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一流の仕事術(1)

これまで多くの新入社員を教育研修していて思った。

「できる人」は、こんな特徴を持っている。

●1)「できる人」とは、凡人から頭ひとつ抜け出た人である。

周囲を見渡してみましょう。

「あの人はできる人だな」と思う人がいませんか?

そうした人たちは、決して、時代の申し子でも、天才でも、スーパーマンでもない。

「あの人みたいになりたいが、自分も頑張ればなれるかもしれない」「その他大勢の凡人から頭ひとつ抜け出ている」というレベルの人だ。

こういう人を目指していこう。

「カリスマ」でも「時代の申し子」でもない、「天才」でもないけれど、「できる人」だ。

「できる人」は、新卒が50人いれば、その中で「頭ひとつ」抜け出ている存在であり、イメージでも存在感トップ3に入るくらいだ。

そこを目指していこう。

特に新人は。




一流の仕事術●2)「できる人」とは、できる理由を説明できる人である

できる人は、結果が出たとき、それを客観的に見ることができる。(この点で言うと、長嶋茂雄は「できる人」ではなく、「天才」だった。)

たとえば、あなたがモニターとして実績をあげているのであれば、「なぜ、あなたはそんなに業績がいいのか」と聞かれたら、答えることができるだろうか。

「なぜ、うまくいっているのか」の理由をきちんと説明でき、「これからは、こうしたい」という将来像を持って語れる人、それが「できる人」だ。

うまくいった理由も他人に説明ができ、そのうまくいくサイクルを再び回すことができる。




一流の仕事術●3)「できる人」とは、今後の期待値が大きい人である

できている理由を明確に説明できると、出している結果が周囲にも伝わり、「あいつは結果を出している」という評価になる。

そして、その結果として、「今後も何か新しいことをやってくれるのではないか」という期待値が大きくなる。

周りの期待値が大きくなるということが、当人をつねに上のステージへと上昇させるエンジンにもなっている。




一流の仕事術●4)「できる人」とは、成果の「見える化」が上手な人である

どの世界でも「口先だけの人」はいわば、「できる人」とは正反対の人だと受け止められ、軽視される対象になりがちだ。


しかし、今の世の中は「口先だけ」は論外としても、自分の成果を他人に伝えられる能力をある程度持っていないと、「できる人」として認められにくい。

なぜなら、「できる人」として認めてくれるのは、あくまでも他人だからだ。

自分の成果を他人にわかってもらえなければ、あなたがどれだけすごいことをやったとしても、その他大勢の中に埋もれてしまいかねない。

そして、その成果を導いたプロセスを見える化して、他の人にもいい影響を与える。




一流の仕事術●5)「できる人」とは、おいしい仕事が自然に集まってくる人である

「できる人」と言われるようになると、まわりの人から見た印象が大きく変わり、頭ひとつ抜け出た存在に見えるので、自分の仕事自体や環境も変わる。

どう変わるかというと、全てのことにおいて、自分が何かを求めても受け入れてもらえなかった状況が、受け入れてもらえるように変わってくる。

たとえば上司に自分の企画を聞いてください、と言っても「忙しいから」と言われていたのが、「きみの話なら聞くか」と言って、聞いてくれるようになる。

それがもう一歩進むと、彼/彼女ならやってくれる、という期待感があがったせいで、より質のいい出会いや仕事が向こうからやってくるようになる。




■□■■□■ 仕事は上からふってくる ■□■■□■

仕事はまず、否応無しに上から降ってくる。

それも、誰もができる仕事か、あるいは、誰もやりたがらない仕事だ。

これは考えてみれば、当然のことだ。

あなたはまだその会社で、その部署で、何の実績もないのである。

それにあなたは何が得意で、何が不得意なのか、まわりの人はもちろん、自分自身もわかっていない。

仕事のスキルがどのくらいあるのかも不明だ。

それなのに、「私はこの仕事をやりたい!」と手をあげたところで、そんな仕事をいきなり任されるということはありえない。

だから最初は誰でもできる仕事か、誰もがやりたがらない仕事の直面せざるをえない。

そうなったとき、選択肢はいくつか考えられる。

ここで、どのように働くかによって、あなたが「できる人」となっていくか、なっていかないかが、まず決まる。

選択肢1)その仕事をやめる、やらない

選択肢2)不本意であるが、「仕事だから」引き受ける、続ける

選択肢3)その仕事をとにかく引き受け、やりきってみる

そう、その仕事を主体的にやりきってみよう。

なぜか?
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●あなたの「強み」は行動でしか見えてこない

あなたの強みは何だろうか?

あなたの勝ちパターンは何だろうか?

どんな仕事をやりたいと考えているだろうか?

できる人はそれらをしっかりと把握している。

そして、それは実際に行動してみて、そこから生まれた結果の分析をもとにしている。

ここで注意してほしいのが、ペーパー上の自己分析で出てきたあなたの強みなど、全然、あてにならないということだ。

新入社員が新しい部署に配属されたばかりの人間が、「自分は~~することが得意です」と言ったところで、それは何の意味も無い。

それはしょせん、空想・妄想とあまり変わらない。

あなたが、ビジネスパーソンとしての経験が圧倒的に不足している状態であるならば、とにかくたくさんの行動を起こし、たくさんの結果を出してみることだ。

そのためには、未経験の仕事をどんどんやってみる以外ない。

だから、上から降ってくる仕事は、チャンスだ。


一流の仕事術●上から降ってくる仕事は、どんどん行動するためのチャンス

周りを見回してほしい。

実際にやってみたこともないのに、上から降ってくる仕事から逃げ回っている人がたくさんいることに気づくはずだ。

できる人になりたいと思っているあなたは、そうした仕事をどんどんもらって、自分の強みを(そして弱みを)知る機会を増やしていけばいいのである。

願っても無いチャンスだ。

臨床開発の仕事から、急に総務部に配属を命じられたら、それは、あなたにとって不本意なことかもしれないが、これまでに経験したことのない仕事だ。

そうであるならば、総務という仕事そのものも含めて、上から降ってくる仕事に対しては全て主体的に取り組んでいこう。

臨床開発だろうが、総務だろうが、業務だろうが、経理だろうが、結果が出てくる。

結果が出てくる以上、そのなかには「うまくいった」という成果もあるはずだ。

それが、あとになって、あなたが自分の強みを見出し、勝ちパターンを築いていくにあたっての貴重な手がかりとなっていくのである。

私は1999年末から2000年にかけて、2つの製薬会社が合併するときに、プロジェクトリーダーに任命された(40歳の頃だ)。

プロジェクトリーダーと言えばかっこいいが、ダンボール箱の数から、倉庫に眠っている資料の廃棄から、SOPの統合、企業風土の計測まで、ありとあらゆることを「やらされた」。

とんでもなく、忙しかった。

まさに目が回るというのは、こういうことなんだとひとり合点した。

ちょうどその頃、業界活動(日本QA研究会)においても、30人くらいの業界の人たちの代表幹事をやっていた。
(ちなみに、その時と同じくして、家内に乳がんが発見されて、手術、入院した。)

しかし、今から思うと、あの時の経験は役立っている。

たくさんの人にミス無く、もれなく、行動を起こしてもらう方法。

上層部にうったえかけるコツ。

自分を客観視するスキル。

複数のタスクをこなす術。

ストレスを感じないように役割を「演じる」というポイントが私を救ってくれた。

その時の私の仕事ぶりは合併する前後の会社の上層部に伝わり、その後の仕事が実にスムーズになった。

だから、上から降ってきた仕事はとにかくやりきってみよう。

そこから道が開ける。



一流の仕事術●あなたの「強み」は、しばしば、あなたが思ってもみないものだ

上から降ってきた仕事は、あなたの強みが実は思ってもみなかったところにあることを気づかせてくれるチャンスになる。

自分の強みについての、あなた自身の思い込みから解き放たれるきっかけとなる。

無口な人間が、実は企画提案能力にたけていて、企画立案のNo1になることもある。

自分が苦手だと思っていた分野が実は自分の強みだとうことが分かることもある。

できる人になっていった人の中には、途中で自分の意外な強みを発見し、その強みを活かしていく方向に軌道修正して成功したケースも多い。

人の適性はどこで見えるかわからないし、どこで花が咲くかわからない。

わかるのは、しばらくの間、その人が真剣にその仕事をやってみたあとのことだ。



一流の仕事術●自分の強みが意外なところで生きてくることがある

自分の強みは、自分自身にはわからないものだ。

自分の勝手な思い込みにとらわれてしまうと、自分が成長するチャンスを逃してしまう。

そうではなく、上から降ってきた仕事をまずはチャンスとしてとらえ取り組む人が「できる人」になっていく。

人との交流が得意だからといって、総務や経理、業務部などに向いていないかというと、そんなことはない。

あなたの強みは、まわりの人のほうがよく見ていることもある。

だから、未経験のうちは、ものごとを勝手に決め付けないことだ。

全て自分で経験してみたうえで、判断していく習慣を身につけるといい。

「それって、私がやってもうまくいかないと思う」「それって、前にほかの人がやってみて駄目だった」と言うのはやめよう。

あなたがやってみたらうまくいくかもしれないのだから。

ほかの人がやってみて駄目だったとしても、自分がやれば成功することもある。(だから、チャンスなのだ。)

また、人の強みは、本人自身よりもまわりの人のほうがよく見えていることも多い。

まわりの人とは、あなたの上司なり、あなたの顧客なりといった人たちだ。

彼ら・彼女らがあなたにお願いしている仕事、つまり上から降ってくる仕事のなかには、あなたの強みを探るヒントが隠れている。




一流の仕事術●好きでないからうまくできるようになる

上から降ってくる仕事をやることと、自分がやりたい仕事をやること。

そのどちらが本人のスキルアップに繋がるだろうか。

「好きこそものの上手なれ」という諺もあるくらいだから、後者のほうだと思う人も多いだろう。

しかし、ビジネスの現場におていは「嫌いな仕事をやることが上手への近道」といったことがしばしば起きる。

仕事を楽しそうにやってはいるが、いつまでも成果があがらず、夜遅くまでダラダラとやっている人が、あなたのまわりにもきっといるはずだ。

逆に、文句を言いつつも仕事をテキパキと終わらせ、成果をあげている人がいないだろうか?

ここには「やりたくないことだからうまくできる」という逆説がある。

それはなぜか?

自分のやりたいことは、好きなことだから楽しくてしかたがない。

結果、どれだけ時間がかかってもまったく気にならない。

ついついダラダラと非効率的にやってしまいがちだ。

一方、上から降ってくる仕事は、嫌いなことだから、さっさとすませようとする。

自然と効率的なやり方が身についていき、いつの間にか本人のスキルアップにつながり、本人の強みとなっていく。




一流の仕事術●仕事だと思って役割に徹するからできるようになる

ソムリエとして世界一になった田崎真也氏はもともと和食の料理人だった。

つまり厨房で働く職人気質の仕事をされていた。

ところが、和食から洋食のレストランに移って、転機がおとずれた。

仕事として客席で料理を盛り付けるサービスを任されることになったのだ。

その当時のことを、彼は次のように語っている。

「私は最初、料理人を志しましたが、客席でサービスをする機会を得て、接客の仕事に向いていることに気づいたのです。初めは接客の仕事は好きではありませんでした。しかし、「客席でサービスする」という役割に徹しているうちに、この仕事に向いていることがわかってきたのです。」

この言葉はたいへん示唆に富んでいる。

役割に徹して働いているうちに、うまくできるようになるといったことがよく起こるのだ。