Research

概要

ヒトのドラフトゲノムが2001年に公開されてから20年が過ぎ、2020年にはTelomere-to-Telomereでの完全長のヒトゲノムが公開されるに至りました。現在ではモデル生物・有用生物に限らず極めて多様な生物のゲノムが決定されるようになり、Earth BioGenome Projectでは2028年に地球上の全真核生物のゲノムを決定することが目標とされています。真核生物だけでなく微生物ゲノムやメタゲノムの情報を含めると、現在は莫大な生物種のゲノムや遺伝子情報を利用可能な状況にあると言えます。

一方でこれらのゲノム決定はあくまでその文字列の並びが決まったということだけであり、その意味が完全に理解されたということでは決してありません。ゲノムや遺伝子には多くの未解明部分が残されており、それらを解明していくためにはバイオインフォマティクスの力が必要不可欠です。私は、ゲノム生物学・遺伝学のための基礎的なバイオインフォマティクスツールの開発、及びそれを用いたゲノムの機能解明について研究を行っています。これまでの研究や現在取り組んでいる研究は大きく分けて次の4つのトピックとなります。

・ゲノムアノテーションの高精度化・高機能化
・リピート配列の検出と解析
・がんゲノム情報解析・メタゲノム情報解析
・配列モチーフ解析

・RNA二次構造解析
・RNA-RNA相互作用解析
・lncRNAの機能解析
・RNA工学への情報解析技術の応用

比較ゲノム解析による遺伝子機能推定
・ゲノム進化史推定
・融合遺伝子検出による遺伝子機能推定
・シアノバクテリアへの遺伝子機能推定技術の応用

動物行動動画データの解析
・大規模表現型データのためのデータマイニング手法の開発