そこにあるのは、いつものようでない空間と、いつものようでない音楽。甘美なささやきのような仕立てよりも、楽しいけれどちょっとびっくりするようなお土産話。そんなイメージの音楽経験です。

音楽は芸術であるより前に、コミュニケーションの道具でした。そうでなければ、あれほど表現が多様である必要もありません。そもそも、何かを伝えるためには、目的に叶う場所で奏でられるのが、本来のありようでした。それは街角や原っぱであってもいいし、心地の良い居間が選ばれるかもしれません。

さて、平河町ミュージックスでは、ひとつの個性的な空間を手がかりにして、音楽が何を伝えることができるかを考えてみようと思います。コンサートホールではない空間と、現代の音楽家がどう向きあい、どういうメッセージを紡ぎだすのか。見もの・聴きものです。きっと、そこにはなにがしかの化学変化が生まれることでしょう。

聴き手が経験するのは、いつものようでない空間と、いつものようでない音楽であるはずです。言うなれば、甘美なささやきのような仕立てよりも、楽しいけれど、ちょっとびっくりするようなお土産話。少しときめく時間をお楽しみください。