生還記(28) 


 

2006年5月19日金曜日
 入院して以来初めて夜中に一度も目が覚めなかったのではないか。熟睡した。
 二度目の入浴。今回は早めに切り上げたので、疲れなかった。
 昼食後、皮膚科寺澤先生受診。寺澤先生が「顔がきれいになったわね」と喜んでくださる。一ヶ月後に受診の予定。それまで薬が切れないように処方してもらった。今日の担当の中西主任に「歩いて〔外来の診察室に〕行きますよ」といったら、止められてしまった。「せっかく明日が退院なのにここで悪くなってもらったら」といわれる。たしかにいわれるとおりではある。皮膚科で待っていたら久保田君が通りかかる。白衣がよく似合う、と思った。オフの時と表情が違った。
 岡田医師回診(18:45)。軽い脂肪肝だが血液のデータには問題がない、と。心臓については一ヶ月後に受診するように、と。この一月があまりに長かったから、今は一ヶ月後は遠い未来のような気がする。薬も一月分処方してもらえた。僕はもっと早い時期に受診する必要があるのかと思っていたので意外だったのだが、うれしい。退院時にニトロを処方される、また栄養指導があるという話を救急病棟にいた頃、担当看護師の北原さんに聞いていたが、退院時に新しく薬が処方されることもなく、栄養指導もなかった。ニトロについてはどんなふうに飲むのか、自分でも常時持っていないといけないが、家にも常備し、それがどこにあるかは家族も知っていないといけないというような話も聞いたので(意識を失ったら自分では飲めないということである)、退院後、大変なことになると思っていたのである。薬は僕の場合、皮膚科で処方された薬があるので、朝夕後三種類の錠剤、眠前に二種類の錠剤を飲む必要があるが、心筋梗塞の治療のためだけなら、朝夕後にバイアスピリンとパナルジンを1錠ずつ飲むだけである。昨日紹介した尾池氏の日記を読むと、不整脈もあってかなりの量の薬を飲んでられる。栄養指導については中西さんが気にしてくださって、退院後に予約を入れて話を聞きにきたら、と提案してくださったが、「ずっと減塩食が出てたのでどうするのかわかると思います。それにデジカメで食事の写真を撮ってましたから」といったら驚かれた。岡田先生が「明日退院ですからこれで無罪放免ということで」と心電図モニターを胸から外してくださった。ICUを出てからずっとつけていたので、うれしい。熱いものが胸にこみあげてきて、岡田先生にはただ「ありがとうございました」としかいえなかった。
 書きたいことがたくさんあるはずなのに、明日、退院だと思うと気持ちが散漫になって集中できない。

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