Interlocal Journal はドイツ・エアランゲン在住のジャーナリスト・高松平藏が主宰するウエブサイトです。


賑やかな村の「スポーツビール祭り」

サッカーとジョッキをスポーツクラブで

2016年7月24日


執筆
高松平藏ドイツ在住ジャーナリスト、当サイト主宰)



人口2,600人足らずのホイッヒリング(バイエルン州)という村のスポーツクラブを訪ねた。驚いたことに、なぜかけっこうな数の人々がいて、ジョッキ片手にビールを楽しんでいたのだった。


■本格的に飲んでいる
「スポーツクラブ ホイッヒリング」でこのほど、サッカートーナメントが行われた。出場するスポーツクラブのチームのひとつに息子が所属しており、父親として見に行ったのだった。

この日は少し驚いた。
試合のときにはホストのクラブがケーキやコーヒーを用意して、試合を観に来た人に販売することがよくある。トーナメントの場合は半日以上時間をとるので、少し軽食なども出す。ところが今回は、きっちりした料理も出し、ビールを楽しむ人達がいた。こういう試合の時の観客といえば。子供の親がほとんどだ。ところが、ビールを楽しんでいる人たちは明らかに親とは違う層だ。
クラブハウスのテラスからも観戦している。

■え、ビール祭りだったの?
そうこうしているうちに、この村が属している郡の第3首長がやってきて、「皆さん、今日は『スポーツビール祭り』を楽しんでください」とスピーチしていった。

あとでわかったのだが、この日のサッカートーナメントは「青少年スポーツ・ウィークエンド+スポーツビール祭り」という枠組みで行われていたのだった。

■スポーツクラブは自治体の「標準装備」
日本のスポーツ文化はどうしても競技中心になりがちだ。しかも子供たちは学校という一種の閉じられた空間でスポーツをしているケースが多い。それに対して、ドイツはスポーツクラブがスポーツの中心だ。

スポーツクラブは今日の日本でいえばNPOのような組織で、メンバーは老若男女。競技目的の人も多いが、それ以上に余暇や楽しみ、コミュニケーションといったことを目的にしている人がいて、学校や仕事とは別の「スポーツの同好の士」という括りの集まりになる。
クラブハウスにはクラブのワッペンがあしらわれている。

大きな地方都市になると、クラブも複数あるが、小さな自治体になると、クラブがひとつというケースが多い。そうなると、地域のコミュニケーションセンターのような機能がより強くなるのだろう。逆にいえばスポーツクラブは自治体の「標準装備」と考えてもよい。

今回訪ねたスポーツクラブはサッカー以外に卓球、水泳、陸上競技、体操といった競技を扱っている。設立は1920年だ。(了)