全摘後のPSA再発は約半数でその60%以上は非転移もしくは非がんである。(前立腺がん)

 
RRP1次処理後におけるPSA再発は約30%ほどであり、その殆どは術後1ヶ年以内である事が、各施設で報告されている。では術後15年ではこの数字はどのように変化するのであろうか。そして、そこでは再発率30%は幻想にしか過ぎないことが理解できる。

日泌会・厚生科学研究班編/医療・GL06年)/ガイドラインでは症例数:T1T2、T3ステージ、サンプル数合計1997において15年間のトレサビリティで以下の結論を導き出した。

『前立腺全摘除を施行した症例の15年の非転移率,非癌死率は8291%である.PSA failureとなった症例において,5年間で明らかな転移を有さない症例は63存在する。PSA failureとなった症例の検討では,Gleason Score8未満,手術後2年より経過したPSA failureGleason Score8未満でPSAdoubling timeが手術後10ヶ月以上の症例ではその他の症例と比較し有意に転移が出現しない。』
PSA failure後の臨床経過については、

5年間で明らかな転移を有さない症例は63GS8未満,手術後2年より経過したPSA failureGS8未満でPSADT10ヶ月以上の症例は有意に転移が出現しにくい.

この文脈(context)からは直接的な言及(リファー)はないが、5年経過で48%がPSA再発と書きなおせる。(下図フロー参照)

15年経過した時点で非転移が82%と統計されている事は、PSA再発とされた48%の半数以上(63%)が結果的に転移していなかった意味になる。術後5年で非転移とされ、それ以降に転移とされたケースは極めてレアであろう。従って事実上の再発は18%で、PSA再発(48%)と診断された患者のうち63%は癌が無かったとするのが自然である。
私の言う幻の癌とは、この63%の事を指す。このようにして、この文脈を俯瞰してみれば大学系病院の公式発表されたPSA再発率20~30%では多くが転移となり、患者は理解と判断に苦しむのである。
サンプル指数を100人とした場合の図式を下図に示した。
                                                                                 
                                                  
 
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