生還記(2) 


 

2006年4月20日金曜日
 絶食は4食続いた。あわせて水分制限があった。ベッドで横になったままストローで看護師さんに飲ませてもらった。心臓に負荷がかかるというのが水分制限の理由である(一日800cc)。
 最初の食事は、全粥だった。カロリーと塩分制限がされていた(一日1600kcal、7g)。食事の前に心臓リハビリは第2ステージに進んだ。以下、このリハビリは11ステージまであるのだが、新しいステージに進むことが許可されるためには、新しい所作の前後に脈拍、血圧、心電図を計り、医師の判断が必要だった。
 第2ステージでは自分で体位を変えることがことができるようになった。とはいえ、尿道にバルンが留置されていて、左腕に点滴がされている状態では容易なことではなかった。
 またこのステージでは半座位になることができたが、これは看護師さんにベッドをあげてもらってのことである
 看護師さんが食事の介助をしてくださる。慣れないことでとまどった。食事をとりながら看護師さんと話す。
「ICUにいた人と廊下で後で会っても、わからないことがある。〔酸素の〕管を外すだけでも顔が違うし」。入院来、鼻につけている管を外したい、と思った。
 その後、初めてベッドを90度まであげて座位になった(第3ステージ)。くらくらしたが、長く横になっていたので起き上がったら急に視界が広がって嬉しかった。
 岡田医師、回診。「たしかに助かりました。でも、失ったものも大きい」。考えさせられた。 紙おむつをあてている。それを外して清拭されるのはつらい。導尿の管に看護師さんの手が当たるたびに強い痛み。何度お願いしても看護師さんが変わるのでかいがない。
 夜、眠れず、アモバンを半錠服用。この薬のせいなのかよくわからないが、深夜勤の看護師さん二人に夢の続きのようなわけのわからない話をしたのをぼんやり憶えている。僕しかできない仕事なのにこんなことになってというような話。床に何かがはい回る音がした。幻聴だろう。
 

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