ご挨拶

 この度、小川勝成 前会長の後任として広島県細胞検査士会の会長を仰せつかりました、中国中央病院の羽原利幸です。就任に当たり、ご挨拶を申し上げます。

 皆様もご存じの通り、平成25年4月より日本臨床細胞学会は公益社団法人となり、細胞診断学推進協会に帰属していた細胞検査士会は、日本臨床細胞学会の内部組織として位置づけられました。 これに伴い、それまで細胞検査士会の広島県支部として扱われていた本会は、新たに「広島県細胞検査士会」として名称が変更になりました。 実際の活動内容は、今までと変わりはありませんが、公益法人化による組織の見直しや名称変更など、今後の動向に注目する必要があります。

 広島県は、全国の中でも早くから細胞検査士会が発足した県の一つです。 そのため、県内会員の交流が以前から盛んであり、東西約 130km と横に長い県であるにもかかわらず、県全体のまとまりや各地区間の連携が良いことが特徴と考えています。 私は本会に入って30年近くたちますが、入会当時から細胞をこよなく愛する人たちが集い、研修会や懇親会が行われており、かけがいのない多くの人たちと出会うことができました。これからも、人との出会いや議論を重んじる「広島らしさ」を大切にして、会務に励みたいと思います。

 我々が日々行っている細胞診業務は、喀痰や尿などの塗抹標本中に剥離した癌細胞を検出する「剥離細胞診」から始まりました。 その後、直接腫瘤に針を穿刺吸引して、細胞を採取する「穿刺吸引細胞診」が普及することにより、細胞診の対象臓器は飛躍的に拡大し、その臨床的意義や診断価値も高まりました。近年では、液状化細胞診や分子生物学的手法の導入など、細胞診を取り巻く環境はさらに進化しています。 このような中、本会では、各領域の細胞形態学的所見に関する内容に加えて、最新の知識を習得できる研修会を開催し、会員のさらなるレベルアップを目指します。

 研修会の開催とともに、社会活動は本会が取り組んでいるもうひとつの柱です。「子宮の日」、「県内各地域で開催される健康展」では、顕微鏡を用いた癌細胞の説明やパンフレットの配布を行い、子宮頸がん検診の啓発を行いました。 また、「リレー・フォー・ライフ広島」、「がん患者大集会」では、がん患者会や行政職員などの方々とともに実行委員を担当し、意見を交わしました。このような地道な取り組みによって、細胞検査士という専門職の名称は確実に認識されつつあります。しかし、医療に携わる他職種と比べるとその認知度はまだまだ十分とは言えないため、これからも一層、社会活動を進めていきたいと考えています。

 最後に、広島県細胞検査士会会員の皆様とともに、本会の活動を通じて、技術の研鑽や医療をとりまく様々な方々との情報交流を深めることで、細胞検査士が医療の中でなくてはならない専門職として認められるように、微力ながら精励して参りますので、今後とも、ご支援とご協力をお願い申し上げます。

平成27年5月31日
広島県細胞検査士会 会長  羽原利幸

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