鉱物‎ > ‎ケイ酸塩鉱物‎ > ‎

柘榴石(ガーネット)

宝石として扱われるガーネットですが、化学的には2価および3価の金属のケイ酸塩で、一般式では

M12+3M23+2(SiO4)3

という組成の立方晶系の鉱物です。
このうち、M1 と M2 の金属イオンに応じて、名前が付けられています。
代表的なものを示します。

M1= Fe, M2 = Al; 鉄礬柘榴石(てつばんざくろいし) almandine
M1= Ca, M2 = Al; 灰礬柘榴石(かいばんざくろいし) grossular
M1= Ca, M2 = Fe; 灰鉄柘榴石(かいてつざくろいし) andradite
M1= Mg, M2 = Al; 苦礬柘榴石(くばんざくろいし) pyrope
M1= Mn, M2 = Al; 満礬柘榴石(まんばんざくろいし) spessartine
M1= Ca, M2 = Cr; 灰クロム柘榴石(かいくろむざくろいし) uvarovite

多くの種が天然にあり、人工ものはさらに多いです。



almandine
パキスタンの鉄礬柘榴石です。ペグマタイトの長石の上に乗ったものです。

almandine


grossular
これは岩手県和賀仙人鉱山の灰礬柘榴石で、スカルンのものです。
鉄イオンを含まないものはほぼ無色ですが、こういうのはむしろ稀で、普通は多少なりとも黄色-緑色を帯びています。

grossular
colorless grossular

こちらは群馬県産の灰礬柘榴石。火山岩の隙間に生じています。左下の無色鉱物は剥沸石です。

grossular_2


andradite
岩手県和賀仙人鉱山産の灰鉄柘榴石です。灰礬柘榴石と同じ鉱区のものですが、微妙に場所が違います。

andradite

andradite
andradita_wagasennin
碓氷峠の灰鉄柘榴石です。沸石と一緒に産出し、白い部分は菱沸石です。

andradite

群馬県川場村の灰鉄柘榴石です。上越変成帯のスカルンから産するもので、理想成分に近く、研磨材料として採掘していました。

andradite_kawaba

沖縄の離島にも落ちています。川場のものによく似ています。

Andradite_Tonaki island
andradite_tonaki2

こちらは甲武信鉱山(長野県)のもの。ここではゴロゴロしています。

andradite

マダガスカルの灰鉄ざくろ石です。緑色で、デマントイドと呼ばれます。

demantoid
demantoid


「レインボーガーネット」と呼ばれる、成分の周期構造による虹色の構造色(干渉色)の出現する灰鉄柘榴石です。

rainbaw_garnet
rainbaw_garnet_2


spessartine
これは栃木県の満礬柘榴石。熱による変成を強く受けたマンガン鉱山の鉱石に、小さいながらもきれいなものが埋没しています。

spessartine
こちらはブラジル産。 ペグマタイトの晶洞に産します。

spessartine



uvarovite
ロシア、ウラル山脈産の灰クロム柘榴石はブランドで、きれいな緑色をしています。小さいんですけどね。

uvarovite灰クロム柘榴石(uvarovite), Ca3Cr2(SiO4)3, cubic, Ia3d
Saranovskii Mine, Saranovskaya, Permskaya Oblast', Urals, Russia
FoV : 1.0 cm
Nikon Ultra Micro Nikkor 55mm F2 (reversed, F = 8)/Nikon Multiphot/Nikon D3


uvarovite灰クロム柘榴石(uvarovite), Ca3Cr2(SiO4)3, cubic, Ia3d
Saranovskii Mine, Saranovskaya, Permskaya Oblast', Urals, Russia
FoV : 6.0 cm
LOMO Mikroplanar 40mm F4.5 (F = 5.6)/Nikon Multiphot/Nikon D3



森本柘榴石

Morimotoite
森本柘榴石(Morimotoite), Ca3TiFeSi3O12, cub., Ia3d
岡山県高梁市布賀 布賀鉱山
高さ : 8 cm


カルシウムとチタンと鉄をガーネットのABサイトに置いた、不思議なガーネット。
灰チタン柘榴石(schorlomite)とまったく見分けが付きません。
サイトの原子占有率が違えば、回折パターンは違うわけですから、回折実験すれば違いは見えてくるとは思うんですが、自分ではX線かけてないので、よくわかりません。


こっちが灰チタン柘榴石。ほぼ同産地。


schorlomite


布賀(岡山)の高温スカルンで出てくる、不思議な鉱物です。


桃井柘榴石

愛媛県西条市丹原町鞍瀬鉱山など、数ヶ所の産地で発見記載された、桃井柘榴石です。
柘榴石のAサイトを2価のマンガン、Bサイトを三価のバナジウムで占めた、鮮緑色の柘榴石で、Aサイトがカルシウムである灰バナジン柘榴石とほとんど肉眼で区別が付けられません。
この二者はいずれももともとは、大和鉱山(奄美大島)で吉村先生が発見研究され、灰バナジン柘榴石のほうはタッチの差で外国の記載が先になってしまったということのようです。



鞍瀬鉱山のものは、バナジウムスピネル (Vuorelainenite) の黒い粒に伴うのが桃井柘榴石の可能性が非常に高いようです。
こちらは研磨面。

桃井柘榴石 (Momoiite)


自然破断面

桃井柘榴石 (Momoiite)
桃井柘榴石(momoiite), Mn3V2(SiO4)3, cub., Ia3d
愛媛県西条市丹原町鞍瀬鉱山
撮影幅 : 16 mm
Nikon Macro Nikkor 65mm F4.5/Nikon PB-6/Nikon D3

ガーネットは多くの種を含み、パレンツォナ石もガーネットグループの鉱物です。