療養記(44) 


 

2006年7月10日月曜日
 今日は横になっている時間が長く、本を読んでいた。『異常の構造』(木村敏、講談社現代新書)、『人生があなたを待っている』(ハドン・クリンバーグ・ジュニア、みすず書房)。ヴィクトール・フランクル夫妻が7年にわたって人生を語っている。アドラーについてフランクルがどう語っているかが楽しみである。著者は僕が翻訳したエドワード・ホフマンのThe Drive for Selfを注釈にあげているのに、日本語訳があることが書いてなくて残念。
「私は本書を、私が精神科医となって以来の十七年あまりの間に私と親しくつきあってくれた多数の分裂病患者たちへの、私の友情のしるしとして書いた」(『異常の構造』あとがき)
 木村先生四十二歳の時の著書。先生の本には、統合失調症を病む患者さんへの限りない尊敬の念が感じ取れる。『アドラーを読む』の136ページ以下にあげたアドラーのエピソードのことを思い出した。

2006年7月12日水曜日
 翻訳はもうすぐ6章が終わる。
 読む本があまりにたくさんあってパニックになりそうだが、少しずつ思考が形になり始めている。あちらこちらにたくさんメモを書いている。  翻訳でも原稿でもそうなのだが、適当に書いて(思いつくままに不完全な文章でもどんどん書いて)後で仕上げるというような書き方ができない。一度書いたものを後で書き直すことは実はあまりない。後から直すつもりで書いたものをほとんど直すことがないので、最初から注意しないといけない。
 明日は退院後二度目の受診。いい結果が出たらいいのだが。気にしていないつもりだったが緊張しているかもしれない。入院していた頃とは違って、力が回復してきてうれしい。本を長い時間読めるようになったし、長い時間書き続けることもできるようになった。この数日、調子がよい。

2006年7月13日木曜日
 退院後2回目の診察。今回は受診の要領がわかっていたので迷うことなく受診の手続きをすませた。皮膚科の方は予約が取れないので、早めに行ったが11時半に予約してある循環器内科のほうで待っているように、といわれた。早く順番がまわってくるようであれば連絡するということだった。後でわかったのだが、今日はいつもの寺澤先生はお休みで代診の鵜飼先生がこられていた。診察の時名前を聞きそびれたが、後でどこかに掲示してあるかと思ってみたら、本日は代診府立医大としか書いてなかった。名前を書くべきだと思う。診断は的確で、またこの先生の診察を受けることがあるかもしれないと思って、他の日にこられているかたずねたら、今日だけということだった。
 岡田先生の診察。中待合で待っていた患者さんが出てこられたのでどうされたのだろうと思っていたら、病棟の方にいかれたので遅れるといわれたとのことだった。急変された方があったのかと気にかかった。しかし、こんなことがあっても文句をいう人は誰もいない。
 予後は順調で、薬も一種類減りバイアスピリンだけになった。レンドルミンは僕の方からいらないと断った。薬は少ないほうがいい、といわれる。皮膚科の方の薬も減らしていいかたずねたところ、一度に全部止めるのはよくないので、様子を見ながらtaperするように、といわれた。前回の診察から引き続き、食事には気をつけてきたが、コレステロール値が思うように下がらない。外食も間食もしてないのに、かなり気をつけているのだが。遺伝子的要因があるかもしれないが、もう少し薬に頼らないで何とかしようということになった。体重は49キロを切った。
 おそらく運動を増やさないといけないのだろうが、コンピュータに向かう時間が増えるにつれ、外を歩くための時間が惜しいと思ってしまうのと、なにしろこの暑さなので怯んでしまう。次回、いい結果が出るよう頑張りたい。 

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