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細胞内ビタミンE輸送におけるPIPsの重要性と先天性ビタミンE欠乏症との関係を解明(130419)

2013/04/18 20:41 に 衛生化学 が投稿   [ 2013/06/14 3:53 に更新しました ]
Science 3401106-1110, 2013
Impaired α-TTP-PIPs Interaction Underlies Familial Vitamin E Deficiency.
Kono, N., Ohto, U., Hiramatsu, T., Urabe, M., Uchida, Y., Satow, Y., and Arai, H.

細胞に必須の成分である脂質は水に溶けないため、細胞内の適切な場所へ脂質が運ばれるためには、特定の脂質を包み込み、細胞内を輸送するタンパク質(脂質輸送タンパク質)が重要な役割をしています。しかし、多くの脂質輸送タンパク質がどのように脂質を適切な場所に運び、脂質を受け渡すのか、その詳細なメカニズムは明らかとなっていませんでした。脂溶性抗酸化物質であるビタミンEも細胞内輸送される脂質の1つであり、その輸送タンパク質であるα-TTP(α-tocopherol transfer proteinは家族性ビタミンE欠乏症の原因遺伝子産物として知られています、今回、α-TTPが細胞膜の目印として機能するホスファチジルイノシトールリン酸(PIPs)と相互作用することで、細胞内のビタミンE輸送を効率的におこなっていることを見出し、このα-TTPPIPsの相互作用の不全が家族性ビタミンE欠乏症の原因となることを明らかにしました。さらにα-TTP-PIPs複合体の結晶構造を中心とした解析から、α-TTPが細胞膜上のPIPsを認識・結合し、結合したPIPsによりα-TTPのビタミンE結合ポケットが開くことで細胞膜へビタミンEが放出される、というPIPsを介したα-TTPから細胞膜へのビタミンEの受け渡し機構が明らかとなりました。 本研究で得られた知見をもとに、他の脂質輸送タンパク質の作用機構や脂質輸送タンパク質が関わる病態の分子レベルでの理解が大きく進展することが期待されます。

本研究の内容はライフサイエンス新着論文レビューにも掲載されています。

http://first.lifesciencedb.jp/archives/7095#more-7095

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Perspective in Science: http://www.sciencemag.org/content/340/6136/1051

Research Highlights in Nature Structural & Molecular Biology: http://www.nature.com/nsmb/journal/v20/n6/full/nsmb.2609.html