ジオパークとは

ジオパーク(Geopark)とは、地球科学的に重要かつ珍しい景観を含み、地球科学的理解を目的とする観光であるジオツーリズムに適した環境と体制を持つ地域のことです。

ユネスコの支援により2004年に設立された世界ジオパークネットワーク(GGN)は、GGNもしくは各国の国内ジオパークネットワークに加盟した地域のみが、ジオパークを名乗ることを認めています。

GGNによる国際的な取り組みが始まる以前には、新潟県糸魚川市が、市内で地質学的に重要な露頭や構造などが多数見られることから、1991年からこれらをジオパークと総称していました。市はその後の国際的な取り組みを受けてGGNへの加盟を目指し、2008年に加盟申請を行い、2009年に洞爺湖・有珠山(北海道)、島原半島(長崎県)と共に日本で始めて世界ジオパークに認定されました。



ジオパークに関係する主な組織

世界ジオパークネットワーク(GGN)

世界ジオパークネットワーク(Global Geoparks Network: GGN)とは、地質遺産(geological heritage)の保護と国際的な認定を目的に、地球科学的な重要性、珍しさ、美しさを持つ地域を認定・保護し、環境教育と研究の場としつつ、持続可能な経済開発の場とすることを目指して1999年に発足した国際ネットワークです。現在はユネスコの生態地球科学部門の下で管理・支援を受けています。GGNに加盟を認められた地域が世界ジオパークとなります。2004年に9カ国、20地域が初めて世界ジオパークとして加盟し、以後2年ごとの審査・認可によって、2009年現在、世界ジオパークは19カ国、63地域となりました。

日本ジオパークネットワーク(JGN)

日本においてジオパーク設立を目指す地域の全国的な集まりであった「日本ジオパーク連絡協議会」が、日本ジオパーク委員会(後述)が日本ジオパークを認可したことにより、GGN傘下の日本ジオパークネットワーク(Jpan Geoparks Network: JGN)に移行しました。日本各地のジオパークをGGNのガイドラインに沿った質の高いものとするため、調査研究および情報収集を行うとともに、ジオパークに関する情報発信及び周知を図ることを目的として活動しています。ジオパークでない地域は「準会員」あるいは「オブザーバー」として参加し、各種の申請手続きについて支援を受けることができます。日本ジオパーク委員会の審査でJGNへの加盟を認められた地域が「会員」となり、日本ジオパークとなります。

日本ジオパーク委員会(JGC)

独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)を事務局として2008年5月に発足しました。JGNの準会員あるいはオブザーバーとして参加している地域の、JGNへの加盟候補地の審査・認可と、JGN会員のうち世界水準に達した日本ジオパークについて、GGNに世界ジオパーク候補地を選出・推薦します。


ジオパークの認定と整備・管理

認定までの流れ(日本ジオパークと世界ジオパーク)

  1. 日本国内でジオパーク設立を目指す地域が、市町村や商工会・観光協会・地域の博物館・研究機関などと連携して、活動の主体となる地域協議会などを設立します。
  2. 日本ジオパークネットワーク(JGN)にオブザーバーあるいは準会員として参加し、支援を受け、体制が整ったらJGNへの加盟を申請します。
  3. JGCによる審査を受け、基準を満たしていればJGNへの会員として加盟を認められます。これによって「日本ジオパーク」を名乗ることができます。
  4. JGCが、JGN会員の中から世界水準に達したと評価した日本ジオパークを、GGNに推薦し、推薦された地域はGGNへの加盟を申請します。
  5. GGNによる審査を受け、基準を満たしていればGGNへの加盟を認められます。これによって「世界ジオパーク」を名乗ることができます。

ジオパーク認定基準(GGNガイドライン)

各国の国内ジオパークがGGNに参加するため、GGNによるガイドラインが設けられています。2部から成るガイドラインのうち、第1部「基準」について、その簡単なまとめを紹介します。第2部は応募手続についてです。全てを網羅しているわけではないので、あくまで参考にとどめ、詳細はJGCサイト内の原文の日本語訳をご覧ください。
1. 規模と環境
規模の大小は問われないが、地球活動の遺産を主な見所とし、地球科学的に重要かつ珍しい景観を含む、あるいは美し い露頭が見られる地域が、明確に定められ、それが地域経済と文化の発展に役立てられる必要がある。また単に地学的なサイトだけでなく、地域の地質と繋がり のある自然、歴史、文化に関するサイトも含まれる。

2. 運営および地域とのかかわり
貴重あるいは重要な露頭があ るだけではジオパークにはならず、ジオツーリズムのために管理、保護される必要がある。その運営は、適切かつ十分な運営能力を持つ自治体が行う。運営計画 の作成、実施には住民や自治体が深く関わり、地域を構成する様々な機関や人々から構成される組織が、ジオパークの立ち上げから企画、運営を行う。

3. 経済開発
ジ オパークの戦略目標の一つは、経済活動の活性化と持続可能な開発である。ジオパークの設立は、地域の地質資源を守りながら、新たな収入源(ジオツアー、地 質に関する製品など)を生み、それがさらに新たな経済活動を生み出す。異なる分野の協力による新たな観光産業である「ジオツーリズム」は営利を目的とし、 軌道に乗ることを目指す。

4. 教育
ジオパークの責務は、博物館、観察ルート、ツアー、パンフレットなどによっ て、知識や活動を提供することである。また学校の生徒、先生向けの校外学習や、地域住民向けの講座で、地域の地質遺産の重要性を教えることも重要である。 特に重要なのは地学教育で、ジオパークの保存に役立ち、郷土意識と誇りを高めることもできる重要な教材となる。

5. 保護と保存
国 とジオパークに関わる当局は、地域の伝統と法規制に基づき地質遺産を保護し、運営母体はジオパーク内での岩石・鉱物・化石の販売に直接関わってはならな い。またサイトの管理に最も有効かつ持続的な手段と認められる場合や、学術・教育目的の節度ある地質標本採取を除き、目先だけの地学標本類の売買は、阻止 しなくてはならない。

6. 世界的ネットワーク
一地域内での構想にはない利点として、ネットワークは、知識、経 験、技術、人を交流させ、地質遺産の保護と持続可能な開発のモデルを作り、基準を定める。それに基づくエコツアーや経済的・文化的活動の推進により、地域 住民は、地域の環境を維持しながら経済的な恩恵を受けることができる。


地球科学の分野

「地球科学」は多くの分野から構成されています。例えば、固体地球科学、鉱床学、鉱業、土木地質学、地形学、氷河地質学、自然地理学、水文学、鉱物学、古生物学、岩石学、堆積学、土壌科学、洞窟学、層位学、構造地質学、火山学などです。

ジオパークでは、これらと直接関わるサイトに加えて、これらに深く関係して発展した文化・社会もジオパークを構成するサイトとすることができます。

認定後

世界ジオパークの認定後は、4年ごとに再審査が行われます。再審査によって基準を満たしていないと判断された地域は、GGNの認定を取り消され、世界ジオパークを名乗ることができなくなります。これまでに実際に認定を取り消された地域もあります(後述)。


ジオパークの一覧

世界ジオパーク

各国の国内ジオパーク

日本で設立を目指している地域

GGNの認定を受けた世界ジオパークは19カ国で63地域あります。そのうち、日本国内の世界ジオパークは3地域です。日本では国内のジオパークに加え、ジオパーク設立を目指す地域もいくつかあり、今後も世界ジオパークが増えると予想されます。一方で、GGNによる再審査によって認定が取り消された世界ジオパークも存在します。

世界ジオパークの認定が取り消された地域


茨城県におけるジオパーク認定へ向けた取り組み

2008年10月14日
茨城大学と県北地域の9市町村(大子、高萩、常陸大宮、常陸太田、北茨城、日立、大洗、東海、ひたちなか)がジオパーク認定を目指して連携することが決まりました。

2009年2月24日
県北ジオパーク推進協議会が発足しました。会長は池田幸雄茨城大学長、副会長は豊田稔北茨城市長と草間吉夫高萩市長です。同協議会には、大子、高萩、常陸大宮、常陸太田、北茨城、東海、ひたちなかの7市町村とグリーンふるさと振興機構が参加し、茨城県、水戸市、日立市はオブザーバーとなりました。那珂市は当面不参加となりました。
 
2010年4月24日
第1回茨城県北ジオパーク運営委員会が茨城大学で開催されました。

今後は、2010年夏までに日本ジオパークへの認定を目指します。

2011年9月
日本ジオパークネットワーク(JGN)への加盟が決定!


プロジェクトはJGNに加盟した茨城県北ジオパークをいっそう応援していきます。