「フラット35」住宅ローン金利 優遇申請、今月末まで 期限前倒し国交省方針
日本経済新聞 2011年8月2日 1面掲載
記事の詳細は、下段に掲載しております。

  
〇下図は、緑色の折れ線がフラット35の金利を、青色の折れ線が機構債の表面利率の推移です。両者は表裏一体の関係ですから、ほぼ同一の軌跡を描いているのは当然なことではあります。ただし、動く方向性においてであり、その動き方(幅)は多少差が生じるのはやむを得ないところです。従って、差が生じたと見られると、遅行的にその修正と思しき上下動なり、幅の修正が行われると見ております。どのタイミングでフラット35の実行を受けるかは、まさにタイミングの問題であって、それを恣意的に合わせようとしてもなかなか困難なことです。
 
〇2011年9月の【フラット35】の適用金利は、長期国債の利回り低下→MBSのクーポン低下(5ヵ月連続となります)によって引き下げとなりました。。今月の引き下げだけを見ると、クーポン▲0.13%下げに対してフラット35適用利率▲0.09%の下げです。

〇下表は、長期金利の変動幅とMBSのクーポンとフラット35適用金利の変動幅を比較しています。
今回の下げ過程を見ると、長期金利の下げ幅▲0.225%(5月~9月)、MBS表面利率▲0.41%、フラット35利率▲0.37%といった状況です。
  
 (2011年9月5日更新)
 
 
 
 
 
住宅ローンの金利は、変動金利型、固定期間選択型、全期間固定金利型 の3パターンあります。
金利は、借入期間の長さで水準の高さが分かれます。期間が短いものは金利が低く、長いものは金利が高いというのが一般的です。
今、わが国はデフレ経済下の低金利状態継続中といったところです。そのため住宅ローン金利も低下の一途を辿って来ました。
このトレンドに終止符が打たれたのが2010年10月のことです。しかし、11月には僅かではありますが引き下げとなりました。そして、12月は引き上げとなり10月の水準に肩を並べ、以後2011年に入って上げ歩調を取っていました。これも5月には下げに転じ、迎えた7月も3カ月連続しての【フラット35】金利の下げとなりました。
 
 
銀行の住宅ローンが落ち込んでいる。国内銀行の4~6月の新規貸出額は、前年同期比で約20%減少。減少率は14年ぶりの大きさだったと先ごろ報道されていました。
同時に、【フラット35】は4~6月の申し込み件数が前年同期比2.7倍の約3万7千件と3四半期連続で最高を更新、全体を下支えしたとも。まさに【フラット35】の一人勝ちの状況にあります。これはある意味では当然ともいえると思います。
1%台の金利水準の資金が10年、2%台の資金が次の10年(乃至25年間)使えるのです。これは夢のような金利水準の資金といえます(デフレを考えると受け止め方は別でしょうが)。
新聞報道などによると、このトレンドは、足元でも継続中と見てよさそうです。その一つにこんなことがありました。
先日、住宅金融支援機構で行われた住宅ローンのセミナーに明らかに一次取得者と見られる若い夫婦連れが何組も聞きに来ていました。もちろんお一人出席者の数も多く、時々顔を出していますが、その参加者の多さは、おそらく最近の記録になったほどではなかったかと思ったくらいです。

 2011年9月実行のフラット35適用金利

 
2011年9月のフラット35の適用金利は、以下の通りです。
 
 【フラット35】
返済期間が21年以上35年以下の場合の適用金利幅は、最低2.260%~最高3.270%(取扱金融機関が提供する金利で最多ゾーンは2.260%)。8月比-0.090%~ー0.000%でした。
 
【フラット20】
返済期間が20年以下の場合の適用金利幅は、最低1.950%~最高3.200%(取扱金融機関が提供する金利の最多ゾーンは1.950%)。5月比-0.100~ー0.070%でした。
 
【フラット50】
返済期間が36年以上50年以下の場合の適用金利幅は、最低2.960%~最高3.710%(取扱金融機関が提供する金利の最多は3.210%)。
   
 
 
 
フラット35Sの金利優遇 年10万戸押し上げ 三菱総研試算
 
日本経済新聞2011年8月26日14版7面にこのような見出しで、以下の記事が掲載されていました。そのまま引用します(茶色フォント)。
 
住宅金融支援機構が取り扱う長期固定金利型の住宅ローン「フラット35S」の1%の金利優遇策が、新設住宅着工戸数を最大で年13万戸押し上げたという試算を三菱総合研究所がまとめた。2010年の住宅着工戸数は焼く81万戸と前年比で2年ぶりに増えており、金利優遇策が住宅投資を押し上げた格好だ。
 フラット35Sは省エネや耐震といった条件を満たした住宅向けの最長35年のローン。政府は10年2月から、当初10年間の金利を通常より1%引き下げた。利用者は年1%台前半と、民間の3%前後に比べて割安な金利で借りられる。
 三菱総研は、政府の金利優遇によって、10年の住宅着工戸数を10万~13万戸押し上げたと試算。期間中に住宅を新築する人が増え、住宅投資を下支えしたと分析した。

 「フラット35」住宅ローン金利 優遇申請、来月末まで 期限前倒し国交省方針
 
日本経済新聞2011年8月2日12版1面にこのような見出しで、以下の記事が掲載されていました。そのまま引用します(茶色フォント)。
 
 国土交通省は、住宅金融支援機構が扱っている長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」の1%の金利優遇措置の申請期限を当初予定の2011年12月末から9月末に前倒しする方針だ。利用が予想以上に多く、予算枠の上限に近づいているため。住宅着工を支えてきた優遇措置の縮小は、今後の住宅投資の動きに影響を与えそうだ。
 フラット35は最長35年の住宅ローンで、機構が民間金融機関から住宅ローン債権を買い取り、証券化して機関投資家に売却する仕組み。政府は昨年2月から省エネなどの条件を満たした「フラット35S」で、当初10年間の金利を通常より1%下げている。利用者は年1%台前半と民間の3%前後より割安な金利で借りられる。
 フラット35の融資実績は、03年度から今年6月までに8兆円超。金利優遇を導入した昨年2月から利用が急増し、今年6月までに約23万件、4兆円近く融資した。機構は7月以降の融資実績を公表していないが、国交省などは東日本大震災後もフラット35の申し込みが多いため、期限を前倒しする必要があると判断したと見られる

住宅ローン金利優遇継続 フラット35下げ幅1%は圧縮 国交省検討
 
日本経済新聞2011年7月10日14版1面トップにこのような見出しで以下の記事が掲載されていました。そのまま引用します(茶色フォント)。
 
 国土交通省は、独立行政法人の住宅金融支援機構が手掛ける長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の金利優遇措置を来年度も継続する方針だ。現在!%としている金利の優遇幅は縮小し、利用者の必要額に対して実際に借り入れられる比率を圧縮する。先行きに不透明感のある住宅投資を下支えする狙いがある。
 
住宅投資 下支え狙う
 
 フラット35は最長35年の中期固定金利の住宅ローンで、機構が民間金融機関から住宅ローン債権を買い取り、証券化して機関投資家に売却して資金を調達する。住宅ローンの新規融資全体のうち、2割程度のシェアを占める。昨年2月から省エネや耐震などの条件を満たした住宅向けの「フラット35S]で政府は当初10年間の金利を通常より1%引き下げだ。利用者は年1%台前半と、民間の3%前後より割安な金利で借りられる。
 継続措置を取らないと今年12月末以降に申請した場合は金利の引き下げ幅が0.3%に縮小され、来年3月末には0.3%の優遇もなくなる。予想以上に利用者が多いために当初の予算枠のほぼ上限に達しつつあり、1%の優遇金利の申請期限を早ければ今年9月末か10月末に前倒しする可能性が大きい。
 一方、5月の住宅着工戸数は約6万3700子と、5月としては過去3番目に低い水準にとどまった。国交省は契機にも広く影響を与える住宅投資を下支えするため、金利優遇措置を継続する。数百億円から1000億円程度の必要経費を第3次補正予算案か来年度予算案に計上する方針だ。
 フラット35については、民間銀行などから「民業圧迫だ」との批判も強い。国交省は継続の際、金利の優遇幅を現在の1%から0.5%前後に引き下げる。最小でも0.3%の優遇幅は残す。住宅取得時の利用者の必要額に対し、実際の貸出額の比率を示す融資率も現在の100%から70~80%程度に下げて、民間銀行の融資も増やす案が出ている。規模を縮小しつつ、金利優遇の延長期間は1年程度とする。
 

住宅機構 「フラット35」2.5倍に 申し込み昨年16万件 金利優遇で膨らむ
 
日経新聞2011年2月11日13版4面にこのような見出しの記事が以下の通り掲載されていました。そのまま引用します(茶色フォント)。
 
  住宅金融支援機構(住宅機構)が民間金融機関と提携して取り扱う長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の利用が急増している。2010年の申込件数は約16万3000件と前年の約2.5倍に拡大。融資実行額も2.6倍の2兆2000億円だった。政府が10年2月から一定の条件を満たせば貸出金利を優遇するようにしたのが背景だ。固定金利型で競争力が急低下した民間銀行は足元の金利が低い変動型で対抗。消費者の住宅取得の際の借り入れ負担が軽くなり、住宅供給を促す循環も指摘されている。

民間銀行は変動型で対抗 住宅供給を下支え
 
 フラット35は03年に投入された。申込件数は商品への認知が高まった05年以降、リーマン・ショックがあった08年を除いて年6万件前後で推移。政府が省エネ住宅などを対象に、当初10年間の貸出金利を1%引き下げる優遇策を実施した昨年2月以降急増した。
 適用金利は昨年9月を底に上昇傾向だが、昨年10~12月の申込件数も約5万5000件と前年同期の約2.4倍に達した。申込件数の9割程度を優遇策の対象物件が占めるという。昨年10~12月は融資額も約8500億円と前年同期の約3倍に急増。りそな銀行では10年10~12月のフラット35(期間21年以上)の優遇策を利用すれば、当初10年間は年1%台の金利で借りられるからだ。
 ある大手銀行が扱う類似商品の固定金利(3%程度)を大幅に下回っており、「市場金利からかけ離れており、民業圧迫だ」(大手銀行)等の指摘もある。
 このため、民間銀行の多くは日銀の政策金利の変更に応じて適用金利を見直す変動金利型を住宅ローンの主力に据えている。三菱東京UFJ銀行の場合、住宅ローン実行額の9割強を変動タイプが占める。三井住友銀行も大半の利用者が変動金利を選んでいるという。
 大手銀などでは変動金利型について年2%台を店頭表示しているが、給与振込口座開設など条件を満たせば、フラット35を下回る1%未満の金利が適用されるケースもある。変動金利型は一定期間を過ぎると借入金利が大きく上がるなどリスクを伴うが、給与所得が伸びないなか、当面は低金利が継続すると判断して、目先の利払い負担を減らそうとする個人も多い。
 フラット35の急増などは、個人の住宅投資を下支えしている側面もある。
 国土交通省によると、10年の新設住宅着工戸数は約81万3000戸と2年ぶりに前年実績を上回った。金利優遇があるうちに不動産会社が物件の供給を増やす動きも指摘されている。