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10万人都市の無料コンサート、40年目!

小さな子供や高齢者も大丈夫

2016年6月19日


執筆
高松平藏ドイツ在住ジャーナリスト、当サイト主宰)



エアランゲン市(人口10万人、バイエルン州)では5月から8月初旬にかけて8回、日曜日に無料コンサートが行われる。今年は40年目を迎えた。
芝生に座って犬も音楽を堪能?



■多種多様な音楽
同市市街には280×500メートルのバロック様式の庭園がある。そこで毎日曜日、11時から約1時間の無料コンサート「宮殿庭園コンサート」が行われる。
エアランゲンの文化局によるもので、歴史的建造物の前に仮設舞台が作られ、椅子が設えられる。毎回満員だ。

音楽の演奏者も様々で、今年はブラス系楽器のグループ、弦楽器カルテット、ピアノとベースのデュオなどなど。ジャンルもポップス、クラッシック、バロック音楽、ジャズ、前衛音楽など。
演奏者は外国からも招聘されるが、地元のミュージシャンも演奏する。
椅子が並べられたところは、毎回、満員御礼!

■家族連れから高齢者まで
このコンサート、椅子が用意された場所は、皆きちんと座っているが、あとは思い思いに座ったり、寝そべったりしながら聞いている。

約1時間という長さは高齢者もトイレを気にしなくてもよい長さだ。家族連れで来ても、小さな子どもが遊ぶこともできるし、車いすでもふらっと立ち寄りやすい。
つまり、誰でも音楽を楽しむことができるのだ。
小さな子供連れでも大丈夫。
特に同市は意識していないが、今日の日本の地域にひき
つけていえば「子育て支援」のような機能もみいだせる。

子供向けの音楽を演奏する回もあるが、この日はたくさんの親子連れが自転車でやってくる。
40年にわたり行われてきた宮殿庭園コンサート、エアランゲン市の人はこのコンサートをきいて育ったといって過言ではないだろう。私事だが、我が家も子供が小さかったころ、よく家族全員で聞きに行った。ばったり友人家族と会うこともよくあったが、そんなときは、子供たちは芝生で遊び、大人は音楽を楽しみ、合間におしゃべり。「家族に優しい街」の一面がうかびあがってくる。
会場は市街中心地。アクセスもよく、車いすもらくらく。

■政策としての文化
6月19日の日曜日はセロとビブラフォンのデュオ(=写真)。「クラシック ミーツ ジャズ」と題されたものだった。


また一応地元銀行がスポンサーになっているが、この日は文化政策に力を入れている市会議員の女性がコンサートのための募金活動も行っていた。政策と文化がきちんとつながっているのがうかがえる。
こういうプログラムが、地方都市の生活の質を高めることにつながっている。(了)
市会議員のウルスラ・ラーニグさん。長年にわたり文化政策に取り組んでいる。

家族連れも高齢者も、老若男女が普段着で来れるのが魅力だ。カップルも多い。



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