817号室

ハイナの部屋


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タイポップは夏より熱い

2010/04/28 22:15 に Daichi Toma が投稿






いつでもこんばんは。ハイナです。



私は2006年から2007年までタイで大学生をしていたのですが
留学生という身分なので、割とヒマしてました。

そんで、CDばっかり買っていたのですが
当時はポップミュージックを毛嫌いしていて
自己流通版とか、タイに流れてきた洋楽コンピとかばっかり探してました。
あ、Futonは買ってた。

そんで、インディーズのなかでも当時は
渋谷系が流行っていたので、今はなきSmall roomsのイベント行ったり
関係者っぽいひとにお近づきになれそうなレストロン(タイなまり)に通ったり

と、ミーハー特有の思考回路でもって
タイポップはクソ! タイで面白いのはFatRadioとか
Small roomとかのアーリー周辺に間違いない!
とかcawaiiなタイ女子大生相手に絡んでました
はい、モテませんでした。



それから数年、タ〜イムゴ〜ズバア〜イ、月日が流れた今
TLで拾ったYoutubeのタイ関連の動画をみて
はっきりと気がつかされてしまったのです。




タイポップ、むちゃくちゃ熱い!





では、貼付けていきます。



YouTube 動画


タイの’ひっぷほっぷスター’、ジョーイボーイが主演している
仏教コメディー映画の主題曲です。
映画の人気度とか、曲が売れているかどうかは全くわかりませんが

「あ〜ったま、わる〜いぜ〜」と聞こえるサビにもうクラクラ。

HIPHOP文化へのリスペクトよりも
自国文化へのリスペクトが勝っちゃった好例ですね。



はい、次。


YouTube 動画

詳細は良く知りませんが、この曲はタイの東北地方にあたる
イサーンの演歌【モーラム】のスタンダードな進行で作られています。

しかし、

1、ミキシング段階で、やけにソリッドな音に仕上がり
2、PV撮影のロケがwarehouseな場所になってしまって
3、あげく、バンドがひな壇に配置されるという
   劇薬演歌PVが出来上がって・・・
4、youtubeに放出!!

この流れを考えると、ヤバすぎ!



「キーボードにそのままストラップつけた人を2人投入ってすげー!!」
「ドラムのセットがシンプルすぎる!」
「フリ付け指導者のせいなのか知らんが
ボーカルがメンバーの中で一番、違和感があるノリ・・・
というか、すげーダサクてキュート!!」

など、いろいろと脳内Tweetしてしまいました。



はい、最後です。

YouTube 動画


東南アジアにおいての「日本文化へのあこがれ」は
このように生産→消費されています。
とってもCawaiiですね。

Neko Jump は日本のアニメOP曲でも使われているので
日本でも盛り上がるかと思いましたが、
Golf&Mikeの知名度にはまったく及ばず。。

ちょうおもしろいのに。

「Neko Jump」南風原ジャスコとかで見たいな〜。





こんなに素敵なパーティーミュージックが
クラブ、東北、TVで楽しまれている(たぶん)ような
素敵なトコロがタイ王国かと思います。

一方で、武力衝突が続いていることを心配しておりますが
タイの観光キャンペーンがうまいこと言ってます。


Amazing Thailand



さっさと、タイー沖縄 の交流が盛んになることを
夢見つつ。。。。

ショッピングカートの車輪の中に吸い込まれ・・

2010/01/30 4:11 に Daichi Toma が投稿


いつでもこんばんは、ハイナです。


大きいサンエー(沖縄県で一番流行っているスーパーチェーン)とかジャスコとかにいくと
週末はたいがいライブの催しがあります。


季節によっては沖縄のカルト民謡とか、イケてないポップス等が
吹き抜けのホールに響き渡ったりしている中でお客さんもまばらになりがち・・


お尻の冷えてしまう客席のベンチには
お家に帰りたくない老人や、行き先に行き詰まったアベックなど
ブルースな人々が腰掛けています。
私もまた、行く当てもなくぼけ〜っと鑑賞したりします。


それはそれで、楽しいのですが
たまには面白いライブにぶちあたりたいものです。


と、ここで、Youtebeでやばい感じのショッピングモールギグを発見!!!
彼の国アメリカはニューヨークにあるサンエー的施設では
こんな↓かんじで、キャンディーなユニットがライブするみたいです。

YouTube 動画


やべー! 日本が誇るアフロミュージックの大御所(髪型だけね)
ヨ・ウ・ス・イ・イ・ノ・ウ・エ  の 歌じゃないか!


振り付けの感じやFace bookでプロフを作成しているあたりが
セルフプロデュース感バリバリな娘達ですが
この歌詞の内容をどこまで高めるつもりなんでしょうか?


「夢の中へ」
まさに、ショッピングモールに流れるべきアンセムなのだと
気づかされました

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
探し物は何ですか?

 見つけにくいものですか?

まだまだ探す気ですか?

 それより、あたしたち(Promise)と踊りませんか?

夢の中へ、夢の中へ行ってみたいと思いませんか?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


いや〜、消費者金融みたいなユニット名でありながら
ショッピングモールで「夢の中へ」だなんて
むちゃくちゃコンセプチュアルですね!!


どんな時代だってどの場所にだって「響くべき音楽」というものがあると
改めて認識させていただきました。


自宅からの発信ではなく、フィジカルなライブ会場で行っている分
ベッキー・クルーエルを越えたと思います。


というわけで、来日ライブを楽しみにします。
南風原のジャスコで見たいです。

地下で煌めく、N'夙川BOYS

2009/11/24 3:42 に Daichi Toma が投稿   [ 2009/11/24 4:14 に更新しました ]

まーや:自分らの表現したいことを好きな感じを
勇気をだしてやるんだってことかな。あとはサンキューっということ





いつでもこんばんは、ハイナです。

今年が終わりに近づいてきたので
今年なにしたっけな、つか、何買ったかな〜と
拾ってきた本棚を見ているとヤケに目立つCD達。


そう、今年はこのかた初めてくらい新譜CDを買いました。
時代と逆行している消費行動ですが

実際に今年の新譜は良かったよ。




特に良かったものの一つは、N'夙川Boysの「N’夙川ボーイズです。

2008年の夏にグルーヴで初めて見て、(物理的な意味で)ぶっとびまして
新年夙川の儀で(脳内世界が)吹っ飛んでいきました。

ライブで体験したその音楽は
ロックンロールという名称がつけられた「それ」で


三人から発せられる、リズムがメロディーがハーモニーが、
今・この・瞬間に、まさに・この・目の前で交差して
キラキラとデタラメな光を放ちながら美しく散るイメージ。


そして、ライブ終わって気がつくと、ちゃんといつものココにいて
マーヤは文学者みたいな感じになっていて、シンノスケは歯を磨いていて
リンダはお客さんだった人たちとおしゃべりをしています



「関西のゼロ世代」って、Zuinoshin解散以降は全く興味なかったんですけど
N'夙川Boysを生み出す土壌になっていたんだとしたら、再考です。


それで、ライブの余韻もスパイスとしては聞きつつも
CD自体の魅力もなかなかどうして。。。

DMBQの益子だか、巨人ゆえにデカイの和田シンジかプロデュースで
歌詞の聞きやすいMIXに仕上がっていました。




このCDを聞き込んだ人が、ライブをみたらスゴいことになるだろーなー
それはそれでうらやましーなー。



コレからもちょくちょく、今年の新譜で
良かったやつの感想をメモ代わりに垂れます。


景気付けにN'夙川BOYSの紹介でした。
まーじで大好きです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!





というわけで、来年も
新年夙川の儀」やります!!

詳細は近日発表です!

仙台貨物が倒産!

2009/11/19 5:17 に Daichi Toma が投稿   [ 2009/11/19 5:53 に更新しました ]

いつでもこんばんは、ハイナです。


中学生のときは、ビジュアル系バンドが大勃興していて
私はSPEEDを聞く以外に、音楽について熱っぽく語れる相手は
SHOXXとかDollとかを、スクラップブックでまとめているような
ビジュ系女子ばかりでした。
不美人だけではなかったでした。




んで、彼女らの影響でビジュアル系をざあっと聞いていた時期もあったのですが
X解散前のHIDEとMALICE MIZER以外のバンドは聞かなくなっていたのです。


ビジュアル系が兼ね備えていた、滑稽なまでのファンタジーとか
猟奇的な自己愛とかって、ダンスミュージックシーンでの
GOTHが全部かっさらっていった風に見えたので
私は暗黒舞踏や、ノイズ、サイコビリーで
音楽舞台における「ダークサイド」を楽しんでいたんです。



ビジュアル系に対する愛情や羨望や失望が渦巻いたまま、

ターイムゴーズ、バアーイ

年月は重なってゆき・・・・






しかーーーーーーし
先月、FOOL'S MATEをチェックしていたら
やっと出会えたんです「仙台貨物」



YouTube 動画




YES コミックバンド!!






ビジュアル系なりの「ヤンキー魂」を感じさせる佇まい

氣志團の文脈に次の一手が!!



わざとらしいくらいに、宮城訛りを使うってことは・・
郊外文化の空疎化に対して、仙台バンドからの回答は

さらば、東京弁!!
ついでに、Fuxx Jusco!!!
ってことですね。


そして、「おら東京さいくだ!」をカバーしていたり・・

これは、まあ マーケティングな香りがしすぎてね〜





ま、そんなこんなでナイトメアの覆面バンドである「仙台貨物」なんですが
ナイトメアのファンをぶっちぎるようなクオリティー
彼ら(てか、多分フロントマンがエンジンでしょ!?)のKOKOROIKIを感じます。


つーか、このふれ幅は本っ当に素晴らしい!


ナイトメア公式サイト:http://www.nightmare-web.com/pc/
仙台貨物公式サイト:http://www.sendaikamotsu.net/





やっぱり、バンドってすごくカオスで、エキサイティングで
文化祭にぴったりな形態だと、再実感しました。







そんな仙台貨物ですが
11月5日の武道館ライブをもって倒産してまいました〜







あ〜、次いこー、次。

Ganeko PikaPika Shelter ft.LilyPad

2009/11/17 1:31 に Daichi Toma が投稿   [ 2012/08/22 5:56 に更新しました ]

いつでもこんばんは、ハイナーです。



21世紀におけるキラキラD.I.Yな生活を感じるブログ
「東京F.A.T」を紹介するところから始めます。


http://tokyo.fffff.at/


Free art And Technology というプロジェクトかなんかの
日本語Ver.のブログです。

アーバンなオープンソーステクノロジーを
洒落っ気たっぷりに紹介しているブログで、ゆっくり更新されています。


ソケットから電流を盗む方法

レーザータグのソースコードなどを取り上げていて
経済ビンボーかつ、時間セレブレティーな人たちに
とっても有益な情報がたっぷり詰まっています。

なかでも気になる過去記事がありました。






Lilypad
縫い付けることを前提として作られた、LED発光の為の基盤

キュートな紫色の基盤に、順列規則をUSB接続で組み込んでから
花びらみたいに配置された端子からアウトプットできます。
配線には刺繍用の通電性の糸を使います。


幸いなことに私の周りには、洋裁が得意な特区Gな皆様や、
プログラミングで生きている方々がいらっしゃるので
それぞれのノウハウを聞きながらやってみれば、スッテキなモノが出来そうです。

Lily Padで、洋服をLED発光させちゃえば
パーティー用の服のアクセントにも出来ますし
動くクリスマスイルミネーションも出来るでしょう。


夜の原付ライダーが、Lily Padを縫い込み
発光ジャンパーを方向指示器としても活用できます。


やっぱ、D×I×Yを個人的に活用するには
テクノロジーは欠かせないものですよね


そしてなりより、

「手作りは美しく仕上げなければならない」
という、特区Gなレイヤー達のアティチュードから
私が学んだ教訓
を実践する良いツールだと思います。



一人で使うには、通電糸があまりそうだし
組み込み用の接続端子は1個で難関でも使えるため
Lily Padを数個分まとめ買いしようと思ってます。

欲しい人は一緒に発注しましょう。


さあ、オレと一緒に輝かないか?



参照記事:東京F.A.T

あいまいなコトバでわらえ

2009/11/12 7:07 に Daichi Toma が投稿   [ 2009/11/12 7:24 に更新しました ]

わりと有名かもしれませんが、あまりにできが素晴らしいので
載せておきます


クロサワさんもサッカーネタがあったので便乗


YouTube Video



サッカーの映像にリンクするとこが面白いですが
なにより、実況席の様子がかいま見える感じがさらにステキ。


これ、Youtebeのコメント欄で指摘もありましたが
音だけ聞いても大して面白くないんですけど
字幕がつくと、めちゃくちゃ面白くなります。



耳で聞こえるコトバだけよりも、目で見えるコトバがあいまってこそ
はっきりとした認識が出来るんだと発見したんですが

よくわかんない音声も、文字で縛ることによって
そのように聞こえるってことに驚き、笑いました。


お笑い番組のやりすぎなテロップには辟易としていましたが
この動画くらいに音声と文字情報にギャップがあるといいんだな〜


んで、ちょっと前の話になりますが
汎アジア映画祭(準備会)で、見た映画の一つで
石垣から台湾にかけて、いろんな人にインタビューをして
日本語で応えてもらうやつがあって。


その話者が話す「耳で覚えた日本語」が、台湾に近づくごとに
だんだん聞き取りづらくなってゆくので
その、「日本語」のグラデーションが
やけに印象に残っていたのですが


それ以来、聞きとりづらい言語を聞くってことに関心が高まっていて
この動画を見て、なるほど 文字情報のチカラを実感しました。


いや〜、しかし笑えるわ。

アメリカのアニオタ meets ベリーダンス

2009/11/10 23:59 に Daichi Toma が投稿   [ 2009/11/11 0:37 に更新しました ]

YOUTUBEで見たんですが、アメリカの中でも

「コスプレダンパ」をこんなクオリティーで仕上げてしまうことがあるんか〜っと



結構、つまらない動画なのですが

下にまとめた、ダイジェストの前後箇所だけでも見てください。


YouTube Video


0:02    ミス ’ローズ’ リーの口調・・・ちょっとむかつく

0:25    「オタクベリーダンスって、一体何だ」と思ってるんでしょう!? の照明もむかつく

2:54 ベリーダンス崩壊

3:41 布をぐるぐるしてウマウマするなんて・・・






全体的に荒っぽい仕上がりがなんともはやですが

考えてみればオタク文化ベリーダンス

アメリカにとっては最近の輸入物だから、まだ消化しきれていないのかもですね。





ベリーダンスも、コスプレダンパも見たG-shelterスタッフとしては

両方いっぺんに見るのは、MOTTAINAIと思うこのごろDEATH!!

かりゆしの夜

2009/11/10 1:07 に Daichi Toma が投稿   [ 2009/11/10 2:34 に更新しました ]

先月に、G-shelterスタッフのエツミさんが「ダンスライブin恩納村のホテル」なイベントに
出演するとのことを聞いたので、G-shelterスタッフ全員でノリノリで乗り込みました
エツミさんはロビーでフラダンスしてました。


特に上がりまくったことはないのですが
西海岸の上等ホテルを見回すことはなかなか珍しく

エントランスの内装のセンスとか、観光客の寝床が集積するための「オキナワ」具合とか
変なデザインのサンバイザーの便利さ加減とかが、なんだか楽しかったです。

Keep on WARUNORI!! で、エントランスを出ると
面白いものが色々と放置されていたので
クロサワ×ジョージ×ハイナで、写真を撮ってもらいました。

まゆみさんがナイスフォトかまして
見せ物の首里城の前や、動かないゴルフカートでハイチーズ。












切り上げるタイミングが絶妙だったので、楽しい一日でした。



Snece Vol3 原稿

2009/11/09 22:50 に Daichi Toma が投稿   [ 2009/11/10 2:37 に更新しました ]

2008年11月1日にG-shelterでやった「Scene Vol3」の原稿が手元にあったので
アップしておきます。

こんときは、1500円でドリンクが3杯ついてました。

話の中で登場する「溶剤ソーダ」をコスプレなお客様に振る舞ったのと
シーンの大ラスが非常に楽しかったのを覚えています。


この原稿を見る限り、私一人でずっとしゃべっているっぽいですけど
実際、そーゆーイベントでした。
でも以外と、二宮さんのサックスフレーズとか、
赤色パンクラチオンのコード進行を覚えてたりするの。

では、以下が原稿です。(テキスト公開は初!



〜中央公園のラジオ男〜


6月23日公園から、リキシャに乗って30分ほど
坂を上りきった所にびっしりと旋回木が生えているあたりが
蚕街(かいこまち)と呼ばれているエリアで
雨水が溜まらないこの場所は、布をためこんでいる。

寒い日が続くと、あちこちから厚手の布を求める人で溢れかえるが
冬の厳しさがほどけてくると閑散とし
布を扱っている連中は夜まで眠って
洗浄用の溶剤を水に溶かし込んでちびちびやりながら
朝が来ると眠り、また冬を待っている。

この蚕街の東の外れに
夏でも冬でもこの溶剤ソーダを飲み続けたせいで
頭の回路がショートしてしまった男がいた。
日中は、暗い倉庫で番をしながら眠り、夜になると坂の入り口に腰掛け
溶剤ソーダを飲みながら、聞こえた声や音を、ずっとつぶやいている。
冬は震えながら飲み続け、夏は体中の水分を流し続けながら
溶剤ソーダを補給する。

何人かの布売りが、猫売りの手も借りたいくらいに
忙しくなると、この男に声をかけるのだが
誰かが言った話をそっくりそのまま大声で繰り返すだけ。

チヌ:「おい、ちょっと荷解きを手伝ってくれよ」
ラジオ男:「あんたの名前は?」
チヌ:「ああ?荷解きを手伝ってくれよ、後で飯を分けてやるから」
ラジオ男:「あんたの名前は?」
チヌ:「あたしは、チヌだよ」
ラジオ男:「おい、ちょっと荷解きを手伝ってくれよ」これはチヌの話
ラジオ男:「ああ?荷解きを手伝ってくれよ、後で飯を分けてやるから」これはチヌの話

全く話にならないといって、つけられたあだ名は「ラジオ男」

会話にならないとつま弾きにされ
こどもたちがからかう時か、灰目のばあさんの話かけられる時以外は
旋回木の日陰でじっとみちをみながら、耳に入る音を繰り返しつぶやいていた。

行き交う人々の声や、足音や虫の鳴き声
スチーム仕掛けのコットンプレスが吐き出す蒸気の音。
夜にだけ聞こえてくる、いなくなった人が夜霧を吸い込む音
そして、吐き出すため息。
誰にも聞こえないこの街のリズムとメロディーに
この男だけがチューニングをあわせることが出来たんだ。
溶剤ソーダがたっぷりとある時だけは。

だけど、孤独島から来た移民の親子に道を聞かれたときに
独言葉をそっくりそのままオウム返して
驚かれたことはあったが、意味がわかっている訳ではないことがわかると
孤独出身の親子はのがっくりと肩を落として、また歩き始めていた。

布売りのパロンダという(27)がこの男の特徴に目を付けた。
全くそのまま言い返せるやつなんてなかなかいないし
だいいち、この男はこのエリアでだれおいも大きな声で話せる
吹き込んだ台詞を一日中ただただ繰り返せるんだったら
おれは厚手の二等級を2mくれてやろう。
この冬は大分過ごしやすくなるだろう。

いいか、これから言うことを大声で繰り返せ
物売りの文句を吹き込まれたラジオ男

「旧中国の山部隊が使い続けていた、山吹のコートがありますよ!
本島から2ダース入荷して、残りはたった3着!
旧中国の司令官が、片腕を失っても手放さなかった第一級品!
本島から2ダース入荷して、残りはたった3着!
まだ一度も雨にぬれたことのないシュラフもこの店にしかありません!
おぼろ街の瓦礫から掘り出されたコンテナから1ダース半、残りはたったの2つ!
乾いたシュラフで寝れば、起きたときから夢のように頭が軽くなる!
おぼろ街の瓦礫から掘り出されたコンテナから1ダース半、残りはたったの2つ!」
これはパロンダの話

そして二人は、雨蝉(あめせみ)バザールが行われている中央公園に向かった
山吹のコートを3ダースと
真っ青に染められたビニール巾着式の寝袋を4ダースを積み込んで
大きなゴム製タイヤの六輪車はミシッ、ニシッ、と乾いた地面に轍をひき、走り出した。

日が落ちる、のんびりと追いかける月が赤く低く大きく見える東の空。
快調なスピードで坂道を下ってゆくときに、ラジオ男は眼下に広がるバラック屋根の塊みたいなバザー
を見つめて、口の中で繰り返していた。

「「ガガ」、片腕を失っても手放さなかった「ギギ」シーン
まだ一度も雨に「ドットン」ぬれたことのないシーン」

街の雑踏は繰り返しきれない音で溢れかえっていた。
しかし、ラジオ男はパロンダに言われた通りのことだけ繰り返す。


パート:二宮


バザールの北のはずれ
ビルから掘り起こされたばかりのアルコールと
エタノールの匂いが辺り一帯をおおう
ここはバザールの中でも一番夜が深いところ

テントや、トタンがつらなり、エリア一帯が一つの
植物みたいに一体となっている。

その枝葉にあたるぶぶん、エリアの外れに
斜めに傾いた作りの2階だての小屋「わびさびや」
行灯が三つ煌煌と光っている。

ラジオ男は、そこに音を見つけることが出来た。
鈍く光る金属を抱え、黒いシャツの男。

「そこに行けば、サキスフォンを聞くことが出来る
赤い行灯の「わびさびや」が目印さ」これはドロシーの話。

男は、すこし笑っているようだった。

「そいつに会ったら言ってくれ
こいつに音楽を聴かせたら、あたしの地下室でまたいいものを聞かせてやる」
これはドロシーの話。

とおく、植物の幹のおくからきこえる、嬌声と怒鳴りあう声に混じって、
赤いあんどんの光に濡らされた彼は
声の代わりに息を使って、くすんだ金属を震わせる。

ラジオ男には真似できないその組み合わせは
眠りの中で見る、夜月ように
遠い昔の海から聞こえる波のように
バザールの真夜中を震わせた。


パート:森

蜜ロウ売りの小屋の端にある階段を上がってゆくと
アルミで縁取られたドアが半開きになっていて、同じ音色で
いくつもの音階が重なった弦の音が漏れている。
ゆっくりと扉を開けると、紙カビのにおいがうっすらと漂ってくる
ドアの向こうの屋根裏では、孤独島からきた黒ぶち眼鏡の男が

「よろず売り大きなテントを右手にかわせば
甘い蜜の匂いがするはずだ、一番香りの強い小屋の
脇に階段があれば、そこを上って扉を開きな」これはドロシーの話

男はうっすら笑って聞いている。

「そいつに会ったら言ってくれ
フーコの孫弟子が、この街の調査を終えて本を書いた
読みたいならこいつに音楽を聴かせてくれ
すぐにあたしの地下室に招待してやる」これはドロシーの話

影の中で男は、あご髭をひと撫ですると
半分金属で出来た楽器に、電気を流し込み
その話に応える。

何かを実験するように、おそるおそる楽器をこすっている
何かを壊すように、荒っぽく爪を立てている。
そして、何かを組み立てるように慎重に手を動かしている



パート:赤色パンクラチオン

ドロシー婆さんを訪ねたラジオ男はこのように繰り返す

ブブブブブピーパーパーパピーピブ これは二宮の話
ガリーチュウウウウリュリュー これは森の話

ドロシー「シシシシ、わかったわかった。もっと、音楽が欲しいんだろ」
おまえが言っていることはまるっきり正しい」これは、豆売りの話

ドロシーは、生まれた田舎の村に伝わる古いならわしの話をした
10月の最後の夜に、皆が一番集まりやすい道のどん詰まりに穴を掘る
ひとが隠れるくらいの深い穴。その穴のふちにカボチャを並べてね。
それから、入りきるだけたくさんの人間がその中で一斉に音を出す。
どんな音にになったってかまわない、息の続く限り長く
穴からまっすぐと土の中に潜るようにね
そして、あなから月が見えなくなった頃になって、這い出てみるのさ
すると、穴の周りでは話によく聞く化け物達が
土にまみれた体のままうれしそうに踊っているだろう。
あっちのほうから、この夜だけの饗宴のために
明日がもうやってこないこともすっかり忘れて
村の人たちとジャブジャブになって踊る。

どうだい、ラジオのぼうや。
聞いてみたいとは思わないかい?
そのろくでもない飲み物がなくたって
あっちの連中の出す音がそのまま聞こえるようにだってなるかもしれない。

湧き水丘の中腹、灰目のドロシーが住む地下室に
ラジオ男の話を聞いた連中が楽器を携え音楽が集まる
バイパス通りのどん詰まり、灰目のドロシーが住む地下室に
ラジオ男の話を聞いた連中が幽霊みたいな服を着て集まる。

「ようこそ、みなさんお集まりくださいました。
誠に僭越ながら、私ラジオ男がこの夜のためにお伝えします。」これはドロシーの話
「これからたくさんの音楽が集まりますので、妖気によって楽しみましょう
ぐらぐらになって、いなくなったはずの幽霊がみえるようになるまで踊りましょう」これはドロシーの話。
「布にくるまれて眠りたいのなら、旧中国軍御用達の一級品をご用意しております」これはパロンダの話。

「一つ音が鳴るたびに、あなた達はその波に耳を預けてください。」これはドロシーの話。

〜赤色パンクラチオン登場〜

これは、ドラムの話
これは、キーボードの話
これは、ベースギターの話
これは、ストラトギターの話×2
これは、サキスフォンの話

これからは、シーン楽団の話。



そして、土の中にまっすぐと突き刺さるように
この街に浮かぶ赤い月が青くなって消えるまで
昔、ドロシーたちに、ハロウィンを呼ばれていた夜は
饗宴とともに鳴り続けた。

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