HDS SEMINAR 2018

HDSセミナーでは、高分散分光器による最近の研究や新しい観測装置
による今後のサイエンスに関する発表&議論を行います。

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日時:隔週木曜日+α 15:40~ 場所:すばる棟2階TV会議室(zoomでの接続)


次回のセミナー:

10月 18日(木)15:40-
講演者:谷口 大輔

次々回のセミナー:
        11月 1日(木)15:40-
        講演者:未定


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2018年度スケジュール:

HDSセミナー

 4月19日(木)15:40-16:40: 青木和光(国立天文台)
 5月 3日(木)15:40-16:40: 祝日のため休み
 5月17日(木)15:40-16:40: キャンセル
 5月31日(木)15:40-16:40: Ho-Gyu Lee (KASI)
 6月14日(木)15:40-16:40: Hye-Eun Jang (Seoul National Univ.)
 6月28日(木)15:40-16:40: 竹田洋一(国立天文台)
 7月12日(木)15:40-16:40: 川内 紀代恵 (東工大)
 7月26日(木)15:40-16:40: 宝田 拓也 (東工大)
 8月 9日(木)15:40-16:40: 夏休み
 8月23日(木)15:40-16:40: 夏休み

 9月 6日(木)15:40-16:40: 夏休み
 9月20日(木)15:40-16:40: 天文学会秋季年会のためお休み

10月 4日(木)15:40-16:40: キャンセル
10月18日(木)15:40-16:40: 谷口 大輔 (東京大学)
11月 1日(木)15:40-16:40:
11月15日(木)15:40-16:40:
11月29日(木)15:40-16:40: 野津 湧太 (京都大学)
12月13日(木)15:40-16:40:
12月27日(木)15:40-16:40: 年末休み
 1月10日(木)15:40-16:40:
 1月24日(木)15:40-16:40:
 2月 7日(木)15:40-16:40:
 2月21日(木)15:40-16:40:
 3月 7日(木)15:40-16:40:
 3月21日(木)15:40-16:40:



基本的に隔週で開催しますが、臨時講演、速報性にも対応するために、
ご希望があれば、空いている木曜日にも適宜開催いたします。

これまでどおり、発表者を(レギュラー参加者に限らず)広く募ります。
TV会議でも可能ですので、講演をお願いできる方、もしくは、講演を
お願いしたい方がいらっしゃいましたら、ぜひとも世話人(大宮)に
お知らせください。

通常のセミナーまでの流れ
6週間前まで: 講演候補者決定と講演依頼開始
4週間前まで: 講演者の決定
1週間前まで: 講演のタイトルとアブストラクトの締切
直前まで: 発表スライドの回覧(できれば)
#臨時セミナーをされたい場合は、できれば1週間前までにはご連絡ください。

発表スライドは、記録のため、HDSセミナー参加者のみが閲覧できるような形で、
webページ上に保存させて頂きます。保管して欲しくない、一部の情報を
削除してほしいなど、ご希望がありましたら世話人までおしらせください。

HDSセミナー世話人:
 松野允郁(総研大)tadafumi.matsuno(_AT_)nao.ac.jp
 大宮正士(国立天文台)omiya.masashi(_AT_)nao.ac.jp
 青木和光(国立天文台)aoki.wako(_AT_)nao.ac.jp
 竹田洋一(国立天文台)takeda.yoichi(_AT_)nao.ac.jp


メーリングリスト:hds(_AT_)optik-ml.mtk.nao.ac.jp


過去の発表

4月19日(木) 15:40-
講演者:青木和光(国立天文台)
 
タイトル:TMT第二期装置への高分散分光器の提案
アブストラクト:TMTの第二期装置の"white paper"の募集があり、可視高分散分光(HROS)についても提出されました。インドの研究者が中心となってとりまとめられたものですが、日本の研究者も重要な貢献をしています。どのようなものが提出されたのか、簡単に紹介します。



 5月31日(木) 15:40-
 講演者:Ho-Gyu Lee(KASI)

Title :
High-resolution spectroscopy for K-GMT science program

Abstract :
K-GMT (Korean Giant Magellan Telescope) science program is scientific
contribution of KASI (Korea Astronomical and Space Science Institute)
to Korean astronomical community by providing observational resources
to prepare science cases for GMT era. Current capabilities are MMT and
Gemini telescopes in addition to the near-infrared high-resolution
spectrograph IGRINS, which visits 2.7m HJST, 4m DCT and Gemini.
According to the construction plan of GMT, two optical instruments,
G-CLEF (CfA Large Earth Finder) and GMACS (GMT visible multi-object
spectrograph) start to operate as first light instruments. Two
additional instruments are GMTIFS (GMT integral field spectrograph)
and GMTNIRS (GMT Near-IR spectrometer). Therefore GMT will provide
unique opportunities to study high-resolution spectroscopy study from
optical to infrared. Here, I briefly talk about example scientific
cases using optical high-resolution spectroscopy in Korea.



 6月14日(木) 15:40-
 講演者:Hye-Eun Jang(Seoul National Univ.)

          Title : Search for Pair-instability Supernova Nucleosynthesis in α-enhanced sub-solar metallicity stars

Abstract : The pair-instability supernova (PISN) is a thermonuclear
explosion of a very massive star with mass about 140-250 Msun. PISNe
from Pop III massive stars are supposed to occur in the early
universe, but no nucleosynthesis signature of Pop III PISNe has been
found in previous observations of extremely metal poor stars ([Fe/H] <
~ -4). This is probably because of the rarity of extremely metal-poor
stars. If we move the metallicity range to about [Fe/H] ~ -2, there
would be more chance of finding PISN-influenced metal-poor stars.
Stellar evolution models predict that PISNe from Pop II stars of about
[Fe/H] = -2 ~ -1 would generally lead to very high alpha-to-iron
ratios compared to the case of Pop III PISNe.  We conducted a
high-resolution spectroscopy observation of 7 alpha-enhanced SDSS
stars using the GEMINI GRACES, in order to analyze their abundances in
more detail, which would allow us to investigate whether our targets
are indeed influenced by PISNe.



6月28日(木) 15:40-
講演者:竹田洋一(国立天文台)


タイトル: G型巨星連星系カペラの分光解析:組成決定への恒星活動の影響

アブストラクト: ぎょしゃ座の一等星として親しまれているカペラは二つのG型巨星
(G8IIIとG0III)が
周期104日で周り合っている分光連星系である。進化のより進んだ前者を一応主星と
呼んでいるが, 質量の差は僅かであり(それぞれ2.59Msunと2.48Msun)光度もほぼ同等である。
主星は通常のred clumpの巨星(低速自転, Li欠乏)であるのに対して, 伴星の方は
射影自転速度がvsini~35km/sと晩期型星としては大きく彩層活動も活発で,
リチウム組成がA(Li)~3で通常の巨星より約百倍も多いリチウム過剰巨星の特徴を示す。
これまでこの連星系の軌道や恒星物理量の研究は数多くあるものの, リチウム以外の
表面元素組成の天体物理学的研究はいたって乏しく、特に多くの元素について主星と伴星の
組成を求めて比較したのは最近発表されたTorres et al. (2015)だけである(彼らの結論は
両星とも元素によらずほぼ太陽組成で一致)。
 最近Takeda and Tajitsu (2017)は一群のリチウム過剰巨星の高励起線から求めた軽元素
組成は[C/Fe]比や[O/Fe]比などが通常の巨星と比べて異常な高い値を示すケースが多いこと
を報告し, これらの星は比較的自転が速くCaIIK線も高い活動度を示す傾向があることから
「高い恒星活動の影響で通常の大気モデルに基づく伝統的な手法が通用せず正しい組成が
得られていないのではないか」と推察した。この仮説を検証するには初期組成が共通と
仮定してよいカペラ系は最適である。つまり低活動Li欠乏の主星と高活動Li過剰の伴星の
組成を比較して違いの有無をチェックすればよい。
 この目的のため主にぐんま天文台1.5m鏡のGAOES分光器で色んなフェイズで得られたカペラの
スペクトルを元に両星のスペクトルをspectrum disentangling法で分離して化学組成解析を
行ったところ以下の結果が得られた。
(1)鉄族などZ>~20の比較的重い元素は太陽と比べて主星は少し過剰であり伴星は逆に欠乏
しており、結果的に伴星は主星に比べて明らかに(平均的に~0.3-0.4dex程度)金属欠乏である,
これらの元素の組成は主に中性原子線から組成が決められており(これらは電離ポテンシャルが
比較的低く大部分が一階電離の状態にあるので)、伴星では彩層活動によるUV輻射の増加に
よる過剰電離の影響で組成を過小評価したものと解釈される。
(2)一方CやOなどの軽元素(電離ポテンシャルが高く大部分が中性状態にある)では
このような傾向は見られない(むしろ逆に伴星の方が主星より過剰になるケースも見られる)。
(3)したがって(ふつうの巨星である主星については問題ないものの)自転が速く恒星活動が
顕著な伴星については古典的な大気モデルを用いた伝統的手法では正しい化学組成が得られて
いないことが結論される。
(4)この結果から活動的なLi過剰巨星に見られた[C/Fe]や[O/Fe]の異常も正しい組成が得られて
いない見かけのものであると推察できる。この意味で、現在の分光学的手法による恒星の化学
組成決定は数々の問題を抱えているので安易に信頼せず適用範囲を見極めることが重要である。



7月12日(木) 15:40-
講演者: 川内紀代恵(東工大)

タイトル:ホットジュピター大気中におけるアルカリ金属吸収線の透過光高分散分光観測

アブストラクト:
数多く発見されている系外惑星の大気組成や温度構造を知るための方法の一つとして、透過光分光法がある。
特に高分散透過光分光法は、2002年にホットジュピター大気中から初めてNaを観測した方法であり注目を集めていたが、当時まだあまりホットジュピターが発見されておらず、検出可能なS/Nに到達できる天体は2天体しかなかった
(e.g. Charbonneau et al. 2002)。

その後、ケプラー等宇宙望遠鏡により数多くの惑星が発見されるとともに、宇宙における低分散分光観測や、多波長測光観測によりホットジュピター大気に多様性があることがわかってきた。
そこでこれらのホットジュピター大気の多様性をより詳細に調べるために、最近また高分散透過光分光法が注目されている (e.g.
Wyttenbach et al. 2015)。

しかし、まだ高分散透過光分光法では数天体しか観測されておらず、解析法もまだ完全には確立されていない。そこで我々はSubaru/HDSで観測されたデータを解析し、先行研究と比較することで、HDSにおける解析方法の確立を目指す。

今回はその解析方法等を発表したいと思います。



 7月26日(木)15:40-
講演者: 宝田 拓也 (東工大)

タイトル:プレアデス星団における視線速度法によるホットジュピターサーベ

アブストラクト:
 これまでに数百個発見されている短周期巨大ガス惑星(ホットジュピター;
HJ)は系の質量の大半を担うことから、惑星系の形成において最も大きな構造の変化を与えると考えられている。コア集積モデルによると巨大ガス惑星は中心星から離れた位置にあるスノーライン以遠で形成されると考えられているため、HJの発見は巨大ガス惑星を内側へと移動させる機構の存在を示唆している。巨大ガス惑星の移動機構としてType-II
移動と重力散乱+潮汐相互作用が提案されている。これらの機構の決定的な違いの一つはタイムスケールである。前者は1000万年程度で内側移動が完了する一方、後者は数億年要する。従って、年齢が数億年よりも若い恒星周りでHJの有無を確認することで、HJの形成メカニズムに制約を与えられるはずである。
 本研究では年齢の若いプレアデス星団内での視線速度法による惑星探索を行うことで、HJ形成メカニズムに制約を与えることを目指す。我々は、2017年11,12月に岡山天体物理観測所188cm望遠鏡およびHIDESを用いてプレアデス星団内の恒星に対して観測を行った。今回のセミナーでは主に観測の結果を紹介する。
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