PROJECT VIEW‎ > ‎

private

個人建築
どんな住まいがよいですか?
 
 最近クライアントからの要望に耐震・免震性能に関するものが多い。近年の新潟県における災害や耐震偽装など建築業界への信頼度の低下を考えたらもっともかもしれない。
 そもそも建築物は人の生命・財産を守るものとして建築基準法の第一条にその目的が謳われている。建築物とは想定される限りの災害から私達を守ることが出来ることが第一義なのだ。建築物を設計し監理する物として、安全な建築物を提供するのは当然である。強度計算の偽装は犯罪であり、設計事務所の通常業務ではあり得ないことなのだ。それなのにTVでは災害という恐怖で素人を煽り、性能の優位性を強調し続けるメーカー。そんなことはプロとして施主に心配をかけさせたくない。災害、犯罪、環境といった山積する問題は専門家に任せてください。
 
それよりもどんな生活をしましょうか?
どんな人生を送りたいですか?
そんな家づくりの方がきっと楽しいに違いない。
 
 地震で潰れない家が欲しいでは悲しすぎる。家を創るというのは個人の一大事業だ。単に箱を作ればよいということではない。家にはそこに住む家族の人生があり、歴史が刻まれる。家は集まれば街になり、私達はその街で生活する。
 
 家を考えるということは自分そして家族の生活を見つめ直すという作業だ。クライアントには一生にそう何回も無いこの時間を十分に楽しんで欲しい。設計者はクライアントの横で静かにそれをサポートしますから。
 
 雑誌寄稿文より