道新5/21(木)付朝刊の「PCR施設めど立たず」の報道について

【2020.5.21】

当記事内容は正確とはいえないため、次のとおり報告いたします。

PCR検査は行政が行う検査です。しかし、4月上旬、市内で新型コロナを疑う患者さんが多くなり、民間団体である本会としても協力可能なことがあると思い、下記4/14付文書のとおり、江別保健所へ提案した次第です。

【記事にある医師会と保健所が提案した施設について】

石狩市は「感染症対策が十分ではなく」と回答しておりますが、これについては、5/3に江別保健所感染症審査委員で北海道医療大学の先生が当施設を視察し、どこでも安全を確保して検査できる旨、石狩市には伝えています。

【石狩市が提案した別の施設】

医師会は、立地の悪さなどを理由に反対しているとの記載がありますが、当施設は、原野の中にあり、風も強く、風向きも急に変わるような場所で、ドライブスルー方式による検体採取には適さないため、協力は辞退した次第です。

検体採取は、医師の他に看護師、臨床検査技師といった職種も行えるため、石狩市職員の保健師(保健師はすべて看護師資格を保有しています。)で検体採取することまでを否定したものではありません。

そのため、石狩市がその施設で実施したいのであれば、石狩市が自前で実施することは十分可能です。

(ただ、市の保健師さんには、ドライブスルー方式による検査には、あまり良い環境ではないことを助言しておきます。)

【今回の記事について】

道新からは4月から取材が続いており、約1ヶ月経ちました。資料も提供しています。検体採取を行っている医療機関の声も聞きたいということで、その医療機関も紹介しました。その医療機関では、かなりの時間、取材に応えたと聞いています。

しかし、地域の医療従事者の声は一切届かず、石狩市側の回答しか掲載されていないことに、たいへん残念に感じる次第です。

新型コロナウイルスの感染拡大の中、医療従事者に対する温かい支援の声を聞きます。こちらもそれに応えるべく、滞りのあった行政検査(PCR検査)を改善すべく提案させていただいたつもりですが、医師会と保健所が提案し、北海道医療大学の先生もお墨付きを与えた施設に対し、石狩市が「施設の他の利用者の不安を招く」といって難色を示していたことは、新型コロナウイルスにかかわる医療従事者への差別や偏見が根底にあると、とても強く感じた出来事でした。

医療というより、公衆衛生上の問題である新型コロナウイルス感染症対策に対し、多くの市町村では、市立病院など公的施設でPCR検査を行っています。

本市に市立病院はありませんが、市立病院のないことが、PCR検査を行えないことの理由にはなりません。地域の逼迫した状況から、せっかく提案したものが「食い違い」として表記され、こちらも悪く書かれてしまうことになりました。本来、行政が行うべきことは、行政側で、しっかり行っていただくよう発信していった方が良かったのではないかと強く感じる次第です。

     一般社団法人石狩医師会 会長 立石圭太


○ 2020.4.14付 江別保健所へ提出の文書

○ 2020.5.7付 石狩市へ提出の文書

○ PCR検査資料