬といった身の回りのものには結晶が使われています。本講演では、大阪大学で発見・開発された結晶技術が事業化され、社会に貢献を実現した事例を基に、異分野連携のプロジェクトXを成功に導く秘訣をお話いたします。




協賛  : 日本物理教育学会近畿支部

後援  : 兵庫県教育委員会、大阪府教育委員会、和歌山県教育委員会、大阪市教育委員会

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