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アメリカ生活録 

シティーマーケット

Isoko Durbinの著書

わかりやすいと、アメリカ人に好評!

英語で書いた日本語テキスト

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Isoko Durbin のブログ集

アメリカ人夫の一言

カンザスシティーの週末

 

 

 野菜や果物、花、手作りのジャム等を農家の方々が直接売る市場が、アメリカにはどこにでもある。このような市場は、私が住んでいる町のダウンタウンにもあり、「シティーマーケット」と呼ばれている。この市場は週末ごとに開かれ、夫と飼い犬のボジョと一緒に行くことが、私の週末の楽しみである。

 

 

 シティーマーケットは、メキシコからのエキゾティックな品物を売る店、ベトナムやイタリアンレストラン、アフリカの食料品店などが囲む広場にある。野菜や果物を売っている人たちの中には、中国人が多く、私が住んでいる町で最も国際的な一角である。最盛期の夏にはアーミッシュと呼ばれる、昔からの暮らし方を厳しく守り、今でも大草原の小さな家の衣装のような服を着ているクリスチャンが、昔ながらの製法で作られたジャムを売りに来ていた。かわいい瓶に詰められた洋梨ジャムを私の夫が買ったが、甘くシナモンの香りがした。パニーニがおいしいイタリアンサンドイッチ屋の前では、いつも花を売っている若い女性がいる。その隣では、ズッキーニ、トマト、葡萄など、地中海野菜の食材を、イタリア人のおじさんが声を張り上げて売っており、このおじさんから買えば、「グラッチエ」とイタリア語でお礼を言ってもらえる

 

 概して、アメリカの野菜は日本のより大きい物が多い。アメリカに来たばかりの頃は、大きなピーマンや、なす、キュウリなどに驚いたものだ。市場には、日本にはない野菜がたくさんあり、棚に山盛りになって陳列されている。私はいつも、市場の中を一通り歩き、全ての値段を確認してから買い始める。アメリカ人の夫は、行き当たりばったりで買い始めるのだが、そうすると買った後でさらに安い品物に出くわすことがあり、後悔しかねない。スーパーでの値段に比べれば、シティーマーケットの野菜は、仲買人がいない分、破格値で買うことができる。夏であれば、大きなピーマン8個1ドル、ズッキーニ10本1ドルくらいである。夫といつも戦利品を比べ合い、どちらがよりたくさんの野菜を得ることができたか自慢しあうのが私たちの楽しみだ。

 一度暑い夏の盛り、野菜でいっぱいになったビニール袋を山のように抱え、汗だくになって坂の上に止めた車まで歩いたことがある。汗でずり落ちるサングラスを気にかけながら何度も重い袋を持ち替え、右側におしゃれなカフェの外庭で食事をしている人々を通り越し、坂の上のアパートの駐車場を通り抜け、路上駐車した車に野菜を入れようとした。しかし、なんだか荷物が軽くなっている気がする。袋を開けてみると、さっき買ったばかりの大きな玉ねぎが3個、無くなっている!よく見ると、買い物袋の底には、穴が開いていた。あまりにもたくさんの玉ねぎを袋の中に入れていたため、歩いている間、知らずにゴロゴロと落としていたのである。せっかく8個1ドルで買った戦利品をみすみす失うことはできない。大急ぎで今まで通った道を引き返したが、失われた玉ねぎはどこにも見当たらなかった。強い日差しの中、のどが渇き、皮膚がじりじりと焼けているのを感じ、私は車に戻った。

 

 

 アメリカを旅するなら、庶民の生活が見え、交流の場が持てるこういった市場に足を運ぶべきだと、私は思う。