療養記(1) 


 

2006年5月20日土曜日
 病院から家までは思っていたより遠く、ほぼ毎日、通ってきてくれた妻の苦労を思った。娘と久しぶりに会う。「背が高くなったよね」「そんなことない」「夕食を毎日作ってくれてたと聞いてるよ」「これからも作るしな」
 帰ってから長く眠ったようだ。病院では知らずして緊張していたかもしれない。カーテンがあるとはいえ、部屋にいつなんどき誰が入ってくるかわからないのでそう変な格好でいられない。いつか「すいません、だらしないかっこうしてて」といったら、田口看護師が「入院している人の特権よ」とほほ笑んで出ていったことがあった。うつ伏せになったことも一度もなかったことに気づいた。モニターの電極をつけていたからである。
 では、家が病院よりも寛げるかというと必ずしもそうはいえない。病院では見ていなかったテレビがかかっていて音が聴こえてくる。電話が鳴るなどなど。刺激が強いが鳴れていくしかない。
 外を歩いてみた。病院内の平地歩行とは違って、道には坂道ではなくても勾配があるので上りになるとたちまち歩みが遅くなる。調剤薬局があるのを見つけ、中に入ってみた。次回、受診した時に薬を出してもらわないといけないが、処方箋があればこの薬局で受けとれることがわかった。バーコードのついたカードをもらった。これで病院からファックスをあらかじめ送っておけば、待たなくていい。
「どんな薬でもあるのですか?」
とたずねたものの薬の名前をすぐに思い出せなかったが、心筋梗塞といったらすぐにバイアスピリンとパナルジンですね、といってもらえた。
「心筋梗塞で入院していたのですが今日退院しました」
といったらひどく驚かれ、お大事にしてください、といわれてしまった。

2006年5月21日日曜日
 退院二日目。前夜、レンドルミンを飲まなければどうなるかと思って飲まなかったら、なかなか寝つけなかった。結局、あきらめて12時くらいに飲んだら、すぐに寝たようでその後は一度も目が覚めず、8時半まで眠ることができた。病院と違って朝のvitalもお茶の交換も、昼夜関係なくと大きな声を出す人も、採血もないので、いつまででも眠れるように思う。週日は慶子さんもさやも6時に起きるようなので、朝食を一緒にとれるように夜はもっと早く眠ったほうがいいだろう。昼食は自分で作らないといけない。減塩醤油とか塩分控えめのだししょうゆなどを用意してもらっている。外食はできない。
 昼前に散歩。新緑が美しい。日が眩しく、少し汗ばんだ。夕方、散髪。入院中気になっていたことの一つである。マンションの部屋の前で写真を撮った(Profileに載せた写真)。 

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