第37回国際緊急援助隊医療チーム導入研修

導入研修プログラム

2007年12月14日(金)
12:00~12:30 受付
12:30~12:55 開会式
12:55~13:40 講義1「国際緊急援助の概要Ⅰ」
13:40~13:45 「国際緊急援助隊の身分と補償について」
13:50~14:20 講義1「国際緊急援助の概要Ⅱ」
14:30~14:50 シミュレーションについて
14:50~15:40 講義2「シミュレーション1-発災から出発まで-」
15:50~16:30 講義3「安全管理」
16:40~18:30 講義4「シミュレーション2-被災国到着からサイト決定まで-」
18:40~19:40 講義5「国際緊急援助隊における診療の基本」
19:55~21:30 講義6「シミュレーション3-宿泊(設営・夕食・課題検討)-」
21:40~22:10 講義7「職種別研修」

12月15日(土)
06:30~07:40 講義6の続き「シミュレーション3-宿泊(起床・朝食・撤収)-」
08:20~08:50 講義8「宿泊のまとめ」
09:00~10:50 講義9「シミュレーション4-物資輸送からサイト設営まで-」
11:00~12:10 講義10「カルテの記入、データ処理、約束処方」
13:00~16:00 講義11「実習」
           ・エアーテント
           ・通信機器
           ・シミュレーション5-模擬診療-
16:20~17:00 講義12「模擬診療まとめ」
17:10~17:30 理解度確認テスト
17:30~19:00 講義13「チームビルディング」
19:30~21:00 懇親会

12月16日(日)
08:20~10:20 講義14「シミュレーション6-チームミーティングから帰国まで-」
10:20~10:35 講義15「シミュレーションまとめ・質疑応答」
10:50~11:30 講義16「事例紹介(インドネシア・ジャワ島中部地震)」
11:45~12:30 講義17「国際緊急援助隊医療チームの歴史」
12:30~12:40 質疑応答、本登録について
12:40~13:00 閉会式、連絡事項

2007年11月作成

導入研修受講者

医師12名

薬剤師3名

看護師16名

医療調整員8名 計39名

2008年01月作成

導入研修所感

初日

JICA国際緊急援助隊事務局職員から「韓国での重油流出で専門家チームを派遣するためばたばたしていますが、研修には影響を与えないようにします」との説明がある。

自衛隊からオブザーバー2名が参加。

JDRに関する小テスト10問を実施(引っ掛け問題に素直に引っ掛かる→7点)

トリニア国という仮想国での地震災害発生という想定での研修だが、職員の「うぇ~るかむとぅ~とり~にあ~」の掛け声に少し戸惑う。

UNOCHA(国連人道問題調整事務所)、UNDAC(国連災害評価調整チーム)、OSOCC(現地活動調整センター)、RDC(受入出発センター)、LEMA(現地災害対策本部)等の基礎用語が覚えられない。

国家公務員がJDRに参加する場合は、本来業務とみなされ有給を消化する必要はないらしい。実際問題として私は有給をほとんど消化できていないのでどちらでもよいが、やはり本来業務とみなしてくれているほうが所属する職場に対しては格好がつきます。

「診療の基本」という講座に「医療従事者向け」と「非医療従事者向け」があり、「非医療従事者向け」ではバイタルサインのチェックについても説明するとのこと。少し悩んだが「医療従事者向け」を選択。救急医療の専門医の多いJDRでは皮膚科領域の疾患に苦戦することが多いそうです。そのため自衛隊の医療チームではデジカメで患部を撮影し、日本にいる皮膚科医がコンサルティングしているとのこと。

講堂にてテント・簡易ベッド・簡易トイレの設営。携帯食で夕食をとり、寝袋に包まって就寝。夜間に講堂の空調を止められ、寒さで目が覚める。12月の東京…。周りはいびきの大合唱。耳栓をして震えながら再度就寝。

2日目

朝食も携帯食。サイトを撤収して、JICAの宿泊施設にチェックイン。

エアーテント内で診療を行う際のレイアウトを模型を使って設定する。

研修はAからHまでの班に分かれて行っていたが、2班が一緒になることが多く、私の属するH班はG班と一緒に。
班の名称がGH(ゴッドハンド)なのかHG(ハードゲイ)なのかで意見が分かれる。

カルテの記載を実習するが、英語での記載に戸惑う。

昼食は研修施設内の食堂で摂取。

午後は実技実習。
通信機の使用、エアーテントの組み立て、そしてメインの模擬診療。

模擬実習では次から次へと難儀な人たちがやってきました。
「自分を優先的に診ろ」という被災地の村長の息子。
宗教的な理由で男性が近くにいる場所での受診を敬遠する女性。
なぜか現地にいてJDR医療チームを慰労に来た日本の国会議員。
取材に来た現地のマスメディア。
早く薬をくれと文句を言い続ける女性。
抗生物質がなくなったので少し分けてくれと頼んでくる他国の医療チーム。
その他、押し寄せるようにやってくる患者さんたち。
そして、心肺停止で運び込まれお亡くなりになる予定の模擬患者。
しかし、医師が状態の確認のために模擬患者に話しかけるとその患者はうっかり返事をしてしまい、それを聞いた医師は「responder」と叫んで患者を蘇生させてしまいました。(ゴッドハンドですね)

模擬実習での私の薬剤師としての反省点をいくつか…

  • 薬剤交付時にIDカード(診察券)とカルテを一緒に預かってしまったため、患者の本人確認ができない。
    →IDカードは患者に持っていてもらって、それで本人確認をする。
  • 次から次へと患者が来るため、順番がわからなくなってしまった。
    →新しくきたカルテを一番下に置くようにする。
  • 処方内容の疑義照会時に、肝心のカルテが行方不明。
    →お話になりません。
  • 薬剤師に次回受診日を確認してくる患者さんたち。
    →IDカード内に「次回受診日」の記載欄を設けてほしいです。

夕食を兼ねた懇親会で確認テスト(20問)の成績優秀者として名前を呼ばれる(17問正解)

3日目(最終日)

インドネシア・ジャワ島中部沖地震の事例紹介。

インドネシア語を話せる看護師の隊員がいたとのこと。
やはり、語学力の有無の差は大きい…

テント内の西側に診察スペースを設けたために医師が西日でかなり憔悴した。
結核の患者がいたために隊員がマスクをするようになったら、何かを感じ取った被災者たちが自分たちもマスクが欲しいと言い出し、全員にマスクを配布することになった等の失敗談も聞けました。

テント内での診療だけではなく、巡回診療も行ったとのこと。
現地のニーズに即した柔軟な対応をしたほうが、本当の意味で感謝されるのでしょう。

2008年1月作成