手を開いてください


 

 大阪大学であった「平和のための集中講義」で奥本京子大阪女学院短大助教授がこういった。
「二人一組になり、一人が自分の片手を固く握ってください。もう一人は、それを開いてみてください」
 教室の中がざわついた。
 しばらくして、「『手を開いてください』って、言葉でいった人いますか」
 奥本氏はいう。
「なぜ力づくでほどこうとしたのでしょう。平和的手段で紛争を超えるには、対話して相手と関わることや相手への想像力、創造力が必要なのです」
 この世から殺人や戦争をなくすには、日常生活レベルでのコミュニケーションを変えていくことから始めることが必要である、と考えている。
「強いられた勉強」
で「僕がいう「反抗」というのは、力を使うことではありません」と書いたのは、このようなことを念頭に置いている。たとえ親であっても、自分がしたいこと、してほしくないことを主張してほしい。ただし、そのための適切な方法を考えてほしい。積極的なタイプの子どもであれば、力を使って親に反抗する。消極的なタイプの子どもは、病気になる。親といえども私の体重はコントロールさせない。そう考えて、食べなくなったり、過度に食べる。どちらも子ども自身が不利な目にあい、苦しい思いをする。上で見た「『手を開いてください』と言葉でいうこと」に相当する方法を考えてほしい。

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